No.1「裏切りのブルース」’68/ 4/ 6
いくら邪魔でも捨てきれぬ奴がいる、それが本当にいい仲間と言うもんだ

変に冷たくて、不感症な女みたいに無愛想な部屋を捨て黒木の元に、仲間が集まる

黒木の元同僚の事件を通して5人が出会い、事件解決に向けて協力を開始する
黒木、啓子のスパイの腕前、風間の新聞記者時代の話、
車や、車のプラモデルいじりに夢中の島、
大家の娘ユミが仲間の一員となっていく過程、
そして、村岡室長と黒木の再会を描く


スタッフ プロデューサー 近藤照男 坪井久智
監 督 深作欣二 脚 本 高久 進  深作欣二
撮 影 下村和夫 原 案 都筑道夫
録 音 岩田広一 照 明 酒井信雄
美 術 兼子 元 編 集 大橋四郎
記 録 とうまひろ子 助監督 山内 柏
擬 斗 日尾孝司 音 楽 菊池俊輔
進行主任 深沢道尚 現 像 東映化学工業(株)






キャスト 黒木鉄也 津川啓子  谷口ユミ 島 竜彦 風間洋介 村岡室長
ナレーション  芥川隆行

ゲスト 南原宏治   青木義朗 室田日出男、 リンダ・ハウティスティ
オスマン・ユスフ、他 

 ストーリー ―
 1968年3月、ジュネーブでスイス銀行員が射殺された。10日後、雨のスイス国道で車が一台車道から転落炎上、現場から日本人男性のパスポートが発見された。さらに10日後、夜の東京、雨の降りしきる中、金髪の外国人女性が、傘もささずメモを片手に道を尋ねていた。
 一方、黒木の部屋では、島と風間の居候二人が、大家の娘ユミに、滞納している家賃が値上げされると聞かされて、金の工面に頭をひねっていた。そこへ金髪の女が黒木を訪ねて来た。女の名前はエレナ。スイスのジュネーブで、婚約した黒木に会いに来たのだと言う。しかし、チャーチルコインのロケットペンダントの写真は、黒木の元同僚、藤崎だった。エレナに、藤崎との結婚は諦めるようにと告げる黒木。失意のエレナを追った島だったが、何者かに殴られ車を奪われる。島の車はエレナを轢き走り去った。黒木が騒ぎを聞きつけ出てきた時、既にエレナは息絶え、その傍らにメモと写真の入ったコインペンダントが落ちていた。警察に事件報告をした後、以前籍を置いていた国際警察特別室の村岡室長に呼び出され、藤崎が死んでいたことを知った黒木は、村岡室長の復帰の誘いを断わり、自分の力で藤崎の弔いを出すことを決意する。
 自腹を切っても、命の恩人藤崎の弔いをすると宣言した黒木だが、スイスと日本を股にかけた殺人事件の唯一の鍵は、ユミの天才的な記憶力が見つけだした「チャーチルコイン求む!エレナ」という新聞広告のみ。エレナと名乗る女と、ホテルのロビーで風間が会っている間に、黒木は女の部屋を探索。女のバックから、スイス政府発行のパスポートと手紙が身を見つけるが、外人男性に襲われる。黒木は、格闘中、男が落としたチャーチルコインのペンダントを手に入れるが、男は仲間の車で逃走し、風間も女に正体がばれる。
 部屋に戻り、ペンダントの中のフィルムを見る黒木、ユミ、風間、島の4人。女の手紙から、フィルムはスイス銀行の日本政財界人の秘密の口座を巡る3人組によるゆすり事件に関するものだと判明する。しかし藤崎とエレナの死は、依然、謎のままだ。黒木の部屋に、女から電話が入る。スイスからきたフランス情報部のスパイだと言う女は、隣の部屋に越し黒木の部屋を盗聴していたのだ。フィルムを譲るように迫る啓子だが、黒木は断わる。啓子と黒木のスパイ合戦が始まる。3人組からの電話で、一人敵の罠に飛び込んだ黒木は、敵の手に落ちた。しかし、自白薬も黒木には効かない。啓子が黒木を助けにやって来るが犯人を取り逃がす。実は犯人の真の狙いは、ユミの誘拐しフィルムと交換することだった。今度こそフィルムを取り戻そうと、埋立地の工場に、黒木たちを呼び出した。
 全員決して車から出ないようにと告げ、ユミを無事救出した黒木は、工場の中へ逃げ込み犯人の男を倒す。二枚目のフィルム入りコインを手に入れた時、ダイナマイトが飛んできた。啓子が黒木を助けようと車から飛び出し、風間が後を追う。遂に3人目の男が現れた。死んだはずの藤崎こそが、エレナを殺し、ゆすりを計画した首謀者だった。女であろうと、仲間であろうと切って捨てる、それが俺たちの鉄則だ、と告げる藤崎。いくら邪魔でも捨てきれない奴がいる、それが本当の仲間と言うもんだと、自ら敵の前に立ちはだかる黒木めがけて、容赦なく車を発進、爆破を繰り返す藤崎だったが、黒木が投げたコインで運転を誤り車は回転大破炎上する。燃え盛る車に向かって藤崎の名前を叫び姿を探す黒木。風間、啓子、島、ユミもなす術なく、藤崎は車もろとも炎の海の中に消えた。後には藤崎のコインだけが残った。犯人達が消えた今、啓子にはもう必要なくなったフィルムは、風間が新聞社に届けることになる。黒木の後に続いて、みんなそろって前へ向かって歩き出した。


