楽語びより

                                        奥多摩
                                                  ゲスト 石田ゆり子
                                                  高島アナ

第22回 旅立つアナタへ

吾郎「おはようございます、稲垣吾郎です
   夏休みも終わり、学校では新学期が始まっています
   夏の思い出を胸に新たな一歩を踏み出そうとするあなたに
   今朝は、4篇の作品をご紹介します」

朗読1 「前へ」大木実
      (「冬の支度」潮流社)
大正2年、東京生まれ
電気学校中退後、工員、出版社員、兵役を経て、大宮市役所に勤務
1992年「柴の木戸」で現代詩人賞を受賞

朗読2 「ひかる・かいがら」HUSSY_R
      歌・元ちとせ
      朗読・石田ゆり子

朗読3 「南の絵本」岸田衿子
      (「あかるい日の歌」青土社)
      朗読・石田ゆり子
昭和4年、東京生まれ
詩人・童話作家 主な詩集「忘れた秋」絵本「ジオジオのかんむり」など
父は劇作家の岸田国士、妹は女優の岸田今日子

朗読4 「福沢諭吉から留学する二人の息子へ」
天保5年、大分生まれ
教育家、慶応義塾創立者 主な作品「学問のすゝめ」「文明論之概略」

「慶応義塾の創始者として知られる教育家・福沢諭吉
明治維新後の日本に西洋思想を取り込み、合理的な社会作りを目指した彼は
その一方で数百通に及ぶ手紙を我が子に託す、人情的な人物でもありました
今日ご紹介するのは、アメリカへの留学を果たす二人の息子に宛てた
送別の手紙です。諭吉の、その人情家としての一面が、より強く現れています。」

吾郎「父の強さを胸に 母のやさしさを心に
   新しい一歩を踏み出せば、きっと違う景色が
   見えてくるはずです」

第23回 失った恋の切なさ

吾郎「おはようございます、稲垣吾郎です
   楽しく、眩しかった夏が終わり
   草木が色鮮やかに染まる、秋がやってきました
   鈴虫の声、月の光、そして優しい朝の日差し
   そんな秋の風景から連想するのは、なぜか淋しい別れです
   今朝は、失恋の切なさをうたった4篇の作品をご紹介します」

朗読1 「次はきっと」銀色夏生
      (「葉っぱ」幻冬舎文庫)
昭和35年、宮崎生まれ
昭和58年沢田研二の「晴れのちBLUEBOY」で作詞家としてデビュー
他に斉藤由貴、松本典子などに詞を提供
主な詩集 自らのイラストと詩で構成した「黄昏国」など

朗読2 「葉月」阪田寛夫
      (「詩集わたしの動物園」牧羊社)
      朗読・石田ゆり子
大正14年、大阪生まれ
詩、小説、放送脚本、童謡、絵本などを手掛け
昭和50年には「土の器」で芥川賞受賞

朗読3 「言葉にできない」小田和正
      歌・小田和正

朗読4 「失恋美術館」内館牧子
      (「失恋美術館」より 角川書店)
      朗読・石田ゆり子
昭和23年、秋田生まれ
三菱重工業のOLを経てシナリオライターになる。昭和56年「ドラマ」新人賞佳作入選。
「想いでにかわるまで」「クリスマス・イブ」など数々のテレビドラマの脚本を手掛ける。

吾郎「失う恋と書いて、失恋と読みますが
   失恋で失うものは、恋だけではありません
   でも、少し泣いて時間を過ごせば
   また恋する心がよみがえることに、きっと気がつくはずです
   もしかしたら失恋は、新しい恋を見つけるための
   第一歩なのかもしれません」

第24回 リクエストスペシャル

吾郎「おはようございます、稲垣吾郎です。
   今朝は、皆さまからいただいた、朗読のリクエストに
   おこたえして、4篇の作品をご紹介いたします。」

朗読1 「夏日憂歌」市川喜康
      歌・SMAP

朗読2 「汚れつちまつた悲しみに…」中原中也
      (「山羊の歌」文圃堂)
      朗読・石田ゆり子
明治40年山口生まれ。
生前の詩集は「山羊の歌」のみ。没後、第二詩集「在りし日の歌」刊行。

「明治40年、軍医であった父、中原ケンスケの長男として
生まれた中也は、8歳にして弟の死を経験。21歳で父ケンスケが、
その後もう1人の弟も相次いで他界。結婚して間もなく授かった我が子も、
2歳で亡くし、中也自身も30歳でこの世を去ります。
やり場のない悲しみを綴ったこの詩は、生前に発表された唯一の詩集に
収められたものでした。」

朗読3 「吾輩は猫である」夏目漱石
      (雑誌「ホトトギス」より)
慶応3年江戸生まれ。
明治38年高浜虚子のすすめで「吾輩は猫である」を発表
晩年で芥川龍之介など優れた門下を多く排出

朗読4 「希望」藤田敏雄
      歌・岸洋子
      朗読・石田ゆり子

吾郎「この番組を通じてたくさんの美しい日本語と出会う事ができました。
   そして、その美しい日本語を愛するたくさんの方々から
   たくさんのメッセージをいただくこともできました。
   これからも、読みつづけていきたいと思います。」


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