※ドキドキ


     たくさんの小さな君と私が

     教室で顔をそろえてご挨拶


     大きな机と

     大きな椅子


     机の蓋を開けるたびに

     隣の君の世界が広がって


     ランドセルの蓋を

     ぶぅんと開く君に

     妙に感心したっけ


     あれが初めてのドキドキ

     それが芽生えだとも知らず


     何十年ぶりの同窓会

     一緒に頭並べ学んだ

     あの頃の君と私たち


     いつしかそれぞれ

     近寄れない距離や

     見えない時間が増えて


     笑い話の初恋も

     ほろ酔い酒のグラスの中

     小さな君と私が

     浮かんでは消えてゆく


    2008.07.29日 月の雫様
        ※それが僕の恋!

               
        僕たちは 毎日会っていた

        彼女の家が無ければ良いと思いながら

        家が近づくと 後戻りしたり 行ったり来たり 

        遅いと お母さんが いつもの所で待っている
 
        あっ こんな所で お父さんが・・・・

        引き返したい衝動が走る でも、もう見られてる

        絡み合った腕が 慌てて離れ

        足取りが 重くなって行く


        あ〜 もう 何も出来ない

        泣き出しそうな瞳が 何かを訴えてくる

        ぎゅっと! 小指を握られた瞬間

        お父さ〜んと 叫びながら

        振り返ることなく  離れて行った。
  
        あれから数十年

        今も あの寂しく泣きそうな顔が忘れられない

        いや 忘れるものか! それが彼女と僕の恋なんだ




          今もなお 
             切なき想い 断ち切れず
                 心の扉 透かして眺め       

   
             2008.08.01日作 照 高