2月

第17回 2月1日

朗読 「こんなこと」幸田文

吾郎「父、幸田露伴をめぐるエッセイが有名な幸田文の作品です。
   結婚前の彼女の不安と、その傍らで娘を見守る父の様子が
   繊細な筆致で綴られています。
   普段、憎らしさばかりが目に付いても、いざというときは
   頼もしく思える、それが家族なのだということを
   改めて感じさせてくれる作品だと思います。」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれるという文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「父 晃二への忘文  娘 真実より」
吾郎「中山真実さんから、遠藤晃二への忘文」
ご家族の紹介 晃二さん62歳、真実さん26歳

娘から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   中山真実さんから、えー、忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
晃二「はい」

手紙の朗読

晃二「ありがとうございます」
吾郎「お届け料として、何か一言いただけますか」
晃二「まあ、だいぶ子供や妻には迷惑かけたんですけれども(ええ)
   まあ、こうやって、いい伴侶と巡り会えて(はい)
   結婚をすることができまして(はい)、非常に喜んでおります」
吾郎「そうですか」
晃二「ええ。今日、お手紙、本当、ありがとうございます」
吾郎「はい」

吾郎「紆余曲折ありながらも、人生の大きな転機で綴られた
   娘から父への、ありがとうという言葉
   その言葉に家族というものの絆の強さを感じました
   晃二さん、これからも、いざという時は、2人の最大の
   助言者になってあげてください
   そして真実さん、ご結婚おめでとうございました」

吾郎「おやおや…。いやがるロープ(の使用上の注意を読む)
   感受性が乏しい犬猫…」


第18回 2月8日

朗読 「風たちぬ」堀辰雄

吾郎「病にふせりながらも、みずみずしい感性があふれる作品を
   綴り続けた作家、堀辰雄の代表作です
   何気ないやり取りの中に、これからも同じ時を過ごしたいと
   願う2人の気持ちが、繊細なタッチで描かれています」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれるという文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「妻 久美子への忘文  夫 敬より」
吾郎「望月敬さんから、妻、久美子さんへの忘文」
望月さんご夫婦の紹介、47歳と46歳のご夫婦

夫から初めての手紙…

吾郎「ようこそいらっしゃいました
   えー、望月敬さんから、えー、久美子さんへ忘文が届いておりますので
   お掛けになって、お待ちください」

手紙の朗読

吾郎「以上です
   えー、忘文は届きましたでしょうか?」
久美子「はい」
吾郎「えー、では、お届け料として、何か一言いただけますか」
久美子「はい
    えっと、大学時代から(はい)、ずーっと一緒に(はい)
    きていますので(はい)、今ではちょっと、戦友のような(はい)
    感じもしますけれども(はい)、これからも(はい)
    いろんなことが、あると思うんですけれども(はい)
    2人で力をあわせていけば、どんなことでも乗り越えられると
    信じていますので(はい)、これからも楽しく(はい)
    仲良く(はい)、過ごせていけたら最高だなと思っています」
吾郎「まあ、もしあの、照れくさいかもしれませんが
   帰ってね、だんなさんに、じかに、その言葉を、ね
   また言ってあげると、ね、とっても嬉しいんじゃないかなっていう…
   では、この手紙の方を、受け取ってください、それでは」
久美子「はい」
吾郎「ありがとうございました」

吾郎「出会って以来、楽しい時間を過ごしてきた2人に訪れた危機
   それを共に乗り越えてきたパートナーが綴る忘文は
   疲れた妻の心を癒しました
   これからも夫婦で、そして家族で、楽しい時間を過ごせるといいですね」

吾郎「本皮製ドライビンググローブ…
   (手にはめていたドライビンググローブを書かれたとおりにはずす)  
   ナウいんだ…手元側より…


第19回 2月15日

朗読 「若草物語」ルイザ・メイ・オールコット(訳 松本恵子)

吾郎「教鞭をふる一方で、あまたの少女小説を創作し続けた作家
   オールコット。
   そんな彼女の代表作が、この小説「若草物語」です。
   病に倒れていた4姉妹の3女ベス。彼女が精気を取り戻し
   最初に見たのは、小さなバラの花と母の顔でした。
   不安から安堵に変わる娘と、それを見守る母の姿が
   細やかな描写をもって描かれていると思います。」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれるという文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「母 はる子への忘文  娘 理恵より」
吾郎「増田理恵さんから、母、はる子さんへの忘文」
家族の紹介、はる子さん55歳、理恵さん24歳

娘から初めての手紙…

吾郎「えー、ようこそ
   えー、理恵さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」

手紙の朗読

吾郎「はい」
はる子「ありがとうございます」
吾郎「えー、忘文は届きましたか?」
はる子「はい」
吾郎「では、お届け料として、何か一言いただけますか」
はる子「もう、ステキな娘に育ってくれて嬉しいです
    はい、命より大事な(ええ)、娘ですから」
吾郎「やっぱ…」
はる子「元気になってくれて」
吾郎「そうですね、多分お母様に、ね、つらく当たったことも、ね
   あったと思うんですけど、やっぱ、しっかりこうやって」
はる子「嬉しいです」
吾郎「感謝ね、してくれてて、お母さんの気持ちが通じたんでしょうね」
はる子「はい、もう嬉しい、その一言です」
吾郎「そうですね」
はる子「はい」
吾郎「では、はい、ありがとうございました」
はる子「ありがとうございました」

吾郎「ある日突然訪れた、わが子の危機
   不安から心にもないことを口にしてしまう娘を何も言わず
   見守り続けた母
   見守ることしかなかったつらさや心細さ
   それを癒すように綴られた言葉の一つ一つを
   深く受け止めていた母の表情が印象的でした
   理恵さん、はる子さん、これからもずっと仲の良い
   親子でいてくださいね
   あなたも書いてみませんか、大切な人への忘文」

