ミッドライフ・クライシス

5年ほど前にわたしは大きな変化の時期に入った。
それまで流されるままに流れたり、無駄な抵抗を試みたり。
一番のきっかけは娘達の「親離れ」だっただろう。。
それまで、どこに行くのにも着いてきたがった長女が、「めんどい」という理由で、
家族の外出に付き添わなくなってきた。
一心同体だと信じて疑わなかった母子関係に、
疑問が生まれ始めた。

ただ、生まれたばかりの息子の世話で忙しい日々ではあったけれど、

「あれっ?」

そんななんとなく寂しい気持が、自分中心で回っていた家族のかかわりに、
改めて問い直す課題が一つずつ生まれてきた。



夫婦は二心二体?

その頃のわたし達夫婦は、いつも一緒だと信じていた。
仕事も一緒、家庭でも一緒。
だから当然協力し合うのは「義務」だと。
でも、本当は違った。
夫の留守が多くなり、家庭では母子で行動することが多くなる。
育児は楽しかったけれど、大変でもあった。一人になる時間が取れない。
気持は絵に書いたような良妻賢母を目指していたが、
思うとおりにならない歯がゆさ。
料理ができて、掃除が行き届いて、
そんな理想を求めるあまり、できない自分への劣等感、
そして、いつも留守にしてしまう夫への不満。
あの頃は、自分が代わることよりも、家族を変えることにエネルギーを使っていた。

加えて、便利な機器の陰で不便になっていく人間関係。

ドロドロになった気持を抱いて、自分が理解できなくなっていた。



気づき

「夫は変わらない。」
「過去は変わらない。」

当たり前のことだけれど、突然馬鹿らしくなって居直った時、
一番単純な答えに気がついた。

ならば、わたしが変わればいい。
これからを、変えればいい。。

たくさんのドロドロが少しずつではあるけれど、
こもった心の中から洗い流されていくように、
色々な出会い、が
固まった気持をとかしていった。

鏡に映した険しい顔のわたし。。。

に思いっきりアッカンベーをして、
笑顔の練習を始めた。