8月
第42回 8月1日 吾郎 友情 見ず知らずだった2人に、家族とも恋人とも違った 独特の信頼関係が築かれていく この手紙には、大人になって出会い、友情を育んできた 友への親愛の情が刻まれています 家族や恋人とは違う信頼関係 友への親愛の情 吾郎「忘文 それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。 中国の故事、忘草に由来しています。」 手紙 「高井征子への忘文 山崎礼子より」 吾郎「山崎礼子さんから、高井征子さんへの忘文」 お2人の紹介、征子さん63歳、礼子さん36歳 友人からの初めての手紙… 吾郎「ようこそ えー、礼子さんからの忘文が届いておりますので お掛けになってください」 手紙の朗読 27歳年の離れた親友へ…お別れの手紙 吾郎「忘文は届きましたか?」 征子「はい」 吾郎「では、お届け料として 何か一言いただけますか」 征子「もう、4年半の思い出が 本当に走馬灯のごとく(ええ) よみがえって参ります 本当に私、さみしいんです 山崎さんと別れるのが(ええ) でも4年後の再会を楽しみに また私も、元気でがんばりたいと思います ありがとうございました」 吾郎「常に明朗快活で、積極的な征子さん そんな彼女を慕う礼子さんの気持ちが 素直に現れた手紙だったと思います 征子さん、礼子さん、これからも良き友として 友情を深めていってください」 吾郎「人生への先輩へのあこがれ 名作『雪国』や『伊豆の踊り子』で知られる作家 川端康成は、女性が抱くそんな気持ちを 自身の小説で、こう綴っています」 朗読 「女であること」川端康成 吾郎「優美な冬景色の中に浮かび上がる理想の女性の姿 焦がれる思いが、その姿をより美しく見せている様を 効果的に描いた名文だと思います あなたも、川端康成の叙情的な世界観に触れてみては いかがでしょうか」 吾郎「お国別、痛いの痛いの飛んでいけ比較 えー、転んでひざ小僧をすりむいた時に 母親が傷口をなでながら、何やら呪文を唱えてくれた しかし、この呪文の文句も各地域によって様々なようです えー、宮城県 ちちんぽんぽん、こがねさらさら、ぽー へー、危ない えー、鹿児島県 がぶがぶ、いじーんな、そがそが、いじーんな、ひらひらなーれ へー これもおもしろいですね、関西全般 ちんころまじない、ねこの… ちんころまじない、ねこのくそ ふーん、そうですか」 |
第43回 8月8日 吾郎「父親という存在 時にそれは厳しくも見え 立ちはだかる壁のようにも感じてしまうものです しかし、厳しさの底を流れる暖かさに触れた時 その振る舞いの本当の意味を知るのではないでしょうか この手紙には、父の思いに触れた娘からの 溢れ出る感謝の気持ちが綴られています」 父親という存在 娘から父へ…溢れ出る感謝の思い 吾郎「忘文 それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。 中国の故事、忘草に由来しています。」 手紙 「父 満郎への忘文 娘 美保より」 吾郎「バビュック美保さんから、父、吉田満郎さんへの忘文」 父娘の紹介、満郎さん68歳、美保さん37歳 娘から初めての手紙… 吾郎「ようこそ えー、美保さんからの忘文が届いておりますので お掛けになってください」 満郎「はい」 手紙の朗読 国際結婚した娘から父へ…国境を越えた忘文 吾郎「えー、忘文は届きましたか」 満郎「ありがとうございました」 吾郎「えー、では、お届け料として 何か、ご感想など一言いただけますか」 満郎「はい 私が考えとったことや、ないことですね(はい) やはり、彼女自身が考えてメッセージをくれたと思います ありがとうございました」 吾郎「え、では、カナダには、まだ1度も行かれたことは…」 満郎「私ね、1度ね、行きました」 吾郎「いいとこでしょうね、カナダ」 満郎「そうですね、やはり自然が(そうでしょうね) 豊かなとこで、何と言っても、やっぱり ロッキー山脈という大きな(うーん) 山がありますからね 自然が大変(うーん) いいとこだと思います」 吾郎「これからも、忙しい日々なんでしょうね けして火をね、消すことなく」 満郎「そうですね」 吾郎「ありがとうございました」 満郎「ありがとうございました」 吾郎「では、こちら、お持ち帰りください」 吾郎「娘から、古希目前の遠く離れて暮らす父に送った お尻についた火を消して、ゆっくりしてください という言葉が、とても印象的でした 美保さん、これからも幸せな結婚生活を築いてください そして、満郎さん お体に気をつけて、これからもステキなお父さんでいてください」 吾郎「いつの時代も変わらぬ、娘の幸せを願う父の思い 世の文学潮流に流されず、独自の世界を築いてきた作家 室生犀星は、代表作『杏っ子』の中で そんな父の姿をこのように描いています」 