楽語びより

                      葛飾区 山本亭より
                   政井アナ

第1回 あたりまえの風景の中に人生を見る。

朗読1 「さくらのはなびら」まどみちお
      (「いいけしき」理論社)
山口県生まれ
「ぞうさん」など童謡作詞家として知られる
59歳にして初めて詩集を発表する

「ぞうさんや、やぎさん郵便など、名作童謡の作詞者としても知られる詩人・まどみちお
25歳の時、雑誌に投稿した作品が、選者の北原白秋に認められ、作家としての道をスタート。
以来、幼年雑誌の編集者などを経て、童謡の作詞を始め、59歳にして初めての詩集を発表。
1994年には、日本人として初めて国際アンデルセン賞作家賞を受賞し、
一躍世界でも注目を集めました。」

朗読2 「ほほえみ」川崎洋
      (「象」思潮社)

朗読3 「生きる」谷川俊太郎
      (「うつむく青年」山梨シルクセンター出版部)

吾郎「風が吹く、花びらが舞う
    そんな当たり前のできごとの中に
    答えは隠されてるのかもしれません」

朗読4 「switch」持田香織
      歌・Every Little Thing

朗読5 「梶井基次郎が川端康成に宛てた手紙」
吾郎「昭和の初め、春
    伊豆で療養中の小説家・梶井基次郎が川端康成に宛てた手紙には
    自らの病状ではなく、伊豆の季節が綴られていました」

吾郎「例えば、今目の前に広がる景色を
    あなたなら、どんな言葉で手紙に記すのでしょうか

第2回 親と子 想い それぞれ

朗読1 「母をおもふ」八木重吉
      (「現代詩文庫1031」思潮社)
東京生まれ
27歳で初詩集「秋の瞳」を発表
29歳という若さで他界

「母をおもふの作者・八木重吉は、明治3年東京生まれ。
教師として子供たちに英語を教えるかたわら、詩を作り始め
27歳で初めての詩集、秋の瞳を発表。しかし、その翌年には
結核と診断され、わずか1年余りの闘病生活の末、29歳という若さで他界。
生前に発表された詩集は、秋の瞳ただ1篇でした。」

朗読2 「奈々子に」吉野弘
      (「消息」自費出版)

朗読3 「ゆずりは」河井酔茗
      (「紫羅欄花」東北書院)

吾郎「大切な家族から伝えられたことは何ですか
    大切な家族へ伝えたいことは何ですか」

朗読4 「案山子」さだまさし
      歌・さだまさし

吾郎「手紙でも、電話でも、メールでも構いません
    伝えたい気持ちをためこんではいませんか
    素直な気持ちで伝えてみませんか」

第3回 目をこらせば

朗読1 「花」村野四郎
      (「遠いこえ近いこえ」かど創房)
童謡「ぶんぶんぶん」作詞者
日本現代詩人会の初代会長として谷川俊太郎などを発掘

朗読2 「世界は一冊の本」長田弘
      (「世界は一冊の本」晶文社)
福島県生まれ
「散歩する精神」などで知られる作家。
詩集に「深呼吸の必要」「食卓一期一会」など

吾郎「例えば、目にするもの全部に宇宙が存在するのなら
    願いはひとつ
    もっとよく見たい」

朗読3 「見上げてごらん夜の星を」永六輔
      歌・坂本九

吾郎「花や木、そして星を見つめることから始まる何かを
    言葉にできたら、またひとり、詩人が生まれるかもしれません」

第4回 道のむこうに

朗読1 「橋」高田敏子
      (「月曜日の詩集」あすなろ創房)
東京日本橋の生まれ
30才をすぎてから本格デビュー
家族をテーマに数多くの作品を残し
「お母さん詩人」と呼ばれる

「橋の作者・高田敏子は大正3年、東京日本橋の生まれ
中学生のころから、詩や短歌の投稿を始めますが、
本格的なデビューは30才をすぎてから。
結婚、出産、終戦を経験し、改めて詩の創作をスタートさせた彼女は、
お母さん詩人と呼ばれ、家庭や家族をテーマにした数多くの作品を残しました。」

朗読2 「このみち」金子みすゞ
      (JULA出版局)
20才で西条八十に認められるも26才で自殺
半世紀を経て再評価され「金子みすゞ全集」などが刊行

朗読3 「道程」高村光太郎
      (「道程」抒情詩社・自費出版)

吾郎「新しい1歩を踏み出す時
    不安にとまどう背中を押してくれたのは
    いつも力強い言葉でした」

朗読4 「未来へ」玉城千春
      歌・Kiroro

朗読5 「坂本竜馬が姉 乙女へ宛てた手紙」

「故郷・土佐を離れ日本全国を駆け巡った坂本竜馬は
その旅の先々から故郷の姉・乙女へ宛て手紙を書き続けました
故郷に残した人々の思い、そして自らの決意と不安
すべてがありのままに綴られたその手紙は
竜馬独特のユーモアにあふれたものでした」

吾郎「いよいよ、新しい1歩を踏み出したあなたへ
    それでも、ふるさとへの手紙を忘れずに」


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