当局のアマチュア無線歴と使用リグ

 私は4級アマチュア無線技師の免許を平成4年の6月に取得し、同11月16日に[JK4UZQ]というコールサインで開局をいたしました。 
その当時、私の周りにいる視覚障害者で免許を持っておられる方が数名折られ、その方々の影響を受けて免許だけでも取っておこうと思ったのがアマチュア無線界に入るきっかけでした。 
それ以来上級試験も受けないまま、一番低いライセンスの4級技師でもう十数年がたってしまいました。 
 ところで、視覚障害者の私がどのようにして免許を取得したかと申しますと、まず勉強をするときは一般に販売されている問題集をカセットテープに音訳してもらい工学や法規を覚えました。 
そして、国家試験に関しては、試験官に問題を読んでいただき、私がそれに口で答える口答試験で受験させていただきました。現在では視覚障害者に対してはこのような方法が許されていますのでたくさんの盲人無線家(ブラインドハム)が活躍しておられます。
 さて、私が開局した当初は144/430mhzFMをたぬき(聞くだけ)ばかりしていました。何をしゃべったら良いのか、そしてうまくしゃべれるだろうか…、などと思ってばかりでハンディタイプのトランシーバーで聞くだけでなかなか声が出せませんでした。
外部アンテナもつけていたのですが整備不良のせいか遠くが入らず、ローカルも静かで等分送信はできませんでした。
 そして、開局1年が過ぎようとしたころ144mhzオールモード固定器と10エレメントヤギアンテナスタックを購入し、平屋の屋根の上にのせてみました。当然、電波の入りも飛びも比べ物にならないほど良くなりました。
そこで、恐る恐るFMでCQを出すようになり、それが病みつきになって毎晩晩くまでマイクの前に座るようになりました。おかげさまでローカル各局にお声がけいただき、クラブ局に入会させていただいたり、モービルで山へ移動運用をしに連れて行っていただいたりと楽しいハムライフをおくらせてもらうようになりました。
また、JARL(日本アマチュア無線連盟)にも入会してQSLカード(交信記録を書き込んで交換し合う絵はがき状のカード)も交換して集めるようになりました。
 それから1年余りたち、FMになれてきたころ、オールモード機ということでSSBの方も聞くようになりました。FM波に比べるともやもやとした聞きにくい声なのでなかなか送信しづらかったのですが、そんなある日SSBを受信していて今でも忘れられない感動を受けたことがありました。
それは、5月のゴールデンウィーク中のことでした。何気なく受信をしていると、2エリアのCQが聞こえてきました。微かにしか変調がのって来ないのですが確かに愛知県の山から送信しておられる移動局のようでした。私は耳を疑いました。だってそれまで楽しんでいたFM波では、私の設置場所(4エリア山口県)からでは到底聞こえてこない距離だったからです。
後に144mhzSSBにはまってみれば、夏場では当然交信可能な距離であることが分かったのですが…。その時はとうとうお声がけ出来ずじまいでした。
それ以来、144mhz・ssb波に見せられて6〜7年そればかりやっていました。その間、コン柱を立て、アンテナも10エレスタック2段、その後、13エレヤギスタックへとグレードアップしたり、受信ブースターも取り換えたりして、かなりはまり込んでいました。
また、ローカルの2sbファン各局と一緒に山へと移動運用して徹夜で楽しませてもらったりしていました。「若かったんですよねぇ〜♪」 
 開局9年目で漸くHF(短波)のできるリグとロータリーダイポールアンテナを購入して、7/21/28mhz帯を開局しました。
短波は季節と時間帯で日本だけでなく、世界各地と交信できるので、144mhzに比べると広範囲にQSOが楽しめますね。でも、たくさんの局が出ておられるのでなかなかお声がけするのが難しいですね。
因みに私が初めて海外の局と交信したときは、台湾の日本語が堪能な方にお声がけしたのですが、私より日本語をうまくしゃべられてこちらがきんちょうしてしまいました。お恥ずかしいことでございます。
私はこのころからちょっぴり熱が冷めたというのでしょうか・・気が向いたときだけQSOを楽しむようになりました。今ではたまにしかマイクの前には座らなくなってしまいました。
 でも、これからも細々とではございますが、楽しくハムライフをおくらさせていただきますので、各局各局、FBなQSOよろしくお願いいたしまぁ〜す!!

  【使用リグ】
 Kenwood TH78 ⇒ 開局時に購入した144/430mhz帯デュアルバンドハンディタイプのトランシーバー。テンキーで周波数をあわせられるので、なんとか視覚障害でも使えた。
 Icom IC275 ⇒ 2台目に購入した144mhz帯のオールモード固定器。受信感度が良かったような気がする?? オプションの音声ユニットを入れると周波数を音声表示してくれるので私にとっては使いやすかった。また、Sメーターがアナログ式なので、ある方にお願いして外部にもう1つ剥き出しのメーターを取り付けていただき、目盛りに添って針金をはりつけて手で触ってSが読めるようにしてもらった。
 Icom IC706MK2s ⇒ 1,9〜144mhz帯までカバーできる優れもの!! オプションの音声ユニットを入れると、周波数とSメーターまで音声表示してくれるので視覚障害者には最適だね!! ただ、ここ数年に開発製造されたリグは、ファンクションキーやメニューキーなどで設定しないといけないので我々自身では使いこなしにくいかな。



     
−ホームへもどる−