 Tik局長の感想記 ―

キイハンターの台詞はクールで、オシャレで、カッコイイ!そして愉快?!
局長の感想と、セリフと一緒にまとめてみました。
セリフ・・・・黒木鉄也津川啓子島竜彦谷口ユミ間洋介村岡室長
 スイスの事件から始まる第一話は、冒頭から英語が飛び交い、しかも、字幕なし!まるで外国映画を見ているよう。展開も速く、暗闇と激しい雨が怪しいムードを盛り上げる!舞台が日本になっても、タイトルが出るまでメンバーは姿を見せないが、キイハンターのメンバーが出て来てムードはがらりと変わって明るくなる。
キイハンターのメンバーの登場シーン。霞ヶ関ビル黒木の部屋、ユミ、島、風間の会話から・・・
  扉を開けて大家の娘ユミ登場。部屋には、たくさんの洋酒の瓶の乗った棚、壁には、ダーツが飾ってある。揺り椅子とソファーそして藤のテーブルがオシャレ。「ちょっと、いい若いもんが一日中ゴロゴロして恥ずかしいとは思わないの」小姑のような生意気な娘、ユミ。「若い娘がおふくろみたいなくちのききかたすんなよ。皺が増えますよ。」島は、車のプラモデル作りに夢中「口だけは達者なんだから(どっちが?!笑)黒木さんは?」「知らないよ」「しょうがないわね〜もうすぐこの部屋にいられなくなるかもしれないってのに」「来月から部屋代が値上がりするのよ。いくら私が管理人の娘だからってこればっかりはどうにも出来ないわ」「あんた達も居候なら、少しは真面目に考えたらどう」「考えてますよ。ソファーで競馬新聞をかぶって寝ていた風間登場!ギャンブル好き?でも、強そうには思えない。「明日のレースどうやったらモノに出来るかっと・・・(競馬新聞覗きながら)ユミちゃんいくつ?」「ユミちゃんの年。」「18よ」「決まった、それ!1-8ヨ!」「風間さん!」と、飛び出す風間の目の前に、びしょ濡れの女。部屋に招き入れ、島が最初に声をかける。「Your name?」「エレナ」「オー!エレナさんね。こんなにぬれちゃてまあ〜」ソファーに座らせ、タオルを取り合いかいがいしく髪やコートを拭く男二人。「ゆみちゃん、コーヒーかお紅茶を持ってきてやって」「何いってんのよ!(風間の尻をつねって)私女中じゃありません!とにかく黒木さんが帰ってきたら管理事務所に来るように言っといてちょうだい。」ユミは怒って帰ってしまう。「黒木?」女が嬉しそうな顔で言う。「あんた、うちのボス知ってんの?」「黒木さんはどこにいますか?私は黒木さんを尋ねてスイスから・・・」「スイスから・・・じゃあ、あんたうちのボスの・・・ん?!(小指を立てて、お・ん・な)」二人で、ひそひそ話「決まってんじゃないか馬鹿、アホ。ボスが昔捨てた女だよ。」「ボスはコレ(女)に、かけちゃ凄い腕だって聞いてましたからねボスの女遍歴暴露!「でもどうします?」「せっかくスイスから来たんだからなァ会わせてやれよ」と振り返って女を見る二人。ボスの女には手は出せない!
続いて黒木登場シーン
バーのカウンターには、黒木と書かれたスコッチウィスキー、ホワイトホース。ロックグラスに注ぐ黒木。酒好きらしい?これも過去の仕事のせいだろうか。島が、女を連れてくる。「黒木?」黒いソフトをかぶった黒木が、ウィスキーを飲みながら振り向くと、女の笑顔が困惑に変わる。「この人が黒木さんですか?」「エッ、あなたが探してる黒木さんとは違うんですか?」首をふり「I want to see Tetsuya Kuroki.(黒木鉄也に会いたいのです)」「なんのこったい。黒木鉄也は私だが・・・」女は首をふりメモを見せる。
『ココヘユク道ヲ教エテクダサイ
 港区霞ヶ関 霞ヶ関高層ビル 21〜93 黒木鉄也

