宗一郎様からのリクエスト陸朗:皇王「修学旅行トーク」

(布団に潜り込んだ状態で)……みんな、寝ちゃったなぁ。
(もぞもぞと)僕は起きてるよ。
あ、皇王さん。
でもなんでいきなり修学旅行してるのかなぁ。まぁいいか、僕本当の修学旅行したことが無い注1)し。ところで、「修学旅行トーク」って何について話すんだい?
ええと、大体恋愛話とかそう言うのが多いと思います。
じゃあ、陸朗は今好きな人いるのかい?
いきなり直球の質問が来ますね……まぁ、一応いますけど。
片想い?それとも両思いかい?
完全に僕の片想いです。その人、彼氏いるし……。
じゃあ諦めるしか無いね。
ま、またあっさり(汗) 慰めるとか励ますとかそう言うの一切無いですね。
だって、そういうものじゃ無いのかい?
まぁ僕よりその人の方が彼女にお似合いだし、彼女には本当に好きな人と居て欲しいと思いますけど。皇王さんの方は一体どうなんですか?好きな人いるんでしょう?
うーん、と、言うより、ずっと前から結婚する相手は決まってるんだけど。
流石、旧家ですね。僕には考えられない世界だなぁ――うぁっ!?
どうしたんだい?
は、疾風さんの足が背中を直撃して。でも大丈夫です。
良かったね。ええと、何処まで話したっけ?……そうそう、当事者にとっては有り難くないんだけどね、しきたりとかって。
でも、皇王さんはその婚約者の人が好きなんでしょ?
えっ、えっ(顔が紅くなる)
やっぱり!僕、何となくそう言うのが解っちゃう注2)んです。なら、別に問題無いでしょう?
そりゃあ間違いなく結婚までは行けるよ?でもそれは掟があるからであって、彼女と両思いになって結婚するのとはちょっと違うと思うんだ。
なら、それを確かめてみればいいんじゃないでしょうか。
それが出来れば良いんだけど、それで彼女が僕のことを好きでいてくれても、絶対に彼女を悲しませるのが解りきってる注3)から、どうしても踏ん切りが着かないんだよ。
でも!それで諦めちゃったら皇王さん悲しいじゃないですか!
(陸朗のあまりの剣幕にビックリ)
(不機嫌そうに)ちょっとうるせーぞ、夜中なんだからもっと静かにしやがれ。
……あ、ごめんなさい、疾風さん。
やっぱり、僕らもそろそろ寝ようか?

注1)皇王は学校で義務教育を受けていない。っつか、無理だろう。その代わり、代々の「越智」が家庭教師を務める習わしである。

注2)陸朗の特技、と言うかもはや特殊能力に近い。銀河遺伝子が完璧でないはずなのに(笑)

注3)歴代の「皇王」は寿命が短い。三十半ばまで生きられれば良い方。

entrance

menu

contents