7月

第89回 7月3日(総集編)

吾郎「辛い時、沈んでいる時、心に憂いを覚える時
   人は優しさに触れることで
   暖かな気持ちを取り戻し
   やがて、癒されます
   これまで、手紙とともに読み上げてきた
   多くの絵本
   そこにも、さまざまな形で描かれた
   優しさがありました」

人々の心を癒し、安らぎを与えてきた数々の絵本…

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

吾郎「非現実的で、不可思議な世界
   しかし、そんなありそうもない世界の中でこそ
   かえって、はっきり見えてくる何かがあると思います
   絵本は時に、そのような形で
   読む者にヒントを与えてくれます」

絵本 「みどりのなかのジュール」ジェローム・リュイリエ(作)
                結城昌子(訳)
(4月17日放送)

吾郎「絵本に描かれたさまざまな愛の形
   それらに触れる度
   人は愛しい人とともに過ごした日々を思い出し
   癒されるのでしょう」

絵本 「ねぇ、おぼえてる?」木村裕一(作)
              MAYA MAXX(絵)
(4月3日放送)

吾郎「親子の絆
   絵本の中にあっても、それは強く
   大切なものとして描かれ
   読む者に変わらぬ感動を与えてくれます」

絵本「ずっと、あなたのそばにいるよ」坂崎千春
(5月29日)

吾郎「ページをめくる人々に
   驚きや喜び
   そして大きな安らぎをもたらしてくれる絵本
   あなたにもぜひ、ご一読をお薦めいたします」



第90回 7月10日

吾郎「運命
   ほんの少しの偶然から人は出会い
   また、ちょっとした不運から人々は別れる
   しかし、そんな偶然を後から振り返る時
   それが必然であったかに見える瞬間があります
   ここには、そんな運命を感じている祖母が
   その孫に宛てた感謝の思いが綴られています」

孫の成長を見守り続ける祖母の愛…

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

手紙 「新井ミヨシさんから  孫 小布施多紀さんへの忘文」
吾郎「新井ミヨシさんから、孫、小布施多紀さんへの忘文」
ミヨシさん86歳、多紀さん24歳

愛する孫への手紙…

吾郎「新井ミヨシさんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」

手紙の朗読
戦中を知る祖母から戦後の孫へ 成長を喜ぶ忘文

吾郎「以上です」
多紀「ありがとうございます」
吾郎「えー、忘文は届きましたか」
多紀「はい」
吾郎「映画を見ての感想っていうのは初めて聞かれたんですか」
多紀「そうですね」
吾郎「ね」
多紀「はい」
吾郎「このような感想、ミヨシさんが思うというのは
   思ってもいなかったんじゃないですか」
多紀「そうですね
   あの、おばあちゃんから戦争の話、あんまり聞いてなかったので(うん)
   こうやって疎開してた話とか、東京が焼け野原の話とか聞くと…
   でも、ホント、映画を見てもらって、良かったのかなって思います」
吾郎「うん
   映画ってすごいですよね、こうやって」
多紀「そうですね」
吾郎「うん
   映画を通じて」
多紀「はい」
吾郎「ね、ミヨシさんとのいろんな話もあるだろうし」
多紀「はい」
吾郎「うん」

吾郎「スクリーンに映る戦場に
   自らの体験を重ね合わせるミヨシさん
   死と隣り合わせに暮らしてきたからこそわかる
   戦争の悲惨さ、辛さ、無益さ
   あの時無事だったから
   やがて多紀ちゃんが生まれてきたのですねという言葉に
   胸を打たれました
   ミヨシさん、これからも多紀さんの成長を
   見守り続けてあげてください」

絵本 「しらないひと」シェル・リンギ(作)
           ふしみみさを(訳)

吾郎「無益な恐怖心に駆り立てられ
   戦いを企てる王様たち
   そのとたん、平和だった国は闇と化してしまいます
   見知らぬ他者への不寛容さが
   暴力を生んでしまうことを正確に捉えた
   寓話だと思います
   しらないひと
   あなたにもぜひ、ご一読をお薦めいたします」


第91回 7月17日

絵本 「君のためにできるコト」菊田まりこ

吾郎「ただそばにいるだけで、勇気づけられる
   簡単でありながら
   とても大切なことに気づかせてくれる作品だったと思います
   ずっと一緒にいたい人
   人はそんな存在に手紙を綴る時
   いったい、どんな言葉をしたためるのでしょうか」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

