1月


第64回 1月9日(総集編)

吾郎「自らの思いを絵本という形にしたためたアーティストたちがいます
   彼らがその絵とシンプルな言葉で伝えようとしたものとは
   一体なんだったのでしょうか
   彼らの作品には、それぞれが描いた、深い胸のうちが刻まれています」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文
   中国の故事、忘草に由来しています」

絵本 「100万回生きたねこ」
        作・絵 佐野洋子
        (10月3日放送)

   「おおきな木」
        作・絵 シェル・シルヴァスタイン
          訳 本田錦一郎
        (10月10日放送)

   「しろいうさぎとくろいうさぎ」
        文・絵 ガース・ウイリアムス
          訳 まつおかきょうこ
        (10月24日放送)

   「イザベルと天使」
          作 ティエリー・マニエ
          絵 ゲオルグ・ハレンスレーベン
          訳 石津ちひろ
        (10月17日)

吾郎「大切な人のそばにいるということの愛おしさ
   描くタッチは、さまざまでも
   伝わってくるのは、愛という共通の思いだったと思います
   あなたも機会があれば、大切な人と彼らの作品を
   手にしてみてはいかがでしょうか」


第65回 1月16日

吾郎「旅立ち
   それは、淋しい体験であるとともに
   自分たちが心の奥でつながっていることを
   再確認できる時でもあります
   ここには、離れて暮らす息子に宛てた
   母の言い尽くせない気持ちが綴られています」

自らの道を進む息子を見守る母の愛情

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「湊あつ子さんから 息子 史靖さんへの忘文」 
吾郎「湊あつ子さんから、息子、史靖さんへの忘文」
史靖さんの紹介、あつ子さん53歳、史靖さん21歳

母から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、あつ子さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
史靖「はい」

手紙の朗読
離れて暮らす息子へ故郷から応援している母からの忘文

吾郎「はい
   忘文は届きましたか?」
史靖「はい、届きました」
吾郎「では、お届け料として、何か一言いただけますか」
史靖「そうですね
   手紙をもらうっていうのが初めてだったんで
   やっぱり、正直照れますけど(はい)
   やっぱり、励ましてもらえるのは(うん)
   うれしいですよね」
吾郎「こんだけ思ってる、くれてるっていうのはね」
史靖「そうですね」
吾郎「やっぱり、親子の絆というか」
史靖「うん、結構、意外でしたよね、正直」
吾郎「そうですか」
史靖「そこまで見てくれているのかっていうか(うん)
   感じで」
吾郎「お母さんにお礼の電話をしないと」
史靖「そうですね」
吾郎「では、こちら」
史靖「はい」
吾郎「お持ち帰りください」
史靖「はい、ありがとうございます」
吾郎「ありがとうございました」
史靖「ありがとうございました」

吾郎「迷いながらも自らの道を進んでいく史靖さん
   その姿をずっと見守り続けているあつ子さん
   そんな姿が、目に浮かんでくるような手紙だったと思います
   史靖さん、あつ子さん、今度の湊家の食事会
   楽しいものになるといいですね」

絵本 「ぼくにげちゃうよ」マーガレット・ワイズ・ブラウン(文)
             クレメント・ハード(絵)
             いわた みみ(訳)

吾郎「愛されているからこそ、逃げようとする子うさぎ
   そんな気持ちを受け止めながら、自らの愛を示す母うさぎ
   うさぎたちの微笑ましいやりとりを通じて
   母と子を巡る、普遍的な心理を描いた名作だと思います
   あなたにもぜひ、ご一読をお薦めいたします」
   

第66回 1月23日

吾郎「フランスの思想家、ルソーは言いました
   世界で1番有能な教師よりも、分別ある平凡な父親によってこそ
   子は立派に教えられる
   父の姿を見て育つ子供たち
   彼らはやがて、その学びを生かすべく
   自らの道を歩み始めます
   ここには、そんな子供の足取りを見守る父親の
   不安と励ましの言葉が綴られています」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「父 山本茂雄より  娘 聖子への忘文」
吾郎「山本茂雄さんから、娘、聖子さんへの忘文」

吾郎「ようこそ
   えー、茂雄さんから忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」

手紙の朗読
娘の足取りを見守る父親から、励ましの手紙

吾郎「はい
   忘文は届きましたか」
聖子「はい、届きました
   今のうちがあるのは(はい)
   お父さんの影響が、すごく大きいと思うので
   やっぱり、お父さんは私のお父さんでよかったと思います」
吾郎「最初、聖子さんの東京にね、上京されると言ったときの
   お父さんは、どんな反応でした?」
聖子「え、全く、関心なかったように見えましたけど(うん)
   今の話を聞くと、手紙を聞くと
   やっぱり、さみしかったんだな、と」
吾郎「今度会った時は、なんて言いますか、この手紙をもらって」
聖子「え…」
吾郎「面と向かっては、なかなか恥ずかしくて…」
聖子「そうですね」
吾郎「うん
   わかりました
   では、お仕事の方もね、がんばって」
聖子「はい」
吾郎「たまにはね、お父さん、お母さんにも
   顔をみせてあげて」
聖子「はい」
吾郎「ね、ご実家の方にも行ってあげてください」
聖子「はい」
吾郎「では、ありがとうございました」
聖子「ありがとうございました」
吾郎「では、こちら
   お持ち帰りください」
聖子「はい」

絵本 「くまのこミンのふゆじたく」あいはらひろゆき(文)
                 あだちなみ(絵)

吾郎 「冬に備える3匹のこぐまたち
    何気ないやりとりの中に、家族の絆や
    思いやる心の大切さが、描かれていると思います
    彼らの愛くるしさが、とても印象的なこの絵本
    あなたにも、ぜひ、ご一読をお薦めいたします」



第67回 1月30日

吾郎「ここには、ある決断が綴られています
   そして、その決断お支えてくれた存在に対する
   言い尽くせないほどの感謝の言葉が綴られています
   娘から母へ
   その飾ることのない素直な思いの一つ一つが
   ここにあります」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「中曽奈苗さんから  母 康枝さんへの忘文」
吾郎「中曽奈苗さんから、母、康枝さんへの忘文」
2人の紹介、奈苗さん14歳、康枝さん45歳

娘から初めての手紙…

吾郎「ようこそ」
康枝「はじめまして」
吾郎「はじめまして
   奈苗さんからの忘文が届いておりますので
   どうぞ、お掛けになってください」

手紙の朗読
娘から母へ 素直な気持ちを綴った忘文

吾郎「忘文は届きましたか?」
康枝「しっかり届きました」
吾郎「では、お届け料として何か一言いただけますか」
康枝「思春期で、多感な時に(はい)
   ホントにいろんなことがありましたけれども
   このお手紙をいただいて
   今それが、懐かしく、いい思い出に変わったような気がします」
吾郎「今度、お母さんを幸せにしてあげたいというね」
康枝「はい、うれしいです」
吾郎「では、こちら
   お持ち帰りください」
康枝「はい、どうもありがとうございました」
吾郎「はい、ありがとうございました」

絵本 「どんなにきみがすきだかあててごらん」サム・マクブラットニィ(文)
                      アニタ・ジェラーム(絵)
                      小川仁央(訳)

吾郎「相手がどんなに好きかを競い合うウサギたち
   その微笑ましいやりとりが
   読む者を暖かい気持ちにさせてくれます
   ページを進めるうちに、人と人との関係において
   必要なものの存在に気づかせてくれる、この絵本
   あなたにもぜひ、ご一読をお薦めいたします」
   



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