平成13年5月某日 住宅展示場に行ってみた

平成13年5月某日 住宅展示場に行ってみた

 勢いに乗ってきた私たちは住宅展示場(千葉県船橋市)を見に行くことにした。

 子どもがプラモデルに誘われて最初に入ったところが「一条工務店」だった。そこでは在来工法がいかに優れているかを力説された。在来工法は、屋根をできるだけすばやく架けるので雨が多い日本に一番向いているのだと。
 それに対して2×4工法は、壁ができるまで屋根がつかないので、それまでに雨に降られたら内部が水浸しになってしまい、どんな悪影響があるか分からないのだと。あと、壁で支える工法なので壁に穴を開けてしまうことになる「窓」はあまり大きなものは付けられないのだと。つまり開放感が得られないと。
 熱心に説明してくれたのは若い女性でした。妻は熱心に話を聞いていた。そして建てるなら在来工法で行こうという結論(仮)になった。

 その後、住友林業ヘーベルハウススターツなどを見た。スターツは、2×4工法なのだが、こっちの話も聞いておかないと不公平だと思い少し長居をして営業マンの話を聞いてみた。営業マンは工法の話はそっちのけで、資金の話しかしなかった。
 この地域では、4000万円代が相場で、3000万円代では新築は無理ですとのことだった。ほかのメーカーも同じような話で「家を建てるには4000万かかるのかあ」とちょっとショックを受けた。でもスターツの営業マンが土地を探してくれるというので、お願いしておいた。

 後から分かったことだが住宅展示場に出品するような会社はいわゆる「大手」である。大手はこの展示場の維持費やら、立派なカタログやパンフレットの制作費やら、派手な広告費やらを契約客から取るのである。だから大手の家が高いのも無理ないのである。(まあ、その時はそんな知識は全くなかったのであるが…)
 さらに大手は工事自体は自分ではやらず、下請けの工務店などに任せるそうである。ひどいのになると下請けから孫請けへと工事が丸投げされていく。だから4000万の家もそのうちの1000万とか1500万とかは大手の懐に入り、実質的には3000万とか2500万とかの家しか建たないのである。

 このスターツの営業マンもFAXで土地情報を流してくれたので、カーナビを駆使して片っ端から見に行った。でも、どの土地もひどかった。前面道路が未舗装で雨の日はぐちゃぐちゃなところとか、広いことは広いが駅から歩いてはこられない(つまり徒歩圏ではない)ところとか、そこへ入るのには一本の細い道路しかない陸の孤島みたいなところとかばっかりだった。
 それを営業マン氏に伝えたら「あまり土地を見すぎますと、目が肥えてしまいまして、気に入るところは見つからなくなりますから…」などと訳のわからないことを言われた。「さすが大手!土地なんざ何でもいいんだ。建ててしまえばそっちのものということか!」と思っていたところ、そのうちに脈のない客と思われたのかFAXも入らなくなった。
 でも、確かにそういう土地にも住んでいらっしゃる方がおり、その方たちには失礼なことだったな、もしかしたら住めば都なのかなとも思った。でも、わざわざ大金出して買う土地でもないよなとも思ったりもした。


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