長年、「最も手軽に行ける3,000m級の山」として親しまれてきた乗鞍岳ですが、いよいよ来年(2003年)からマイカー規制によって、気軽には行けなくなってしまいます。そこで、もうこれで最後になるかもしれない乗鞍岳に登ってきました。
何しろ今年で最後ですから、この夏の乗鞍岳の混雑ぶりは半端じゃありません。休日には朝7時前に駐車場が満車になってしまうとのことなので、平日の早朝、出かけることにしました。朝5時前に自宅を出発。松本側から上る県道は、頂上付近のゲートが7時まで開かず、その間に駐車場が埋まってしまう可能性が高いので、安房トンネルを抜けて、乗鞍スカイライン側から上りました。
スカイライン終点の畳平に着いたのが6時20分。さすがに平日だけあって、駐車場はまだ空いています。しかし、長野県側のゲートへ行ってみると、そこにはゲート開放を待つなが〜い行列が。やっぱり、こちら側から上らなくて正解でした。
(写真:ゲート開放を待つ車の列)
畳平には、「鶴ヶ池」という池が広がっています。形が鶴に似ていることからこの名前が付いたそうです。この角度から見れば、何となく分かるかな?(左側が首)
数年前までは池のほとりまで歩いて行けたのですが、現在は自然保護のため立入禁止になっています。
(写真:鶴ヶ池)
畳平からほとんど平らな道を歩いていくと、右手に見えるのが不消ヶ池(きえずがいけ)です。ここには夏でも残雪があり、一年中水が涸れることのないことから、この名前があります。山の上に見えるドームは、コロナ観測所。一年を通じて太陽コロナの観測を続けていましたが、つい最近、閉鎖されました。
(写真:不消ヶ池と、コロナ観測所)
さらに進むと、目の前に乗鞍岳が姿を現します。畳平からの所要時間は15分ほど。ここまでは全くの軽装(サンダル等)でも来られるくらいですが、ここから先は立派な登山。ナメてかかると痛い目に遭います。
左下に見える雪渓は、夏スキーを楽しむ人たちで賑わっています。
(写真:乗鞍岳)
この辺りには、高山植物がたくさん生えています。コマクサ、イワギキョウ、ヨツバシオガマ、ミヤマダイコンソウ等々・・・。もう少し早ければクロユリが見られたのですが、残念ながらちょっと時期が遅かったようです。
(写真左:コマクサ 写真右:イワギキョウ)
ガラガラした岩場をエッチラオッチラ登っていくと、やがて尾根に出ます。足元には火口湖の権現池が広がり、はるか岐阜県側を望むことができます。
(写真:権現池)
尾根に出てちょっとだけ登ると、蚕玉岳(こだまだけ)の山頂があります。ここが頂上だと勘違いしやすいのですが、乗鞍岳の主峰、剣ヶ峰はもうちょっと先。剣ヶ峰からは、360度の大パノラマを楽しむことができます。数年前に来たときには、アマチュア無線をやってる人もいました。(笑)
(写真:山頂から見た北アルプスの山々)