Vol.5 - V    interview    

  天草「千葉祭」トークショー 
2007 11/18 本渡第一映劇
【その3、JAC(ジャパンアクションクラブ)編】
出演 千葉真一 川瀬 kaki 亜矢 観客(敬称略)
トーク &A  Part . 3
 

※注 ●雰囲気が伝わるよう、なるべく、そのままの会話を書き出しています。
長時間のトークショーの為一部、要約もございます。
完全なものでは無い事を御理解頂いた上でお読み下さい。
    ― tik 局長 ―
 

そうですね、あの〜、
日本体育大学の出身なもんですから、
え〜、オリンピックんに出たいというのが僕の夢でしたから、
え〜大学入って絶対オリンピック出てやる!
あの〜日章旗をあげて・・・・
あの〜日章旗をあげて、その〜国家が流れてきた時に、
僕に、凄い感動があったんですね、
感動と言うのはやはり人間を変えるんですね、
やっぱり、感動が沢山、
いろ〜んな形の感動に沢山、沢山出会った人のほうが、
僕は、やっぱり人間的に大きくなるんじゃないかと、思うんですけれども、
だから僕は映画界に入っちゃったんですけれども。
映画と言うのはやっぱり感動を与えるものだと思うんですね、

え〜、僕の映画つくりの・・・
もちろんこれは、晩年ですけれども、
僕の映画作りのテーマは、やっぱり、愛と感動。
映画と言うものは、愛があり感動がある。
つまり、感動を、みんなに、
どういう感動を、与えるか、
それが僕映画だと思うんです。
そう言う意味で感動と言う〜ね、え〜、ものが、
僕の映画の全てなんです。
その感動をどう与えるか?、
その中で、アメリカの映画を沢山見ました。
どうして、日本映画はアメリカの映画ようにならないのか?
お金だけの問題じゃないだろう、
まっ、そんな事を考えているうちに・・・
え〜、映画の中で、スタントマンて言うのは、日本に無かったんですね。

はあ〜

そうですね、あの頃は、全く・・・

私が、たぶんこれは、・・・柿久さん知ってらっしゃるかな?
僕がね姿三四郎の映画撮ってるの知ってます?あります?

ああ、(貼ってあるポスターを指して・・・)
「柔道一代」って言う
・・・



あっ、それね「講道館の鬼」ではなくてね〜、
え〜、ごめんなさいね、
え〜降りても行っていい?え〜へへ。(笑)
あ〜???違うね、
(戻って)
えっとね、「講道館の・・・」・・・もう、もう一つね、あるんです

「柔道一代」って言う映画・・・・

「柔道一代」じゃ無くてね、何だったかな、なんか忘れましたけど・・・
≪実は、「柔道一代」…流石、kakiさん正解!≫

名前、いっぱい??・・・・いっぱい撮り過ぎて・・・
あのね、相手役が佐久間良子さんだったと思う。
そこの中で、あの、その・・・なんて言うんでしょうか・・・一番・・・
「講道館の鬼」(訂正・「柔道一代」)ですから姿三四郎です。
姿三四郎って言うのは、
最後に山嵐(やまあらし)というのをかけるんですね、
山嵐をかけてやっと飛ばす、
そうすると、空手兄弟の桧垣と言うのが飛ばされるんですけど、
その時に僕が最後にや〜〜〜っと、最後飛ばして、
桧垣が最後空中をバ〜ンと飛んで、
ド〜ンと叩きつけられて最後勝つ
という芝居があったんですけど、
そのとき僕が全部やって終わって、
飛ぶ人がいないんですよ!日本には・・・

あ〜〜

投げられる方ですね。

投げられる方が、スタントマンが、誰もいないんですよ。

はいはいはい。

ですから全部僕が変わって、その人になって、
僕が、投げた人に、僕が、全部変装して、僕が飛んでるんですよ。

あ、はははっ。(笑い)投げて・・・

(笑い)

