なぜ我々住民が反対するのか

発端: 平成15年7月25日、個人住宅の解体工事中の現場に突然「建築計画のお知らせ」看板が出現
      (建設計画概要

争点: 建築計画の規模および内容

 我々住民は(株)トーシンの建設計画が鵜の木の生活環境にそぐわないものとして、その計画の撤回乃至は縮小を主張し、せめて4階以下・地上12mまでで、ファミリー型を主体にワンルーム型の併設を要求しています。


反対事由:
  1)  建築に係る基本理念の欠如

 大田区では、建築許可に当たって「大田区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」が定められております。
   その第1条では、良好な近隣関係保持に依って地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とし、
   第4条では、建築主は、紛争を未然に防止するため、中高層の建築物の建築を計画するに当たっては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮すると共に、良好な近隣関係を損なわないよう努めねばならない、とされています。
   (株)トーシンの公開文書でも「地元との共存共栄」を謳っているものの、実情はこの条例の趣旨を無視し、何等の配慮も協議もありません。そして、(株)トーシンは競売を経て取得した土地の上に、その法的基準(建蔽率 70%,容積率 200%)ぎりぎりの巨大な建築計画を立てたもので、その一方的に策定した当初計画その儘を未だに強行しようとしています。
 この様な自社の社会的責任も顧みず、なりふり構わぬ(株)トーシンの行動は、穏やかな街づくりを願う我々地域住民に対する挑戦となっています。

  2)  自然環境との不調和

   当地区は第一種住居地域であり、多摩川に近く古くからの親しい隣人に支えられた閑静な低層個人住宅地として、野鳥が飛び交い四季折々の草花と樹木に囲まれた良好な自然環境を持つ町です。
   それ故、地区の社宅を含むアパート・マンションでも地域一帯に相応しい規模・構想に自主規制しております。
   この様な土地柄に、突然の 6階建て 71戸のマンション計画は座敷に土足で踏み込むのに等しく、とても相容れるものではありません。

  3)  生活環境の破壊

  これまでの(株)トーシンの建築計画説明会で端無くも証明された形になりましたが、隣接住民・家屋・地域性等に就いて同社の事前調査・認識は真にお粗末の限りで、その上での本計画が強行されれば、その直接被害は計り知れないものになりましょう。
   即ち、この様な土地一杯に巨大建物では、日照・採光・眺望・通風・エアコン室外機の騒音/風害・近隣プライバシー・圧迫感・車の出入りに依る様々な交通障害等の恒久的な被害は建物規模が大きい程、加速度的に増えて膨大な補償対象になります。
   更に、我々は新しい住民の参入を歓迎こそすれ決して拒んでいる訳ではありませんが、全戸ワンルーム分譲マンションという点に重大な問題ありと考えております。
   詰り、殆どのマンション購入者(所有者)と居住者が同一でないと云う事は、仮にマンション理事会があっても所有者の意思が居住者に伝わり難く、それでなくとも無責任に成りがちな独身居住者の放漫を許す結果になります。
   ファミリー型のマンション居住者に較べると、定着性も近隣との接触も薄く、ワンルーム・マンションの独身居住者に因る近隣被害は昼夜を問わぬ騒音・照明・ごみ・風紀・車問題等から近隣との軋轢に至るまで枚挙に暇がありません。そして、これ亦、集合戸数が多い程増幅され、一旦不良分子でも入り込めば善良な居住者が住めなくなりましょう。
   それが為、それぞれの地方自治体で各種のワンルーム・マンション規制の措置を講じつつあるのも当然の事と言えるでしょう。

   4)  更なる被害の拡大

   今回の事例が強行されると、地域一帯での前例となって広い範囲での環境崩壊の糸口に成ることを我々は危惧しております。
   そして、これ等の自然環境や生活環境の劣化が進めば、その地点がスラム化するだけでなく、近隣の住民も住みづらくなって転出する事態も予想されます。
   結果が出るまでに時間が掛かりましょうが、その近傍の先住者所有不動産の価値下落の要因となる事は確かで、既に田園調布1丁目のワンルーム・マンションでの実例があります。
   又、本計画のマンション購入者と言えども、自己で運営するか又は賃貸の保障が無い限り(他人任せでは)、昨今の市場傾向から仲々採算の取り難い投資に為りかねず、居住者次第では被害者になる恐れすら考えられます。その上、マンションの保守・営繕に責任を持つ者がいなければ、いずれ廃墟になって、購入者のみならず周辺地域に計り知れぬ負のコストを強いることになります。