小さな小さな春



そこにだけ今ある春は

灯心の先の

ぬくとさだ


私の中に巣くう

冬の氷を

差し出そうか


三寒四温の階段を

ゆっくり

上ってゆく太陽に

エールを送りながら

日差しを恋う

わたしがいる


皮膚を突き刺す

雪の日は

心踊らす幼さよ


季節の狭間は

違いの魅力が

誘惑の手を差し伸べ

心つかんで離さない

どっちつかずの

私の季節は廻る時の色



   
2008.03.09日作月の雫
           春の日差し



           命の弔い 

           隔てられた距離
 
           虚しさと寂しさ


           陰気な湿り気
 
           冷たい感触

           心に巣くう冷たい影


           神々しく照らす

           冷たい冬の月光までも

           刃のような冷たさを感じる

           そんな想いの中

           太陽にエールを送り

           日差しを恋う君が居る


           君の優しい心に潜む

           冷たい影を

           僕が総て受止めよう 


           そして 

           優しく暖かい 心の手を

           胸の奥に差し込み

           冷たい影を葬ろう

           ゆっくり、ゆっくり

           優しい春の日差しのように



              2008.03.12日作照 高