雨だれの前奏曲
(前奏曲 変ニ長調 Op.28-15)

03年の吾郎ちゃんのテーマ曲だそうです。
「ショパン 二つの愛の物語」でも、紹介されていました。

魂の安らぎを地中海の島、マジョルカに求めたショパンとサンド
だがマジョルカに着いて1月後、ショパンたちの前に悪魔が忍び寄る
ショパンは旅の疲れから、重い病に侵されるのです
当時、死の病といわれた結核です
やがてマジョルカの村人たちは、苦しげに咳をするショパンを避けるようになります
ショパンとサンドは、村人たちの目を避けるように、当時、廃墟同然だったと
いわれていた、ヴァルデモッサの僧院に暮らすことを余儀なくされるのです
サンドは病に侵されたショパンを懸命に介護し、ショパンはそんなサンドに
見守られながら、自らの命を刻むようにピアノの前に向かうのだった
結核に侵されたショパンをマジョルカの人々は、悪魔のように忌み嫌い
そんなショパンにとって、サンドだけが彼の救いだった

そんなある日、サンドが町に出かけると、激しい雨が降り出す
ショパンは、その激しい雨音を聞いて、死への不安と
サンドがそばにいないという孤独感から、錯乱状態に陥ったといいます
激しい雨音から生まれた静かなる生への絶望
ショパンは、その自らの絶望をメロディーに刻んだ
プレリュード雨だれである
      (「ショパン 二つの愛の物語」より)

たしかに、中間部は激しい嵐、葬送といったものを思わせます。
でも、私は日曜日の昼下がりの静かな雨、といった印象なんです。
特に、終わりの数小節は、雨が上がって日が差す情景を思い浮かべます。

雨だれの前奏曲は、24の前奏曲の15曲目にあたります。
24曲というのは、すべての長調と短調に1曲ずつ作曲されています。
ショパンの場合はハ長調から始まって、その平行短調(同じ調号の短調)
順に5度上(その調から数えて5つ上)の調の長調、平行短調と進んでいきます。
つまり、調号なしから#が1つずつ増えていって、13、14で#が6つ
この15番の雨だれから♭5つ、そこから♭が1つずつ減っていき
♭1つのニ短調で終わります。

「雨だれ」以外では7番のイ長調が有名です。
イ調と胃腸をかけて、某薬品会社の胃腸薬のCMに使われていました。



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