真夜中の海
                                                        


やはりこの場所を訪れていた
真昼の喧騒が嘘みたいな
静けさだけが身をつつむこの海へ

海辺を時おり
灯台の明かりが点して
ふと目を落とせば
誰が残したかさえも知らない
足跡が残っていて
ふと感じた孤独

君がいないだけで
こんなにも寂しいんだね
心の行き先はどこへ向かうと言うのだろう

行き交う船ももちろんなくて
物言わぬ沈黙と
夜風が身に沁みたなら
見上げた空を照らす月は
青く輝いていた
今は君が見上げることもないのに

今日のこの切なさも
何もかも胸にやきつけておこう
夢のように過ぎた
この夏の記憶の欠片として・・・

ほんの少しでもいいから
この夜の海を君と眺めてみたかった
       


         by Hapinas                          

  コメント:二人で過ごした季節を駆け抜けて、今はもう君がいない。


                                              Hapinas様作
                                    
                                    
   

                                                            

真夜中の海




                  

          Terutaka    
                 

後ろを振り向くと、

足跡が もつれ合いながら続いている

砂浜に引き上げられた 古い艪の舟

その舟影に 寄り添うように並んで座る

美しいく 輝きながら 沈むサンセット  

二人の喜びの時を 静かに刻んで行く
   


                                       

やがて 大海原を見下ろすように
 
月が優しい明かりを もらし始めた

波音に心を ゆだねながら

五感を解き放つ 甘美なひと時・・・・

海神が優しく誘う 円やかな幻夢 

まどろみの時が 過ぎて行く

    
                 

           
              


     がさっ! 

     舟の向こう側で 

     人の気配が・・・・・・

     見せようか! この弾ける肉体

     二人は 静かに立ち上がり、

     なが〜い、長い抱擁

     恐れるものは 何もない・・・・・・・ 





          2006.09.08
up terutaka