6月

第35回 6月6日

吾郎「共に暮らす年月を経て、深まる夫婦の絆
   その絆の強さは、二人の人生が節目を迎えた時にこそ
   示されるものです
   この手紙には、33年間の結婚生活の中で
   共に節目を乗り越えてきた、妻に対する
   夫からの感謝の思いが綴られています」

夫婦の絆の強さ…

三十三年の歳月を経た夫の感謝の思い

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「妻 悠子への忘文  夫 二郎より」
吾郎「佐々二郎さんから、妻、悠子さんへの忘文」
ご夫婦の紹介、二郎さん60歳、悠子さん56歳

夫から初めての手紙…

吾郎「二郎さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
悠子「はい」

手紙の朗読
第二の人生を歩み始めた夫から最愛の妻へ…

吾郎「はい」
悠子「ありがとうございます」
吾郎「えー、忘文は届きましたか」
悠子「はい」
吾郎「では、お届け料として
   何か一言いただけますか」
悠子「はい
   思ってもみなかった(はい)
   あの、お手紙いただいて
   とても感激しています」
吾郎「退職される間際に、役者になりたいと(はい)
   聞かれた時は、どんな思いでした」
悠子「まさかね、ホントに会社を辞めてまで
   そういうふうに(ええ)
   進みたいと、まあ、思ってませんでしたので(ええ)
   とまどいましたけれども」
吾郎「まあ、それをでも、サポート、ね
   悠子さんがしてくれてるおかげで、ね
   こうしてまた、第二の人生を、僕も歩むことができてるって
   な、おっしゃってますから」
悠子「うれしく思います」
吾郎「また、なんか、いい思い出ができるといいですね」
悠子「はい」
吾郎「これから
   ありがとうございました」
悠子「はい」
吾郎「結婚して33年
   どんな節目を迎えても、常に夫の意を汲み取り、尽くしてきた妻
   そんな妻への信頼の深さが感じられる手紙だったと思います」

吾郎「夫婦を歌った演歌の名曲
   都はるみの夫婦坂で知られる作詞家
   星野哲郎は伝えそこねた一言というエッセーの中で
   今は亡き妻への思いを、こう綴っています」

朗読 「伝えそこねた一言」星野哲郎

吾郎「長い年月を連れ添って生きてきた夫婦の愛情
   胸の中で、ずっと大切に育て続けた夫の思いが綴られた
   名文です
   あなたは、自分の大切な人への思いを
   どんな言葉で綴りますか」

吾郎「選んだ順番が表す寿司ネタ解説
   一皿目に選んだものは、外に見せてるあなた
   ふーん
   僕だったら一皿目に、やっぱり白身のお魚かな
   ヒラメとかタイ
   あ、載ってた
   ヒラメ、えー、夢を忘れない人
   優しすぎて、お人よしな面も…
   お人よしだって」


第36回 6月13日

吾郎「育っていく子どもを見つめる親
   自分の分身のように思えていた存在が
   やがて独自の意思を持ち、親から離れていく
   そして、それを望んでいながらも
   なぜか、少し寂しい気持ち
   ここには、そんな娘を持つ父親の
   複雑な心境が綴られています」

自ら選んだ道を歩みだした娘への忘文


吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「娘 ひとみへの忘文  父 剛一より」
吾郎「高嶋剛一さんから、娘、ひとみさんへの忘文」
父娘の紹介、剛一さん55歳、ひとみさん24歳

父から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、お父様の剛一さんからの
   忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」

手紙の朗読
自ら選んだ道を歩みだした娘への忘文

吾郎「以上です」
ひとみ「はい」
吾郎「忘文は届きましたか」
ひとみ「は、はい」
吾郎「お父様の愛情が、すごい、手紙から伝わってきますね」
ひとみ「わたしは(はい)
    ホントに、幸せものなのだなと」
吾郎「はあ」
ひとみ「はい、実感しました」
吾郎「まあでも、時には厳しい父でもあるわけですよね」
ひとみ「あ、そうです。はい」
吾郎「大学生時代の、に、なんか怒られたこととか」
ひとみ「あ、はい」
吾郎「しかられたことってのは、あるんですか」
ひとみ「あ、あります
    あの、はい
    なんか、ちょっと目的を見失って(ええ)
    しまったときがあって(ええ)
    うん、ちょっと逃げて
    逃げ腰になってたときがあって(ええ)
    その時は、ホントに何がしたいのと(ええ)
    いつも、こう、自分に、ちゃんと、なんだろう
    いつも、そうですね、素の自分に
    こう、戻してくれる(ええ)
    お父さんでした」
吾郎「じゃあ、やっぱり
   自分のこれからの夢に対する(はい)
   そういって、努力していく意味でも(はい)
   お父さんてのは、これからも絶対に必要な
   大切な存在ですね」
ひとみ「あ、ホントにそうです」
吾郎「そうですね」
ひとみ「はい」
吾郎「じゃあ、お父さんのことも大切にしてください」
ひとみ「はい」
吾郎「はい、じゃあこちら」
ひとみ「はい、ありがとうございます」
吾郎「ありがとうございました」

吾郎「離れていく娘に、少し悲しさを感じながらも
   夢を持ち続けることが人間の幸せ、と
   それを受け入れる父
   自分の夢をいつも自分に問いかけてください
   という剛一さんの言葉が、とても印象的でした」

吾郎「ちなみに、自分の元を離れていく娘に対する
   父親の複雑な心境について
   作家、遠藤周作は、こう記しています」

朗読 「父親」遠藤周作

吾郎「父親というタイトルが付けられた、この小説
   単純な愛情だけでは、とらえられない親子
   独特の関係性を丹念に書いた名文だと思います
   あなたは、お父さんとどんな思い出がありますか」