朗読 「杏っ子」室生犀星 吾郎「多くは語らないながらも 胸の奥では常に、娘の幸せを思っている父親という存在 その心の動きがとても、巧みに描かれた名文だと思います あなたも、この作品で 娘の幸せを願う父の気持ちに触れてみてはいかがでしょうか」 吾郎「えー、こちらが届けられております 動物キャラ別ダイエット、体の動物占い 動物占いは、えー、僕は、えー、サルです えー、サルの見て見てダイエット 人まね大好き、自分も大好き 見られれば見られるほどダイエットに精を出すお調子者 そうか… まあ、それより動物占いがサルっていうのが ちょっと、なんか、あまり、言いたくないですよね 黒ヒョウとか、ペガサスとかだったら カッコいいですけどね、うん 僕は、サルなんです」 |
第44回 8月15日 吾郎「明日死を迎えるかもしれないという絶望的な環境 人は、そんな場所におかれたときに 何を支えに困難を乗り越えるのでしょう ここには、最悪の状況を共に生き延びた友に対する 言い知れない感謝の気持ちが綴られています」 戦争を共に生き延びた戦友へ感謝の手紙 吾郎「忘文 それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。 中国の故事、忘草に由来しています。」 手紙 「戦友 藤村許次への忘文 本間喜市より」 吾郎「本間喜市さんから、藤村許次さんへの忘文」 お2人の紹介、喜市さん、大正14年生まれ 許次さん、大正15年生まれ 戦友から初めての手紙… 吾郎「ようこそ えー、本間喜市さんからの忘文が届いておりますので お掛けになってください」 手紙の朗読 戦争を共に生き延びた戦友へ感謝の手紙 吾郎「えー、忘文は届きましたか」 許次「はい よく生きたと思うんですよ」 吾郎「うん、まあね お手紙にも書いてありましたね 帰ってきたこと自体が奇跡だった」 許次「奇跡ですね」 吾郎「うん、まあ、でも、それで 何十年ぶりに再会っていうのも、すごいですね 感激もしますし」 許次「ええ、ありがたかったですね」 吾郎「そうですね このようなお手紙を」 許次「あーっと思いましたね(ああ) 本間って言ったら もう、僕、よく覚えてます」 吾郎「わかるもんですか」 許次「ええ」 吾郎「顔、顔見てわかるもんですか」 許次「顔見てわかりましたし 名前はもう、克明に覚えてますしね(ええ) うれしかったですね」 吾郎「そうですか」 許次「ありがたいです」 吾郎「はい いろいろと、ステキなエピソードを ありがとうございました」 許次「本間も私も長生きします」 吾郎「はい」 吾郎「寒さ、飢え、過酷な労働 まさに想像を絶する、シベリアでの抑留生活 そんな、生と死の狭間にあった本間さんにとって 同胞の存在は、どれほど心強かったことでしょう 藤村さん、本当にありがとうございました という言葉が、とても印象的な手紙でした」 吾郎「ちなみに、自らのシベリアでの投獄体験を 作品に綴り続けてきた作家、内村剛介は 小説、生き急ぐの中で、その獄中生活を こう綴っています」 朗読 「生き急ぐ」内村剛介 吾郎「絶望的な状況下で、同胞の存在を目にとめた人間の 衝撃や動揺、そして喜び この文章からは、それらの感情が 独特の切迫感をもって伝わってくるように思います そして、人はなぜ憎しみ合い お互いをこんなにも傷つけ合うのでしょうか そんなことを考えさせられる名文だと思います 1日も早く、世界中が平和で満たされる日が来ることを 願います」 |
第45回 8月22日 吾郎「偉大な父親 そんな父を持つ息子は、他人には想像できない 重圧を感じることがあります この手紙には、父から息子に宛てられた 飾り気のない気持ちが綴られています」 父から息子への飾り気のない気持ち 吾郎「忘文 それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。 中国の故事、忘草に由来しています。」 手紙 「息子 秀哉への忘文 父 岳より」 吾郎「石崎岳さんから、息子、秀哉さんへの忘文」 父子の紹介、岳さん49歳、秀哉さん49歳 父から初めての手紙… 吾郎「ようこそ えー、石崎岳さんから、えー、忘文が届いておりますので お掛けになってください」 手紙の朗読 父から息子への飾り気のない気持ちを綴った忘文 吾郎「えー、忘文は届きましたか?」 