1)「脳死」状態 での末期医療の選択の項
ICUと病室を分けて選択することに少々問題あがります。
二つを完全に分離して考える根拠に日本の救急・救命医療の「密室性」があります。
北欧や北米でもICU への出入りは日本のように制限がありません。
何故面会制限するのでしょう?感染??
この現実を前提に選択基準を分けるのはおかしいと思います。
むしろ、常識のごとく、二つを分けて考えるところに、パターナリスムが潜んでいます。
2)末期医療の一貫として、ソシアルワーカーがはいるのは大賛成。
というより、これも北欧では常識です。
瀕死の患者側の権利を守るための職種です。
北米ではドナーコーディネーター組織があたることもあるようですが。
これも、日本の医療の後進性です。
救命の質をオンタイムで、誰が検証するのか。
3)ドナーとレシピエントの関係を云々するときの3条件は、大変北米的。
でも移植医の多くが「北米育ち」のため、同じ感覚で日本のドナーに迫ってくる。
違和感あり。
でも、移植登録者になる前にこの3条件を飲むというのは、なかなか面白い意見と思います。
4)末期医療選択カードについて
現在でも老人や末期患者(成人)のカルテには、緊急時主治医が間に合わないとき、
「この方は人工呼吸器は不要」との記載があります。
公然とこれがまかりとおっています。
選択例の表示の中に人工呼吸器の扱いをどうするかが明確にすべきと思います。
たとえば、第4の「私は、「脳死」後心臓が停止してから移植のために臓器を提供します」という場合、
人工呼吸器を何時外すか、脳死診断の6時間後なのか、それとも消極的治療後心停止をまってなのか?
いま、臨床の場では、脳死と思われる状態の時、移植と関係なくとも、何時人工呼吸器を外すべきか?
がおおきな問題になっています。
5)チェックカードは大変大切な視点と思いました。
6)6歳未満の場合、子どもが虐待を受けているか、いないかはたいへん見分けが難しい。
機会あれば、別に意見を述べます。