吾郎「ギャル語辞典
   タ行、チ、超BM
   名詞、超バカ丸出し
   超SW
   形容詞、超性格悪い
   超グンジョウ
   形容詞、ひどく落ち込んでいる状態
   超ブルーより度合いが大きいので、青より濃い群青色となる
   へー」
   


第37回 6月20日

吾郎「親子、一見ありふれた言葉
   しかし、その内実は思った以上に多様なものです
   ここには、親子という関係を選択した2人の人間の
   波乱に満ちた半生が綴られています」

息子から母への感謝の手紙

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「母 佳永への忘文  息子 昌平より」
吾郎「鶴見昌平さんから、母、佳永さんへの忘文」
母子の紹介、佳永さん83歳、昌平さん54歳

息子から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、鶴見昌平さんから忘文が届いておりますので」
佳永「はい」
吾郎「どうぞ、お掛けになってください」
佳永「はい」

手紙の朗読
波乱に満ちた半生を乗り越えてきた母への忘文

佳永「ありがとうございます、どうも」
吾郎「はい、えー、忘文は届きましたか」
佳永「いや、恥ずかしい」
吾郎「何ですか」
佳永「恥ずかしい」
吾郎「恥ずかしいですか
   では、何か」
佳永「うれしいですけど」
吾郎「一言いただけますか」
佳永「はい、あのお父様とお母様に(はい)
   感謝して(ええ)
   良い母親になりたいと思います」
吾郎「はい」
佳永「いいですね
   何かもう、幸福でどうにかなりそう」
吾郎「あ、そうですか
   それは、光栄です」
佳永「ありがとう」
吾郎「はい、ありがとうございました」
佳永「ほんとに、どうもありがとうございました」
吾郎「ありがとうございました
   では、こちら」
佳永「うれしゅうございました」
吾郎「お持ち帰りかえりください」
佳永「ありがとうございます
   大切にします」
吾郎「はい」

吾郎「悩める昌平さんに、常に手を差し伸べてきた佳永さん
   親代わりになって、お手伝いいたしましょうと
   持ち掛けられた昌平さんの驚き
   そして、その後の2人の自然な暮らしぶりが
   とても印象的な手紙でした」

吾郎「ちなみに、作家、志賀直哉は
   新しい母を迎える子どもの気持ちを
   自身の作品の中で、こう記しています」

朗読 「母の死と新しい母」 志賀直哉

吾郎「受け入れがたい母の死と
   新たにやってくる母に対する複雑な思いを
   簡潔なタッチで書ききった名文だと思います
   あなたにも、ぜひご一読をお薦めします」

吾郎「えー、今週はですね、こちらです
   エジソンのお箸
   ふーん、お箸の正しい使い方で、こんな効果が
   お子様の手の筋肉と関節をきたえる
   約50個の筋肉と約30個の関節運動ができます
   へー、こうか(と試す)
   こうですね
   じゃあ、皆さん、ボクとじゃんけんしましょうか
   えー、じゃんけんぽん
   (箸でチョキと見せかけ、逆の手でパー)
   勝った
   あ、それは、はさみか、そっか
   甥っ子にあげよう」
   

第38回 6月27日

吾郎「親の気持ちがわかりはじめた子ども
   彼らは、ある面では共感し
   またある面では、変わらないとの思いをいだき
   その偉大さを改めて認識します
   ここには、そんな娘がいだいた母への深い尊敬に念が
   綴られています」

娘から尊敬する母に綴った感謝の手紙

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「母 麻美への忘文  娘 安奈より」
吾郎「高田安奈さんから、母、麻美さんへの忘文」
母娘の紹介、麻美さん39歳、安奈さん19歳

娘から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、安奈さんからの忘文が届いておりますので」
麻美「はい」
吾郎「お掛けになってください」

手紙の朗読
女手一つで今まで育ててくれた母へ感謝の忘文

吾郎「忘文は届きましたか」
麻美「はい
   あの、彼女が(はい)
   私の娘として(はい)
   生まれてきてくれたことを本当に感謝していますし
   何よりも誇りに思ってます」
吾郎「うん
   宝物ですか」
麻美「はい
   私にとって、本当に大切な」
吾郎「そうです」
麻美「自慢の宝物です」
吾郎「うん
   なんか、どんな感じ…
   お友だちみたいな感じなんですかね、結構」
麻美「いや、そうですね」
吾郎「結構、あの」
麻美「でも、厳しく」
吾郎「そうですか」
麻美「はい」
吾郎「わかりました
   じゃあ、これからも仲良く」
麻美「はい」
吾郎「家族2人ですからね」
麻美「がんばります」
吾郎「はい、ではこちら」
麻美「はい」
吾郎「はい、どうぞ
   ありがとうございました」
麻美「ありがとうございました」

吾郎「成長する娘を常に見守り、励ましながら育ててきた母
   そんな彼女のひたむきさに、感謝とねぎらいの言葉を綴る娘
   安奈さんの素直な気持ちが伝わってくる忘文でした」

吾郎「ちなみに女流詩人、高田敏子を母に持つエッセーストの
   高田喜佐は、その作品の中で母の魅力をこう記しています」

朗読 「母のこと」高田喜佐

吾郎「母の姿に教えられ、そして共感を覚える娘の思いが
   繊細な筆致で丹念に描かれている名文だと思います
   あなたは、お母さんにどのようなことを教わりましたか」

吾郎「えー、今週はこちらです
   種ですね
   えー、まずこちら、観賞用唐辛子
   花言葉、辛らつ、ふーん、なるほど
   こちらは、えー、ほうせん花
   えー、花言葉、私に触れないでください、ふーん
   こちらは、えー、クレオメ
   花言葉は、思ったほど悪くない
   これ、誰が決めたんでしょうね」


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