8月

第93回 8月7日

吾郎「かけがえのない時
   それは喜びをともにする時
   2人、笑いあう時
   そしてなにより
   愛しい存在がすぐそばにいる時ではないでしょうか
   ここには、何ものにも代えがたい時を過ごした夫が
   その伴侶に宛てた
   語り尽くせない思いが綴られています」

最愛の妻へ綴った感謝の思い…

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

手紙 「田中隆清さんから  妻 雅子さんへの忘文」
吾郎「田中隆清さんから、妻、雅子さんへの忘文」
隆清さん69歳、雅子さん63歳

手紙の朗読
夫から妻へ感謝の思いを綴った忘文

吾郎「えー、忘文は届きましたか」
雅子「はい、感動しました」
吾郎「37年越しに、追憶ラブレター」
雅子「はい
   いや、正直恥ずかしいですね
   あまり口には、そういうこと一切言いませんので」
吾郎「何か帰って、ね、だんなさんに会った時には
   一言、言ってあげるんですか」
雅子「褒めすぎの言葉をたくさんいただきまして
   ちょっと恐縮しております」
吾郎「じゃあ、これからもね
   楽しい思い出を」
雅子「はい」
吾郎「いろいろと作っていって」
雅子「はい」
吾郎「うん、ください」
雅子「はい」
吾郎「ありがとうございました」
雅子「ありがとうございました」
吾郎「こちら」
雅子「はい、ありがとうございました」

絵本 「にんじんケーキ」ノニー・ホグローギアン(作)
            乾侑美子(訳)

吾郎「すれ違う中で見つけた、本当に幸せなもの
   仲直りしたあと、ウサギの夫婦が食べたにんじんケーキ
   さぞ、おいしかったことでしょう
   にんじんケーキ
   1度手に取られることをお薦めします」


第94回 8月14日

吾郎「今から60年前、1945年8月
   広島と長崎に原子爆弾が投下され
   長きにわたった戦争は終結を迎えました
   互いに利益をかけて争った国と国
   それぞれの国に、多くの人々が暮らし
   そしてその1人1人に
   それぞれの人生がありました
   60年前、彼らの目に映っていたもの
   それはどんな景色だったのでしょうか」

赦しと希望を与えてくれたかっての敵国の友への思い…

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

手紙 「ディック・シャーウッドさんから小片ミヤノさんへの忘文」
吾郎「ディック・シャーウッドさんから小片ミヤノさんへの忘文
   2人は60年前の広島
   その地上と上空から、あの悲劇を体験しました」
リチャード(ディック)・シャーウッドさん82歳
小片さん87歳

手紙の朗読
原爆投下の悲劇を空と地上から体験した二人の絆を綴る忘文」

吾郎「えー、忘文は届きましたか」
ミヤノ「はい、私も嬉しく思います」
小片さんは、60年前の広島で体験した原爆の地獄を、一生忘れないという…
しかし、憎むべきは当時の世界情勢や各国一部の上層部であり
これからは個人の交流、友好を深め
人間の「絆」を高めていきたい…と静かに語ってくれた   
吾郎「はい」
ミヤノ「なんか、あれから
    来ていただいた方が、何人かありましたよね
    私の口から、あったように悲惨なあれでした」
(ミヤノさんの声が良く聞き取れないので違っているかも)

吾郎「迫り来る悲劇的な現実に
   もがき続けた痛み
   そして、その惨劇を最後まで止めることができなかった
   という痛み
   赦し、希望
   これからも、この2つを忘れることなく
   生きていきたいものです
   お二人の、そして世界の平和を
   心より祈っています」

絵本 「ひろしまのピカ」丸木俊

吾郎「2度と繰り返してはならない
   という願いを込めて
   原爆の図の丸木俊画伯が
   実話をもとに描いたこの作品
   ひろしまのピカ
   あなたにもぜひ、ご一読をお薦めいたします」


第95回 8月21日

吾郎「20世紀に大きな戦争がありました
   その熾烈を極めた争いは
   数多くの犠牲と悲惨を世界にもたらしました
   祖国危機存亡の時
   紅顔の美少年たちが、生存の可能性のない
   特攻に挑みます 
   何の代償も求めず
   ただひたすら、祖国のために
   身をていし、奮戦しました
   死が間近に迫り
   覚悟を決めた彼らの心境が忘文となって綴られています」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

出撃目前、死を覚悟した特攻隊員
出撃を祝い兵士を見送る

手紙 「特攻隊員の遺書 
       清水雅春 18歳」

手紙の朗読
死を覚悟した特攻隊員の遺書
   昭和二十年四月七日
     ニ飛曹 清水雅春十八歳
     沖縄海域にて特攻戦死

吾郎「ここに、戦争によって
   大切な仲間との別れを体験した若者が
   その後60年を過ごし
   今、当時を思い出しつつ
   綴った手紙が届きました
   川野喜一さんから
   60年前、あの戦争をともにした
   戦友たちの忘文」

手紙 「川野喜一さんから
     戦地に散った戦友たちへの忘文…」
川野喜一さん79歳
神風特攻攻撃隊第七御盾隊流星部隊
(川野さんが所属した部隊)

手紙の朗読
今は亡き戦友たちへの手紙…

神社に2通の忘文を置き
手を合わせる吾郎

吾郎「絶望を目の前に向かえながら交わした
   若き兵士たちの約束
   綴られた光景の一つ一つに
   胸が締めつけられる思いがしました
   あの戦争を戦った皆様
   どうか心安らかにお眠りください
   そして世界に一刻も早く
   平和が訪れることを心よりお祈り申し上げます」


第96回 8月28日

朗読 「ぜったいまもってあげるから…。」かとうようこ

吾郎「愛しいものへの無条件の愛
   それを育む一瞬一瞬は
   人間にとって何ものにも代えがたい
   宝物なのです
   夢を追う娘と
   心配しながらも、そんな娘を応援する母
   ここには、そんな母と娘の深い絆が刻まれています」

離れて暮らす母と娘の深い絆

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

手紙 「立花登貴子さんから  娘 香枝さんへの忘文」
登貴子さん49歳、香枝さん20歳

母から娘への手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、立花登貴子さんから忘文が届いておりますので」
香枝「はい」
吾郎「読ませていただきます」

手紙の朗読
夢を追う娘へ 応援する母の愛を綴った忘文

吾郎「以上です
   えー、忘文は届きましたか」
香枝「ホントに、こういうことを思ってたんだと思うと
   ちょっと嬉しい反面
   うーん、やっぱり、さみしい思いをさせたこととか
   これから埋めていける部分があればいいかなって」
吾郎「これからも、ご両親を大切に」
香枝「はい」
吾郎「してください」

絵本 「はなになりたい」*すまいるママ*

吾郎「何も傷つけない花になりたい
   と語る、心優しきライオン
   そんなライオンを愛し、慕うウサギ
   悲しい結末の中に見えるもの
   それは本当の家族の絆だったと思います
   あなたも、すまいるママの幸せな世界に
   触れてみてはいかがでしょうか」

 


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