宿命

「砂の器」の最終回では美しい日本の風景とともに
20分に及ぶピアノ協奏曲として全曲が演奏されました。
劇中の和賀英良が作曲したという設定の曲です。
この音楽のテーマは、劇中音楽として全編を通じ、流れていました。

どうやって書いていったらいいのか正直悩みますが
私が感じたこと、ということで辛口の部分もあります。

まず、この音楽の分類ってどうなるんでしょう?
ドラマ音楽ということではポピュラーに分類するのかな
言葉からすると、クラシック音楽って現在作曲されている音楽ではなく
過去の音楽ということなのだと思うのですが
クラシック音楽のコーナーに現代曲というものもありますし
そのあたりの定義ってどうなっているのか
正直勉強不足のため、よくわかっていません

でも、今はクラシックという分野の曲も
作曲された当時は、世俗音楽だったものも多くあるし
劇場で上映される舞台のために作曲されたものもあります。
今の時代だったら、ドラマのサントラと変わらないものも
たくさんあるわけですよね。
だから、これから50年後、100年後には
今、ドラマ音楽だったり、映画音楽だったりするものが
クラシック音楽と呼ばれているのかもしれません。

ドラマの中では、とても印象的な曲で
砂の器というドラマを引き立てていました。
この曲は好きだし、サントラや楽譜を買いました。
ただ、楽譜を見て実際に少し弾いてみて感じたことです。
わたしは、作曲の知識は最低限のことしか勉強していないし
もちろん、作曲なんてできません。
対するに千住明さんは、日本のクラシック界の最高峰の学校で
作曲を学んできた人ですから、本当にわたしが感じたこととして
聞き(読み?)流してくださいね。

実際に、公式版ではないけれど2台のピアノ版を買ってきました
公式版と比べてみましたが、ピアノ部分は全く同じなので
第3者が音を聴き取った楽譜ではないと思います。
ドラマの印象に比べて、意外に弾けてしまうんです。
というのも、派手に聴こえるわりには、和声だったりリズムだったりが
意外に簡単だったりするためです。左右で
例えば、クラシックの曲では左右とも全く同じ和音を押さえることは
かなり少ないと思います。(コード内だけど弾いている音は違う)
また、盛り上げている部分の音階もまったくのユニゾンであったり
オクターブでの演奏だったりしています。
もっと複雑な音を想像していただけに、あれ? という感じでした。
オーケストラと一緒になって成立するので
ピアノの部分だけで弾いていると正直ものたりないかもしれません
(もちろん、簡単に弾けるわけではないし、難しい曲です)
ドラマ音楽としての盛り上げが1番重要だと思うので
ドラマの中の音楽としては、とても良かったのですが
実際に弾いてみたりすると、和賀があそこまで苦悩して完成させた曲?
と感じてしまう部分は、正直言うとあります。

例えば、大学で作曲を教えているようなクラシック畑の先生が
宿命を作曲した場合、どんな曲になるのか、なんて思ってみたり…
ただ、その曲がドラマとの相乗効果があるかは、また別でしょう。
でも、ドラマ「砂の器」の「宿命」という曲としては
とてもいい曲だったと思います。




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