吾郎「えー、昨日、僕宛に、こちらのポストにこんなものが届いておりました
   (工具箱のようなものを開ける)僕宛にもいろんなものが届くんです
   なんだ、工具セットだ、と思ったんですけれども
   (ペンチを食べる)チョコレートです
   チョコっと、びっくりしたでしょう
   チョコっと引いた?
   やめチョコっと(照れてる)」

   

第20回 2月22日

朗読 「不器用な愛情表現」遠藤周作

吾郎「深い思索に基づく小説から軽妙なエッセイに至るまで
   多様な作品を発表し続けた作家、遠藤周作。
   そんな彼が、夫婦の機微について綴ったのが、この作品です。
   夫の言葉少なく、微妙な表現の中にある妻への愛情を
   実に深く、洞察していると思います。
   そんな照れ屋な夫が妻へ本当の気持ちを語った時
   そこには一体、どんな言葉が聞こえてくるのでしょうか。」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「妻 早苗への忘文  夫 貴久より」
吾郎「田村貴久さんから、妻、早苗さんへの忘文」
ご夫婦の紹介

夫から初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、貴久さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
早苗「はい」

手紙の朗読

吾郎「忘文、えー、届いたでしょうか?」
早苗「はい、ありがとうございました」
吾郎「ウルトラクイズの時は、貴久さんはごめんなさいって
   言ったんですか、Noで」
早苗「いいえ、何で来ないのよって怒って」
吾郎「そうですか」
早苗「はい」
吾郎「そうですか
   まあ、でもそんな思い出も…」
早苗「はい、忘れてましたけど、ホントに」
吾郎「あ、覚えてらっしゃったわけですね、貴久さんはね」
早苗「あー、もう、随分前なんで、あ、そんなことがあったな
   なんて、ええ、今、思い出しました」
吾郎「そうですか」
早苗「はい」
吾郎「これからも、ね、仲良く、うん
   あの、幸せな家庭を築き上げてください」
早苗「はい」
吾郎「ではこちら、はい、ありがとうございました」
早苗「ありがとうございました」

吾郎「育児に家事に、そして亭主の世話にと
   すべてをソツなくこなしてきた妻
   また、持ち前のがんばりで、産みの苦しみを
   乗り越えてきた妻
   そんな気丈な彼女にもある弱さや憂いを
   誰よりも知ってる夫は、恥ずかしいとテレながらも
   心を込めて、20年分の感謝の気持ちを
   手紙に綴りました
   あなたも書いてみませんか、大切な人への忘文」

吾郎「ん? 
   困った時のビジネス文書百科
   (昇進した同期入社の友人への祝い状を読む)
   うーん、まあ、そうなんだけどね」


第21回 2月29日

朗読 「石の思い」坂口安吾

吾郎「破滅的な生を送る中、数々の刺激的なエッセーや小説を
   発表し続けた作家、坂口安吾
   彼が親やふるさととの関係を綴ったのが、この作品です
   故郷への、そして母への痛切な思い
   愛しすぎるが故に、憎んでしまうという
   逆説的な心の動きを明晰に捉えられていると思います
   故郷とは、離れるほどに強く、心に思い描かれるものなのでしょう」

吾郎「忘文
   それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文。
   中国の故事、忘草に由来しています。」

手紙 「一人暮らしの息子 洋人への忘文
        沖永良部島に住む母 久美子より」
吾郎「田浦久美子さんから、息子、洋人さんへの忘文」
家族の紹介 久美子さん50歳 洋人さん22歳

母から息子へ初めての手紙…

吾郎「ようこそ
   えー、久美子さんからの忘文が届いておりますので
   お掛けになってください」
洋人「はい」

手紙の朗読

吾郎「えー、忘文は届きましたか?」
洋人「はい」
吾郎「では、お届け料として何か一言いただけますか」
洋人「はい、中学校の時の、あの時いやだった思い出も(はい)
   お母さんがそういうふうに受け取ってくれて(うん)
   すごい、もう記憶の中で消えていたんですけど(ええ)
   今、読んでもらって、あの時、こう思ってくれたんだなって
   見えない、こう優しさも(うーん)
   いつも与えてもらってたんで(そうですね)
   また確認できて、すごい嬉しかったです」
吾郎「うーん、これからお母さんを、逆に支えていかなきゃ」
洋人「はい」
吾郎「ねえ、いけないし、就職も決まったそうで」
洋人「はい」
吾郎「ね、なんか目標がありますか?」
洋人「とりあえず一生懸命ですね(ええ)
   まじめにやる、ただそれに越したことないかなと思って」
吾郎「こんなにね、思ってくれるお母さんなんで
   ちゃんと親孝行の心も忘れずに」
洋人「はい」
吾郎「ね、家族の絆を大切に、いつまでも持ってください」
洋人「はい、わかりました」
吾郎「ありがとうございました」
洋人「ありがとうございました」

吾郎「わが息子の毎日を心配しながらも、彼の成長振りを
   頼もしく思う母の気持ちを、深く受け止めた洋人さんの
   表情が印象的でした
   故郷から遠く離れた土地での生活
   そして踏み出した新たな1歩
   とまどうことも少なくないと思いますが
   ご健闘をお祈りします」

吾郎「ヘッドトリップ、使用方法
   まずヘッドトリップの先で頭皮を軽くたたきます
   (試して)うーん、いい気持ち
   眉毛の上の辺りまで上下させると、ぞくっとする感覚
   (さらに試し)ホントだ、すごい、なんか初体験」
   


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