秀哉「はい」 吾郎「では、お届け料として 何か感想など一言いただけますか」 秀哉「僕以上に(はい) あの、父親はすごく大変だったと(うん) 今まで、思うんですけれども まあ、僕は、全然、あの、苦労だとか(ええ) あの、特別に思ったことはなくて(うん) ただ頑張って欲しいという気持ちだったんですけど まあ、そんなふうに、父親に思ってもらってるとは 思わなかったんで」 吾郎「うん、すごい頼りに、ね 励みにもなったわけですね、去年」 秀哉「そうですね」 吾郎「びっくりしましたか? お父さんが突然、ね、選挙に出るって言った時には」 秀哉「そうですね あの、中学生の(ええ) 時だったんで あの、全く選挙とか、そうい政治とか(うん) あの、全くわからなかったので 新聞に出たりしてるのを見て ホントに、それで、びっくりして」 吾郎「うん でも、すごい、ね その、当選、落選の時、家族がどんな思いしてたかって やっぱ考えてたんですね」 秀哉「そうですね」 吾郎「そういう顔は、当時してなかった」 秀哉「してないですね」 吾郎「うん、でも、それくらい もちろん家族のことを思ってたってことだし ね、秀哉さんにとって、じゃあ お父さん、どんな存在ですか?」 秀哉「目標ですね」 吾郎「目標」 秀哉「はい」 吾郎「じゃあ、お父さんを目標に試験も頑張ってください」 秀哉「わかりました」 吾郎「では、こちら」 秀哉「はい」 吾郎「ね、ありがとうございました」 吾郎「父から息子に対する 感謝といたわりの気持ちが綴られた手紙だったと思います」 吾郎「ちなみに中国の作家、ポン・ヂェン・ミンの 山の郵便配達には、このような父と息子の物語が 描かれています」 朗読 「山の郵便配達」ポン・ヂェン・ミン 吾郎「年老いた父親から、息子に受け継がれる仕事 この作品は、複雑な父親の心境が丹念に描かれた 名文だと思います」 吾郎「今日はこちらです 電撃スポーツ感覚で虫退治 電撃殺虫ラケット 金属部分に接触したハエなどを簡単に駆除します 空気を汚さないので、赤ちゃんやお年寄りのいる部屋でも 安心して、ご使用になれます 警告、金属、ネット部分に 体や手、指、金属部分が触れると 高圧電流による放電ショックがありますので ご注意ください あ、これで流れるんですね えー、僕は中学のころテニス部でした (サーブを打ち、ラリーをするマネ) ちょっと、違うのかな テニス部を辞めた理由は えー、髪の毛を坊主にしなければならなかったからです」 |
第46回 8月29日 吾郎「父と息子 それは、親子でありながらもね男と男 ライバルにも似た、複雑な関係だと思います この手紙には、20年にも渡る親子の葛藤が 綴られています」 息子から父に送った二十年に渡る想い… 吾郎「忘文 それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。 中国の故事、忘草に由来しています。」 手紙 「父 忠への忘文 息子 匠より」 吾郎「西野匠さんから、父、忠さんへの忘文」 父子の紹介、忠さん47歳、匠さん22歳 息子から初めての手紙… 吾郎「えー、ようこそ えー、息子さんの匠さんから 忘文が届いておりますので」 忠「はい」 吾郎「えー、お掛けになってください」 忠「はい」 手紙の朗読 父と息子…二十年に渡る父子の葛藤を綴った忘文」 吾郎「はい」 忠「ありがとうございました」 吾郎「えー、忘文は届きましたか」 忠「はい」 吾郎「はい」 忠「やはり、いつまでも、あの 子供だと思っていましたが(はい) やはり、もう、親にはわからないんですけども かなり成長して(はい) おとなになったんだなっていうふうに思います はい」 吾郎「わかりました、ありがとうございました」 忠「ありがとうございました」 吾郎「では、こちら お持ち帰りください」 忠「ありがとうございます」 吾郎「ありがとうございました」 吾郎「普段は出せない、匠さんの父に対するあこがれや 感謝の本当の気持ちが綴られた 忘文だったと思います」 吾郎「ちなみに芥川賞作家、庄野潤三は 絵合わせという作品の中で ある家族の親子を、こう描いています」 朗読 「絵合わせ」庄野潤三 吾郎「父親の息子に対する厳しさと その中にもある愛情が、実に良く描かれた名文だと思います あなたもぜひ、この作品に触れてみてはいかがでしょうか」 吾郎「ポケットに入る美女の胴切りモバイルイリュージョン 美女の胴切りは、えー、普通、人を箱の中に入れてから 切り離しますが、うん 私は箱に入れる前に切ってしまいます うん? と、言って相手の目の前で、美女の描かれた絵を ハサミで切ります しかし、その切った紙をケースに入れると 完全につながってしまうのです へえ… では、手品を披露します さあ、えー、こちらに、すでに切ってある えー、美女のカードがありますね もう胴が切れちゃってます まあ、実際の人間だったらね これはあり得ないと思うんですけれども これをですね、えほ、こちらん中に入れますね パコッ まずは上から胴体部分を入れます そして、今度はですね、下半身を入れたいと思います では、スパッ 入りましたね はい イワコデジマ、イワコデジマ、チチンプイプイ よし これでですね、つながってるんですね これで開けます サッ つながっています いやー、1人で手品をやるっていうのも 結構寂しいもんがありますね」 |