手紙 「東美代香さんから  友人 塚本民子さんへの忘文」
吾郎「東美代香さんから、友人、塚本民子さんへの忘文」
塚本さん54歳、東さん47歳

最愛の友への手紙…

吾郎「えー、東美代香さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」

手紙の朗読
常に勇気を与えてくれる友へ感謝の思いを綴った忘文

吾郎「はい
   いかがでしたか?」
民子「あ、本当にありがたいです
   あの、今まで、もう、当たり前だったことが
   あ、奇跡なんだなと
   自分で食べて、自分で歩けて、自分で見えてとか(うん)
   そういう、あの、本当に普通のことが
   ああ、奇跡なんだな、ありがたいなって
   こう、今日、死んでもいいっていう(うん)
   そう、悔いのない人生を、あの、ガンによって
   あの、こう、いま、生活させていただいてます」
吾郎「これからも、いろんな人に笑顔を」
民子「はい」
吾郎「降り注いで」
民子「はい」
吾郎「ね」

吾郎「強く、朗らかに
   そしてひたむきに生きる塚本さん
   そんな姿に励まされてきた東さんは
   最愛の友に感謝の思いを綴りました
   東さん、塚本さん
   これからもともに励ましあい
   楽しい時を刻んでいってください
   お二人の幸せを心より願っております」

絵本 「ピエロのニノ」エリック・バトゥー(作)
           那須田淳(訳)

吾郎「進むべき道に迷い
   途方にくれたピエロのニノ
   そんな彼を救ってくれたのは
   自然なままの自分でいさせてくれた
   女ピエロ、ニナの存在でした
   不安を抜け出したニノ
   彼の満足げな後姿に
   思わず心なでおろすこの作品
   あなたにもご一読をお薦めいたします」


第92回 7月31日

吾郎「妻にする決心のつかない女をけして恋するな
   文豪、志賀直哉は、かつての作品の中で
   そう記しました
   愛する女性を妻とし、そして家庭を築く
   ここには、その喜びと
   ともに連れ添ってきてくれた妻への
   深い感謝の思いが綴られています」

最愛の妻へ綴った感謝の思い…

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

手紙 「岡田綱一さんから  妻 美弥子さんへの忘文」
吾郎「岡田綱一さんから、妻、美弥子さんへの忘文」
岡田綱一 昭和25年長野県に出生
岡田(三浦)美弥子 昭和30年福島県に出生
昭和59年出会い
昭和61年結婚
昭和62年長男太朗誕生

夫から最愛の妻への手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、綱一さんから忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
美弥子「はい」

手紙の朗読
愛する妻へ綴った感謝の思い

吾郎「以上です」
美弥子「ありがとうございました」
吾郎「えー、忘文は届きましたか」
美弥子「はい、しっかり、あの、受け取りました
    ありがとうございます
    ふと思い出したんですけれども
    私が最初、あの、パパこと綱一さんと結婚した時の
    気持ちというか(うん)
    それを一言お返しに(うん)
    パパに伝えたいんですけど(うーん、はい)
    あの、すごく尊敬できる(はい)
    人だっていうことが(はい)
    まず第一でした(うん)
    それは今でも変わりません(うん)
    で、私はホントに未熟者なので
    これからもよろしくお願いしますということを(はい)
    お伝えしたいと思います」
吾郎「はい
   それは、じゃあ、あの、ご自分の口からまた」
美弥子「そうですね」
吾郎「ねえ」
美弥子「はい
    あと一つ、ホントに、あの、ずっと変わらないので(はい)
    結婚した時からとか(うん)
    出会ったころと
    それは、もう、すごい感謝してるし(うん)
    すごいなと思ってます(うん)
    うん、それも付け加えてお礼を言いたいです、はい」
吾郎「わかりました」
美弥子「はい」
吾郎「じゃあ、これからもステキな家庭を築き上げてください」
美弥子「はい」
吾郎「ね、皆さんで」
美弥子「ありがとうございました」
吾郎「ありがとうございました」
美弥子「どうも」
吾郎「では、こちら」
美弥子「はい、どうもありがとうございました」
吾郎「はい、ありがとうございました」

絵本 「目をつむるのよ、ぼうや」ケイト・バンクス(文)
                ゲオルグ・ハレンスレーベン(絵)
                今江祥智(訳)

吾郎「少しヤンチャなトラのぼうやと
   その様子を優しく見守るお母さんトラの姿が
   とても印象的なこの作品
   画家、ゲオルグ・ハレンスレーベンの筆による
   愛くるしいトラのイラストも手伝って
   とても心和む絵本となっています
   目をつむるのよ、ぼうや
   皆さんにもぜひ、ご一読をお薦めいたします」


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