「住所も名前も私だ」「じゃ一体どんな人なんですか、あなたが探している黒木鉄也って言う人は。」女が、チャーチルコインのペンダントの写真を見せる。「藤崎」「フジサキ?」「あなたが探していたのはこの男だったんですね」うなずく女「黒木さん藤崎って誰なんです?」「This is not Kuroki ? This is Hujisaki . That can 't be ......(以下字幕、この人が藤崎?そんなこと!私たちは婚約していました。一足先に日本へ行くとi言って別れたきり、ですから私は一人でスイスから・・・)「Forget it!」「What?」「こいつの事は忘れるんだ。あんたのような娘が結婚出来る相手じゃない。」「なぜ?彼は良い人ですよ。とっても良い人!「いい奴だってことは、私が一番よく知っている。私にとっても、かけがえのない親友だった。だからこそ、彼は私の名前を名乗ったんです。何も聞かずに忘れてやってくれそれがあいつの為だし、あなたの為だ。」女出て行く。「黒木さんいくらなんだってかわいそうだ、訳も言わずに。」「藤崎は私の昔の同僚なんだ。私は足を洗ったが、奴は今でも現役の情報部員だ」「だからって彼女をこのまま放り出しちまって良いんですか?」黙って酒を飲む黒木意味深な沈黙、クールなボスの登場シーンは、ハードボイルドのムードたっぷり
国際警察特別室超村岡室長の登場シーン
ガラスの扉には 《UNIPOL JAPAN》の文字。机には時代を感じさせる黒い電話が三台。「待ってたよ黒木。久しぶりだったな。」「相変わらずだな。この部屋だ、変に冷たくって、不感症な女みたいに無愛想だ凄い台詞!黒木にとっても似合っている。「君の憎まれ口も、相変わらずだ。しかしそういう話をするために来てもらったわけじゃない」「昨日の殺しのことなら全部警察に話してある」「念を押しておきたい事があってな。エレナが死ぬ前にも中身を見たろ。藤崎の写真だけだったか?」「どうして藤崎に直接聞かないんだ」・・・・・「本当に何も知らんようだな外国の新聞の死亡記事を見せられ「信じられん。いつも冷静だったあいつがこんな死に方をするなんて・・・」「・・・・・事故死じゃなく殺人だとしたら・・・」「藤崎はスイスで何をやっていたんだ」「部外者の君にそれを言うわけには行かない。」「俺は二人を殺したやつを知りたいんだ!」「それもわれわれの仕事だ。君の出る幕じゃない。しかしもし君がもう一度この部屋に戻ってくるっていうのなら話は別だ。そうしないか黒木。」「俺はこの部屋が嫌いだと言った筈だ。・・・俺は俺のやり方で弔いを出す」黒木が辞職した理由が少しずつ、わかってきた。
部屋に帰ってきた黒木と、風間、島、ユミの会話
「おかえんなさいボス。どうでしたか、サツの方は?」早速、酒を飲みながら、「もちろん血まなこさ。こいつはスイスと日本を又にかけた殺しだな。・・・・あのエレナが尋ねていた藤崎も殺されていたんだ」「えっ、ホシの目星は?」「全然」「しめた!こうなリャこっちが一足速くひっ捕まえて・・・ネ!風間さん」「昔俺をおん出した新聞社の連中をアット言わせてやるか」風間は新聞記者を止めさせられたらしい。「そうなればユミちゃんにも良い顔出来ますね。」「任しとけ!」「そんなことは問題じゃないよ。俺は藤崎に命を助けられた事があるんだ、現役時代にな。その藤崎がやられたとなりゃ身銭を切ってでもやらにゃあなるまい」黒木にとって、命の恩人の弔いは金銭の問題ではない。そして、ユミが新情報を持ってくる。「昨日の女の人エレナって言ったわね。確か前にもどっかでお目にかかったような気がするわ」「えっ、エレナにか?」「それが彼女の名前なのよ。思い出した!昨日の新聞に広告が載っていたのよ。」新聞を探す「会ったこれよ!『チャーチルコインを求む。当方コインマニア ミスエレナ』」「同一人ですかね」「少なくとも偶然とは思えんな」「どう?恐れ入った?あたしの頭は電子頭脳と同じなのよ!」 ユミの記憶の天才といわれる由縁が判明。「まっ、一種の奇形児だな。」「失礼ね!」若いもの同士、ユミと島は仲が良い!(笑)
