想 う





切れ長の月

嘲笑さえ聞こえてきそう

だけど構わない

この想いは貴方以外に認めて欲しくもない ─



たくさんの囁きの中で一番好きなのは [ 名前 ] だと言って俯く。

こうしているのは、他の誰でもなく [ 自分 ] だとわかるからと。


細く壊れそうなのに、強いバネを隠している。

何度壊しても復元する。

何度汚しても ─ 美しいまま。

今、その金色の瞳に宿るのは私だけ。


子供はいつか大人になる。

君はいつ大人になる?

望まず回り始めた時間の中でゆっくりと狂っていくんだ。

暗闇の中で今も病み続けている私を巻き込んで。

私はいつ大人になった? ─ 心を壊し続けて ─

だから ─ ただ君に出会えた事を至福と想う。

ただ切なく想う。

愛しく想う。


[ 共に行ける場所は無いかもしれない ]

そう言うと、

[ オレはあんたから離れるつもりないから ]

簡単に言ってのけた。

[ でも・・捨てたい時は言わなくていいよ、わかるからさ ]

その笑顔は涙で出来ている。

[ 捨てたい時は言ってくれ。これでも結構鈍いんだ ]

砂で出来ていた私の顔 ─ たやすく崩れる。

[ バーーカ ]

[ 好きだって言ったのかな ]

[ バーカ ]  

[ 愛している?]

[ バカ・・]

[ ずっと側にいてくれるって?]

[・・・・うん ]

[ うん・・私も ]



心に傷を背負っているからじゃない。

孤独が辛いからじゃない。

闇が光りの方向に目を向けるのと同じ ─

冷たい空気が暖かな空気に引かれるのと一緒。

それは自然の摂理としか ─ 言いようがない。



「もう喋るのいやだ ─」

「そうだな」



お互い同時に瞼を閉じる。

そして同じ闇に堕ちる ─

朝の陽に照らされるまで・・・・ずっと二人きり ─





                              一条