小鳥が植えた柿

屋敷の境の生垣の中に、幹が細い柿ノ木が生えている。

 生垣の根が張って、自分の居所が無く太れないのか?

 太陽を求めて早く背伸びしたのか?ひょろひょろして身体を生垣に預けてる。

 自分の身体も支えきれないのに!

     それでも数個の小粒な実をつけ、

       自分の存在を主張し、自分の命を燃やし続けてる

         赤く熟れた実を食べると、甘柿であるがやっぱり渋い!

   

小鳥も柿をねらって飛んでくるが道路側なので人が来る

     落ちついて食べることが出来なく柿は今も残ってる

          自分が植えた柿も、ままならぬ様子である。

 

      この柿の木はいろんなもので守られている

      寒さが増し、葉っぱも落ちて裸の柿だけが目立つ

        冬の寒さも生垣が守ってくれるだろう。


  
細い幹の先っぽにポツンと、ついてる柿は何となく、もの寂しい

    来年は樹が太くなり、生垣に頼らず生きて行けるだろう!

      柿のついた小枝にハサミを入れ、

        テレビの上の、一輪差しに活けてやる


   
初冬の穏やかな日差しと柿が響きあいながら

     私の心をなごませてくれ、柿の喜びまでが伝わってくる。

       植物、動物、人、自然が、ともに響きあうことで

     生の喜びが、大きな喜びとなった瞬間でもある。

           今年も幸せな一年だった。  

 
                        2002.12.23日 作 terutaka