ミスエレナに電話をかける黒木。電話に出たのは・・・啓子。啓子登場!「ハローミスエレナ?」「どなたですか?」「新聞広告を拝見したチャーチルコインを売りたい」「少々お待ちください、ミスエレナに聞いて見ます。フン♪フン♪フン♪お待たせいたしました。ミスエレナは、一時間後にロビーでお目にかかるそうです。そのとき胸に白いバラを挿して置いてください。それが取引の合図です。」啓子は、髪はリボンカールのリボンがいっぱいついている、羽がついたミニのワンピースで、煙草を手に色っぽく登場。
ホテルロビーにて、風間と啓子の初対面シーン!
「お待ちしてました。コインのお話にみえた方ね。」「オー、あなたがミスエレナ」「そうですわ」「それはそれは」風間のOKサインで、黒木は、プロの腕前を披露、女の部屋304号室の鍵をドライバーようなものであける。「エレナ。良い名前だ。哀愁がある。でも、あなたにはちょっとばかりそぐわない名前のようね。」「あなた姓名判断もおやりになるの」「さあ、ご希望なら続きもお話してあげましょう。エレナと言う名前は語感からして不幸でね、哀れな死に方をする。「何をおっしゃりたいの」「僕の知ってるエレナは昨日事故死したんですよ「ま〜可愛そうに」「だからエレナなんて偽名を名乗るのはおやめなさい。」「あなた何者?」「コインを売りに来た男」「そうは見えないわね」「そう〜?」・・・・「とにかく、コインを拝見するわ」と出した啓子の手を握って頬寄せる風間「ああ冷たい手だ、暖めてあげましょうか」「あなた、イタリーで暮らした事があるでしょう「何故?」「イタリーの男は女と見ると功徳のエチケットだと思っているのよ。」「ああ、良い趣味だ」「ね、素晴らしいでしょ」風間の手に煙草の火をつける「あちっちっち!」「おふざけはもう沢山よ!あなたのコインは何処で手に入れたの」「スイスジュネーブ「そっ、じゃ、実物を見たうえで、10万円までは出すわ」「お金は要らない。」「何がほしいの」「あなた」その後の二人を考えると、意味深なセリフ。「コインと引き換えだなんてあたしも、随分安く見られたもんね。」席を立つ啓子に粘る風間「そうおっしゃらずに」「交渉は決裂でしょ」「それはあなたの心一つ」「ずうずうしい男ね」「それが僕の取得でね」「ねえ、コインいらないの?」「帰ってよ!」「ねえ、お嬢さん!」304号室前「しつっこい男ね。どこまでついてくる気なのよ。」「下でお茶でも・・「放してったら」ぎりぎり任務達成の風間。
黒木の部屋へ、啓子が乗り込んでくるシーン。
揺り椅子に啓子が座っている。「あんたがフランス情報部の女探偵ねぇー」「そうよ。それがどうしたって言うの。おかしい?」「おかしくは無いけどね。それでこのフィルムを無事に持って帰ると、スイス銀行はあんたにいくら払ってくれるんだい?」「そんなことあなたに関係無し。ね!譲っていただけます?」「断わるね。」「あら、どうしてですの?お話次第では犯人捜査の面でもいろいろお力添え出来ると思いますけど」黒木、水飲みアヒルのシングルグラスにコインを投げ入れている。コイン投げトレーニング?