3月

第72回 3月6日

吾郎「例えそこにいなくとも、例えバラバラに見えようとも
   例え共に過ごした時間が一瞬であろうとも
   互いが互いをかけがえのない存在だと思いあってるとき
   人は彼らを家族と呼ぶのではないでしょうか
   ここには遠く離れた土地に住む者が綴った
   家族たちに対する、感謝の思いが記されています」

遠く離れた家族の絆

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「ロタツ・パスカルさんから 友人 平田麻里さんへの忘文」
吾郎「ロタツ・パスカルさんから、友人、平田麻里さんへの忘文」
パスカルさん19歳、麻里さん23歳

遠い国の家族から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、ロタツ・パスカルさんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
麻里「はい」

手紙の朗読
遠く離れた家族が綴った感謝の忘文

吾郎「えー、忘文は届きましたか?」
麻里「はい」
吾郎「では、お届け料として何か一言いただけますか」
麻里「そこまで、ホントに家族になれると思ってなかったんで」
吾郎「うん、むこうも、ねえ」
麻里「そうですね」
吾郎「すごい気持ちですよね、知らない場所に来て、一人でね」
麻里「うん」
吾郎「言葉も、最初は」
麻里「そうですね」
吾郎「ですよね」
麻里「全然しゃべれないんで」
吾郎「家族ですよね、もう、ホントに」
麻里「もう、ホントに、そうですね、私、一人っ子なんで」
吾郎「ええ、兄弟?」
麻里「そう、兄弟がいないんでね、どんな感じなんか、わからなかったんですけど
   ホントに弟になりますね」
吾郎「うん」
麻里「うん」
吾郎「いろんな思い出がありましたか」
麻里「そうですね、うん」
吾郎「まあ、じゃあ、最後に、ねえ、麻里さんにとっての
   家族とはなんでしょうかね?」
麻里「ずーっと切れないそんざいですね」
吾郎「うん
   それは血がつながっているとかっていう…」
麻里「関係なくです」
吾郎「関係なく」
麻里「うん」
吾郎「うん」
麻里「もう、ずっと続いてると思います」
吾郎「うん
   きっと、ずっと続いていって、またいろんなことが待ち受けて」
麻里「そうですね」
吾郎「ねえ
   いろんな思い出を作っていくんでしょうね、彼とも」
麻里「はい」
吾郎「わかりました
   ありがとうございました」
麻里「ありがとうございます」
吾郎「では、こちら」
麻里「はい」
吾郎「お持ち帰りください」
麻里「すいません、ありがとうございました」
吾郎「ありがとうございました」

吾郎「初めて見る風景、文化、人々に
   少し戸惑いを覚えながらも
   次第にその中に溶け込んでいく様子が
   目に浮かぶような手紙でした
   さまざまな人たちと触れ合う中で募っていく感謝の思い
   麻里さん、パスカルさん
   これからもご家族に、幸多からんことを
   心より願っております」

絵本 「幸福な質問」おーなり由子

吾郎「一風変わった彼女の質問に
   優しくユーモアを込めて答えを返す彼
   一つ一つ幸せを確かめ合うような二人のやりとりが
   読む人の心をとらえて離さない、この絵本
   静かな日常の中に満ちていくあたたかな時間
   そんな些細なことが、何にも変えがたい幸せだと感じさせてくれる
   作品でした
   あなたの中には、どんな幸福な質問が溢れているのでしょうか」

   

第73回 3月13日

吾郎「育ち行く子を見守る親
   時に立ち止まり
   そして壁を乗り越えていく子供たちを見つめながら
   彼らを励まし続ける
   例え自らが、危機の中にあってさえ
   ここには、降りかかる不運の中にありながら
   娘を思い続ける母の偽らざる思いが綴られています」

母から娘への偽らざる思い

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「三膳宣子さんから  娘 瑞穂さんへの忘文」
吾郎「三膳宣子さんから、娘、瑞穂さんへの忘文」
母娘の紹介、宣子さん57歳、瑞穂さん27歳

母から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、宣子さんからの忘文が届いておりますので
   えー、お掛けになってください」

手紙の朗読
母から心の支えにしている娘への忘文

吾郎「以上です
   えー、忘文は届きましたか?」
瑞穂「はい、届きました」
吾郎「お届け料として何か一言
   ご感想などいただけますか」
瑞穂「本当にお母さんの子供に生まれてきて
   本当に幸せです、元気になって欲しいです」
吾郎「そうですね」
瑞穂「はい」
吾郎「今、大変ですね
   お母様にもよろしくお伝えください」
瑞穂「はい、ありがとうございます」
吾郎「はい、ありがとうございました
   こちら、はい」
瑞穂「はい、ありがとうございます」

絵本 「かばんうりのガラゴ」島田ゆか

吾郎「かばんうりのガラゴが取り出すユニークなかばんの数々と
   それらに魅了される森の生き物たち
   彼らの愛らしいやり取りに
   思わず心を奪われてしまう絵本でした
   あなたも、このユーモアと機知に富んだガラゴの世界に
   触れてみてはいかがですか」


