ひと時の人生













  
 
         長い 白い帯びのような 小さな滝

         水が生き物となって 我先に落ちていく

         そんな急流の中にあっても

         小さな魚たちがいる

         この世に誕生した事さえ知らぬまま

         ただ無心に喜び、飛び跳ねている



         爽やかな風、せせらぎの音 

         水の輝きが しずまるころ

         川の終点を迎える

         山も緑も 水も魚も  鳥も人も   

         すべてが 自然のサイクルの中で 

         自分の意志と 無関係に流れていく

         自分に許された残り時間を知ることなく

         そして突然に その時がやってくる

         ひと時の人生! いっときの命!


※コメント
これまでの人生、水の輝きが嬉しく、飛び跳ね、爽やかな せせらぎの音を
何度か聞いて来た。  これからの許された残りの時間で、どんな音色が
聞けるだろう?  ひと時の人生! いっときの命!        



                          2009.03.14 照高作

                 
photo by Terutaka 
                           kikuti Ravine