花の命は短くて


花の命

         2010.03.19 照高

朝の早い時間、庭の花達も今日一日を

美しく生きる為の装いを始めている

椿の花にも小鳥が集い、食事に余念がない

突然、足で枝を蹴り 小鳥が飛び立った

ぽとり! 青春の今を 突如 もぎ取られ
 
地上に落とされた椿の花


何故落ちたのか! 考えるゆとりもなく

それでも落ちて当然のような顔で転んでる

受精したら、必要のないものは消える運命

これも自然の摂理であろう

しかし落ちて尚 泰然とした姿は

次の世代を見通した覚悟を伺わせる


人も年齢に関係なく老若男女

誰にも、その時は突如として訪れる

自分の身体から小鳥が飛び立った時 

椿の花のように平然さを保てるだろうか

これからの生き様が

少し見えて来た気がする


※後書き : 

心の中では嬉しい、楽しい事など、

やりたい事は、総て やるまで

死ねないと思っている

これは誰でも共通の願いと思うが

簡単ではない。 年齢に無関係に

その時は
突如として訪れる




        写真:月の雫 様
















椿の時

      2010.05.09日
        
月の雫 様


大地にそっと

身を捧げるように

ぽとり落ちた

椿の花


帰着すべき時

美しく散れることの

見本のように


大地から生まれし物は

大地に帰る時を待つ


人も

そうあるべきなのだが

長く生きただけ

心はもつれて

すとんと落ちる事ができない


花ではない

それでも

花で在りたい


私の帰着すべき大地に

枯れる時を待ち

椿は最後の命を彩っている