やっと!親の愛を深く        
    感じとれた時、すでに!


もう少しだから歩こうね! と

    母の優しい手に引かれ歩く

歩き疲れて?・・・眼が覚めたら  お父さんの背中だった

あの頃の お父さんの背中は 大きく広かった

   暴れても 肩をしっかり 持とっけ!・・・・と叱るだけ

      自由で大きく強く 安心出来る背中だった



幼稚園の帰りは いつもお母さんと一緒

 お母さんの手 綺麗で優しい手 誰の手より優しく、

   つないで スキップしながら 帰るのが大好きだった



今! 父と母の 首筋に張られてる 白いサロンパス

  痛みとなって 眼に飛び込む!

 肩ぐるま 飛んだり跳ねたり 暴れた肩にも

      老いて波打つ サロンパスが!


大きく 広く 強かった背中

    今は狭く 弱 よわしく感じる!

 抱っこされた あの腕も、 つないで歩いた優しい手も

       今は黒い年輪が、深々と!



どうした親父! 肩もんでやろう!

   衰えた筋肉、大きな骨が

  もの寂しい老いを 手の指に伝える 

   気持ちいい!と言いながら

     もういい、もういい・・・・ いいぞ!と言う

  寂しさ、こらえて 心で まだまだと! 静かに揉む


 次は足っ!と・・・元気良く 次をうながす

 大きな骨だけが目立つ足

あの強かった 背中! 足! 手は!・・・・・・

  どうしたんだ 親父と!・・・声にならない声

     喉元に苦しいものが込み上げる

  胸が詰まり 言葉が出ない

  黙ったまま、何気ないふりして そっと眼の汗を 指で拭く



親父!覚えてるかい? 約束したの!

  大きくなったら、おんぶしてやるって!

   約束破るなって!・・・・言ってたよな!


 お袋!覚えてるかい? 

   大きくなったら、お姉ちゃんも

 俺、遊園地 連れて行くって・・・・約束したの!

    あの時・・・・指切りしたよな!

   
指切り、げんまん嘘ついたら針千本飲〜ますって!


            2003.02.05 terutaka 

                   
※あとがき!
年取った父母を見て、こんな寂しさを感じた経験ありませんか?年老いた
身体が、もの悲しさを さそい、こんなに歳とって・・・と思うと喉元に何かが
1度にぐっと!・・愛情一杯育てられた思いが寂しさとなり涙が止まらない。