宮本武蔵綺想

はじめに

このサイトは、もとは、「巌流島決闘の仮説」をUPするために開設したサイトであった。
しかし、どうやら「巌流島決闘の仮説」よりも「宮本武蔵参考文献」の受けが良いようである。
よく考えてみれば、それもそのはずで「巌流島決闘の仮説」には致命的欠陥があったのだ。
それは、つまり、こういうことだ。

武蔵は巌流島決闘で卑怯な手を使った、ということに対して反論しようと、色々と考えた。
考えているとき妙な点に気がついた。そこを突っ込んで考えた。すると、妙な点が正論のように思えてきた。
これは驚いた。宮本武蔵研究100年の蓄積がぶっ飛んだのだ。
そこで、「新二天記」と題したものをワープロにして宮本武蔵の研究家など武蔵に詳しい方々に郵送した。
すると、ある方からインターネット上で公開したらどうか、とアドバイスがあった。

ということで、「巌流島決闘の仮説」は、このときのワープロ原稿が基になっている。
この原稿は、宮本武蔵に詳しい人を対象にしているため宮本武蔵に関する常識的な事柄は省略した。
武蔵に詳しい人が読めば、なかなかショッキングな内容になっていると思うが、それほど詳しくない人が読めば、
別に何とも・・で、単なる珍説になってしまうのだ。それまでの武蔵本をはじめ武蔵関連サイトなどを調べたが、
「丹治峰均筆記」というものは単なる挿話集で信憑性は低く、巌流島決闘に関しては明らかな誤りがある、と考えられていて、
「巌流島決闘の仮説」と同様の考え方をしているものはなかった。「巌流島決闘の仮説」は新説であって珍説ではないのだ。

「巌流島決闘の仮説」がよくわからないのは巌流島決闘に関する基礎知識を記述しなかったからと思う。
巌流島決闘の基礎知識に関しては、当時としては(現在もだが)『考証 巌流佐々木小次郎』(松本忠也さん)が最もうまくまとめられていた。
好意に甘えて、リンクを貼った。参照されたし。

最初、インターネットを開設するときに、ベッドディテクティブのようにしようと考えていた。
ベッドディテクティブというのは探偵小説によく使われる手法で、超頭脳派の名探偵が何らかの事情で入院することになって、
暇つぶしに歴史の謎に挑戦する、という趣向のものである。
『時の娘』(ジョセフィン・ティ)や『成吉思汗の秘密』(高木彬光)などが有名で、歴史上の難事件を解くには、
ベッドディテクティブや安楽椅子探偵と相場が決まっているのだ。
この形式にすれば、巌流島決闘の基礎知識は網羅するようにしたであろう。
しかし、インターネット開設の手続きなど全く知らなかった時期で、ベッドディテクティブにするような余裕もなく、これは諦めた。
惜しいことをした。ちょっと後悔。

一乗寺下り松の決闘で歴史推理をやってみようかと思う。一度、あれをやってみたいのだ。
『読者への挑戦状』 ここで私は、読者に挑戦する。解決に必要なデータは全て目の前に提示されている。ってやつだ。
もしかすると、巌流島決闘は、豊田景英(「二天記」著者)からの挑戦状だったかもしれない。