「あたしはプロだと言いたいんだな」「あは、その通りですわ」「俺は昔こう教わったけどねハジキや盗聴器を振り回している間は、まだ一人前のプロとはいえないとね。」「へへへへへ(笑)」「失礼ね!」「失礼つい、でにもう一つ、もう一つ。このフィルムを没にして一番喜ぶのは誰?汚職やってる豚野郎達だぜ。まっ、日本で税金を払っていなあんたには関係ない話ですけどね」「ははは、威張るんじゃないのよ正義屋さん。あなただってそんなに沢山税金払っているようには見えないけど!」怒って帰る啓子「知ってるねぇー。」「でもおしくはありませんかね。味方は増えるし、金にはなる。」「何いってんのよ。あんな国籍不明出て行ってもらうわ、早速。」「ゆみちゃんそいつは待ってもらったほうがいいんじゃないかな?バカとはさみは使いようで切れるっていうからな。」黒木、既に啓子を仲間にするつもりか?となりの部屋に戻った啓子「これで引き下がると思ったら大間違いだわ、フン何さ、あんなOB。」盗聴機を取り出して壁に取り付ける。ライバル意識たっぷりの啓子。
黒木が敵に捕えられ、啓子が助けに来るシーン。
朦朧とした記憶の中で、「目が回る。吐き気がする。いつかもこれと同じ目にあったなあ・・・あれは・・そうだ、スペインのマドリッドだ。俺を捕えたのはマフィアのヨーロッパ支部の奴らだった」諜報部員だった頃の黒木の回想シーン・・・・椅子に縛られスペイン語で、「藤崎の居場所を言わないと殺すぞ!」と殴られる黒木(こっぴどくやられてボロボロ。)を藤崎が助け出す。「黒木、大丈夫か!」・・・・「黒木、コインの中のフィルムはどうした!何処にある?」男の声で目をあけて、机の上の注射器を見る「睡眠性の自白薬だ。俺はフィルムのあり場所をしゃべったか?そんなはずはない。俺はこの薬には、慣れている」「黒木、答えろ!フィルムを何処へやった。」「フィルムは・・・女に預けた」「女?ホテルにいた女か?」啓子が扉の所に隠れている「あの女、何者だ黒木」「たぶん藤崎の女だろ。」「バカ言え。藤崎の女なら、もうとっくに始末してある。」「言え、黒木!」「直接聞いてみろ!後ろにいるぜ。」コートを羽織った啓子を見た瞬間、黒木が男を蹴りつける。啓子の銃は当たらない。「いくら撃ったって無駄だよ」「フン大きなことばかり言って、なによ、このザマ」黒気の足の縄めがけて、撃つ。「おっ、乱暴だな〜おい」「肝心な所で邪魔をしたのはどういう訳よ!もう一歩であいつを捕まえられたのにさ。」「あんたがあと一センチ扉を開けたらな、あの仕掛けであんたも捕虜になる所なんだそれに現れるタイミングモちょっと速すぎたようだな。俺は逆に奴らから聞き出そうと思ってたんだよ。エレナが殺された訳をな。」やっぱり黒木のほうが一枚上手か。
午前四時、ユミとの人質交換の場所、多摩川縁のフィルム缶置き場。
「時間まで後3分ある。みんな俺の言う事を良く覚えておいてくれ。もう間もなく奴らがユミを連れて現れるはずだ。そしたら俺は出て行く。ユミを車に乗せたらすぐ向こうの入り口まで引き返して待て。どんな事があっても車から出ちゃいけない。言いな。でもこれから」「でも」「余計な真似をした奴は死ぬは死ぬぜ。それだけじゃない俺もやられる。lこれから始まるのはプロ同士の戦いだ。いいか。車から絶対に出るな」犯人達の車が到着する。黒木が車から出ようとすると「待ってこれ持ってって」銃を渡そうとする啓子「いらん」「だってあなた何もないじゃない!」「言うとおりにしろと言ったはすだぜ」黒木の諜報部員時代を思い起こさせるボスとしての貫禄、啓子の気持ちも伝わって来る。
ラスト、元同僚、命の恩人、藤崎との対決シーン。
