つじ耳鼻咽喉科クリニック、9gatsu

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    前癌状態

   人間のからだはほとんどが細胞で構成されています。癌になると細胞の様子が変わります。 この変わった細胞を癌細胞と呼びます。 形が大きかったり、変な形だったり、核が大きかったりするのは癌細胞の特徴です。

   我々は臨床医なのでじかに見て、さわって診断の手助けにします。舌や口の中、声帯など では慢性的な白い病変は白色病変(または白斑症) と呼び前癌病変の疑いがあり注意すべきとされています。触ってみて 石のように硬いのも注意すべき所見です。

   疑わしい場合は一部を切除したり、表面をぬぐって(塗抹細胞診)調べたりします。 子宮ガンなどの検査と同様ですね。ぬぐった標本や切除した細胞を顕微鏡で見てもらい細胞の状態を判定します。 癌細胞が出てしまったら治療が必要ですが、癌ではないが形が幾分おかしい場合を 異形成と呼びます。ひどく形がおかしい場合は高度異形成 (severe dysplasia)と呼ばれ、癌ではないのですがいわゆる前癌状態であり, きちんとした経過観察が必要になります。高齢者や たばこ吸いの白色病変は 要注意です。