未知の綾取り


3月、かたい蕾がゆるみ 

総てが色づき始める青春 

やぐら炬燵に 並んで座る。

偶然? 足が優しく触れた

横には 何事もなかった顔がある

 おやっ? また・・・・

気持が足に集中!気もそぞろ


いつもと違う雰囲気が漂い・・・

沈黙の後、胸に手を導かれ

激しいジェット音が 耳を突き抜ける

心が動転、胸の 鼓動が響き

顔が引きつり 強張る


心を抜き取られ消えた 瞬間である


 咲くことさえ知らなった かたい蕾が、春の香りで目覚め、

 自然にゆっくりと、蕾を膨らませていく
 
 幼い二人が 未体験の魅力に引き込まれ 未知の綾取りを始めた

 やがて蒼く しなやかな雄しべが 恥じらう花芯に包まれ

 理解できない七色の虹を見ることになる


      苦しくて

         切なく甘い 初恋は

            幼い花の 未知の綾取り 
        


(綾取り=一本の紐を結び、交わらせ絡ませ、色んな形を作りながら

 立体交差させ、形を取り崩さないよう結んでは開き、紐を指で挟み

 交代で取っていく、紐をやり取りする時点で形が維持できなくなったら

 終了となる。未知の創造力が膨らむ奥の深い昔から伝わる遊びです。