第74回 3月20日

吾郎「フランスの作家、サンテグ・ジュペリは言いました
   愛する
   それはお互いに見つめあうことではなく
   一緒に同じ方向を見つめることである
   道に迷うとき、前が見えないとき
   同じ方向を見つめながら、その歩む先を共に探してくれる存在
   ここには、そんな愛すべき存在に宛てた
   感謝と、ある決意が綴られています」

同じ方向を見つめる愛する人へ…

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「谷本真一さんから 田中美穂子さんへの忘文」
吾郎「谷本真一さんから、田中美穂子さんへの忘文」
美穂子さん28歳、真一さん29歳

婚約者から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、谷本真一さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」

手紙の朗読
もう一度夢に向かう勇気を与えてくれた婚約者への忘文

吾郎「はい、以上です
   えー、忘文は届きましたか」
美穂子「はい
    周りの方に支えられ、彼もここまで来ることができました
    これから結婚することになりますが
    支え、助け合って、周りのみんなとも楽しく
    生きていきたいと思います」
吾郎「いつもは、あの、判断を任された時に
   頭に君を思い浮かべるっていうのが
   すごい、気持ちがわかりますよね
   うん、なんか男としても、すごく分かる気がするし」
美穂子「はい」
吾郎「ねえ、今おっしゃった、周りの人にも支えられたって言う中には
   もちろん、美穂子さんもね、重要な、大きな一人として
   あったわけですしね
   これからも支えてあげてください」
美穂子「はい」
吾郎「ありがとうございました」
美穂子「ありがとうございました」

吾郎「諦めかけていた夢に、再び向き合うきっかけを与えてくれた美穂子さん
   そんな大切な存在に向けて綴られた、感謝の気持ちと尽くせぬ思い
   そんな言葉の一つ一つに、静かに聞き入っていた美穂子さんの表情が
   とても印象的でした
   真一さん、美穂子さん
   これからも二人で、進むべき道を切り開いていってください
   そして、ご結婚おめでとうございます」

絵本 「だいすきな あなたへ」田村みえ

吾郎「恋人たちが出会い
   やがてかけがえのない存在になっていく様子が
   独自のユーモアで展開されていくこの作品
   作者、田村みえの世界に対する温かなまなざしを感じる
   絵本だと思います
   だいすきな あなたへ
   あなたもこの作品に触れてみてはいかがでしょうか」
   

第75回 3月27日

朗読 「いつも一緒にいたいから…」長谷川聡子

吾郎「大切な人を想う
   特別な存在として、自分以外の他人を想える幸せ
   いつも一緒にいたいから
   そんな気持ちをいつまでも持ち続けることができたなら
   どんなにすばらしいことでしょうか」

特別な存在を想える幸せ

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「梶山純さんから 太田美海子さんへの忘文」
吾郎「梶山純さんから、太田美海子さんへの忘文」
純さん、美海子さん、ともに22歳

彼氏から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、梶山純さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
美海子「はい」

手紙の朗読
「いつも一緒にいたいから…」愛の忘文

吾郎「えー、忘文は届きましたか?」
美海子「はい」
吾郎「じゃあ、お届け料として何か一言、いただけますか」
美海子「初めて手紙をもらったんですけれども
    なんか、そういうふうに、すごい、真剣な言葉をもらったら
    ちゃんと、いろんな面で待てる人間になれる気がしました」
吾郎「うーん、待っててくださいとね」
美海子「はい」
吾郎「なかなかこんなことは、口には、普段はできないですよね」
美海子「はい」
吾郎「どうですか、こう、愛され…愛してるって、こうやってね
   言われるっていう感じは」
美海子「そうですね、なんか、うーん」
吾郎「うれしいですよね」
美海子「はい」
吾郎「うん
   まあちょっと大きな質問になっちゃうかもしれないんですけれど
   美海子さんにとって、ねえ、この、愛とはなんだと思いますか」
美海子「あの、この彼と付き合うようになってからは
    やっぱ、自分、自分がっていう負い目をしっかり持って(うん)
    幸せにするっていうことを考える方が(うん)
    やっぱり、ちゃんとした愛なんじゃないかなって(うん)
    ひとまかせじゃなくて(うん)
    そんな感じですね」
吾郎「うん
   ねえ、それもすごい伝わってると思うし
   お互いが同じ気持ちなんじゃないですか、そういった意味ではね」
美海子「はい」
吾郎「うん
   はい、ありがとうございました」
美海子「はい、ありがとうございました」
吾郎「では、こちら、お持ち帰りください」
美海子「はい、ありがとうございます」

吾郎「彼女を想う気持ち、不安、決意
   手紙にはそんなさまざまな想いが入り混じった
   梶山さんの今が、飾ることなく綴られていたと思います
   いつも一緒にいたいから
   梶山さん、その言葉を忘れず
   これからの道を美海子さんと進んでいってください
   そして美海子さん
   梶山さんを信じて、ステキな時間を刻み続けてください」

絵本 「わたしがあなたに聞いてみたいこと」堀川波

吾郎「人を愛するということを
   言葉にして聞ける幸せ
   言葉にして伝える幸せ
   その一つ一つが、とてもいとおしく
   魅力的なものであることを
   改めて感じさせてくれる作品だと思います
   大切な人と、共にあることの幸せを感じられるこの想い
   あなたが愛する人に聞いてみたいことはなんですか?」


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