爆弾が黒木を襲う。たまらず車から飛び出す啓子「津川君!」ここではまだ『君』付けの関係だ。「(島、ユミに向かって)二人ともここを動くな」啓子を捕まえて「何処へ行くんだよ」「決まってるじゃない助けに行くのよ!」「待てったら」と啓子を止める風間。二人の所にも爆弾が飛んでくる。啓子をかばう風間。藤崎が姿をあらわす。「やっぱりお前だったのか。出てこいよ、藤崎。「どうしてわかった、黒木」「お前の相棒達はこいつでゆすりをやらかそうなんてそんなタイプじゃないな。芯になる奴が他にいて、そいつがエレナを邪魔にし始めたとなれば、お前の他にはいないじゃないか。」「エレナか。あいつが日本へ来たのがケチの付き始めだった。」「藤崎、お前がエレナにしてやれることはそれだけか。あいつはお前の写真を抱いて雨ん中をさがしまわってたんだ。何の為だと思う?惚れたお前に会う為だぞ。それを貴様・・・」「ははは、黒木、お前も焼きが回ったようだな。女であろうと仲間であろうと邪魔な奴切って捨てる。それが俺たちの鉄則じゃなかったのかい?」風間と啓子が近づくのが見える「いくら邪魔でも捨てきれぬ奴がいる。それが本当に良い仲間と言うもんだ。」「俺たちゃ生憎そんな仲間じゃねえようだな。さてフィルムを返してもらおうか。断わっておくがねぇ、おめえを殺してでも取って見せるぜ」啓子と風間に向かって叫ぶ「こっち来るな〜!」風間と啓子にも爆弾薬が飛んでくる「キャー!」車と爆薬が黒木に襲い掛かる。黒木のコイン投げの技が、見事に藤崎の額に命中。そして藤崎は、燃え盛る車中に消えた。「皮肉なもんだな。3人とも死んでフィルムだけが残ったとは。どうだいスイスの銀行に持って行くかね?」啓子が首を振る。「じゃこれは君に任せる」風間に3つのコインを渡す。黒木を先頭に歩いていく4人。
 ユミはスタイル抜群、可愛いいワンピースを着こなし、男所帯に花を添えている。島はジャンパーが似合う若者、まだまだ”坊や”の愛称が似合うといった感じ。若いもの同士、ユミと息が合っている。風間と啓子の初対面シーンは、年齢設定が38歳と29歳なのだが実年齢は、逆転して、29歳と、32歳でどうも風間のほうがもてあそばれている感じ。黒木のアクションが満載の対決シーンは、カラー作品しか見たことのなかった局長にとって、ボスの魅力を再発見!カッコいいです!!そして、藤崎への黒木のセリフから、情に厚い黒木の性格もとてもよく解かる。ラスト歩いていく時に流れる音楽は、最終回と同じ?
 「いい仲間とは・・・」の黒木の思いは、そのままキイハンターのメンバー達の結びつきそのものだと言う事が、ラスト無言で黒木の後について歩いていくメンバーの満足したような表情からも、伝わって来る。結成の予感たっぷりの、第1回のエンディングだ。そしてそれこそが私が虜になったキイハンターの最大の魅力だったのだと、再確認した第一話でした。
                 (深作欣二監督を偲んで黙祷。 - tik局長 - )

 Tik局長、ゲスト考察記 ―
リンダ・
 ハウティスティ
健気出美しい娘なエレナ役にぴったり。大きな瞳が印象的日本語と英語のセリフをこなしている
●青木義朗 黒木との格闘シーンが見もの。
南原宏治 元同僚としてそして、最強の敵として、その憎々しげな表情で、黒木にとって不足のない相手を好演。最終回のキイハンター最強の敵としての出演は、もうこの時点で決定!?!

- by tik. 2004. 2.14.-

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