いや、ホントなんですよ!
それが僕がJACを作った最初なんです。

そうなんですか・・・・

何で僕がこんなことしなきゃならないんだろう。
でも、いい絵を取る為には、誰かがやらなきゃならない。
でも、やってくれる人がいない、
そう言う時代だったんですよ、僕が映画界に入った時には。
もちろんスタントマンクラブも無かったし。
ですから、全て絵を良くする為に、
僕やります!って言って、僕が全部やったんです。
飛ばされる役も悪い方も全部自分でやったんです。
で、こんなことではしょうがない。
で、ある時に・・・
僕は、映画の中でスタントマンを使って、
あそこに出てるのは僕じゃないんだって言われるのは、
僕はいやなんです。

ああ〜

自分の映画は、やっぱり、最後まで全てが自分が演じていなければ、
イヤなんですね。

う〜ん、ああ〜はい。

もし主役をやった場合、特に。

はい。

そうすると、日本の俳優さんの中で、
例えば、こういうところで、自分の息子を助ける為に、
凄まじいアクションをやんなきゃならない、そんなアクションをやる時に、
まあ、例えば、僕と悪い人と戦うという凄いアクションがあるとしますよね、
僕とやってくれる人が、いないんですよ。


ああ〜

そうすると、まあ、僕に近い俳優さんが・・・、
例えばここにAと言う俳優さんがいて、一緒にやるんだけど、出来ない!
もし怪我したら危ない!
じゃあ、なんとかこれに近い人がやろうと言うんで、
誰かスタントマンを連れてきて・・・やる。

はい

でも、この人は、その人(本当の相手役)じゃない訳ですから、
カメラが寄れないわけですよ、

はあ〜なるほど。

そすると、結局、ロングで撮るか、
いつも、いつもなんか変なところから撮って、
そうすると、僕も吹き替えをしているように見えるんですね、
これが嫌でね〜

はあ〜なるほど。

こんなこと・・・
一生懸命を賭けて、ホントに人を守るために、
その〜、命をかけて、本当に、しているにもかかわらず・・・、
やっているのに・・・・・

アクションと言うものは、
見世物にしちゃいけない!ドラマにしなきゃいけない!
それを自分が一所懸命やったとき、
やっぱり、アクションした時、やっぱり、ホントに拍手が来る、
(拍手が)来なきゃならないような、アクションをやっている。
にもかかわらず、
それが見せられない。
こんなことでは、日本映画ダメだな・・・

今、川瀬さんがさっき言ったように、
アクションはドラマである。
だから、ホントにきちんと身体が動けて、アクションが出来て、
そう言うような事が出来る人を、育てたい!
って言うのの始まりが、JACなんです。
それで、そこで、初めて
いろんな人達を作り上げたのが、
まあ、いつの間にか、
真田君たちも・・・・
今、日本で一番動ける俳優さんは、
真田広之です!ホントに!!


そうなんですね。

真田君も、堤君も動けますし、
ほんとにそう言う風にして、
JAC最初作ったのは、
最初は、それがきっかけだったんです。

え〜アクションって言うと、
飛んだり跳ねたりだけだと・・・、
ですけど、真田君たちはみんな日本舞踊も出来ますし、
パントマイムも出来ますし、
もちろんダンスも出来ますし、
歌ももちろん発声からきちんとやってますし、
要するに、身体を使って全ての感情表現が出来る俳優さんである事が、
あ〜、いわゆる、その、ほんとの俳優さん。
千葉さんのテーマで、いつも言うのは、
『肉体は俳優の言葉である』

はあ〜

常に監督さんの要求に・・・どんな要求にも、
笑って応えられるように、身体を作っておいて、
泣く演技も、笑う演技も、
そして、本との戦うアクションも出来なければいけないし、
馬にも乗れなきゃいけない。
必要な事を全てやってるだけなんですが、
日本の映画界ではそれを称して、
その、アクションと言う、飛んだり跳ねたりだけに・・・

ああ〜、ちょっと表現としては寂しいですよね。一言だけで・・・

そうですよね、
ですからアメリカの監督さんは・・・、
よくアメリカの映画をご覧になったら分かると思うんですけど・・・
アメリカの監督は、
『レディー、用意、カメラ、アクション!』って言うんです、すべて。
日本は、『用意、スタート!』
じゃ無くて、
アメリカは、『レディー、カメラ,アクション!』
演技をしましょう、演技をしてください。
アクションとは、『演技』のこと何ですね。
ですから、ジャパンアクションクラブも、
ジャパン『演技』クラブなんです。


なるほど

それが分かっていない。

(続く・・・・)

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