現代用語の基礎知識2002より引用


その他の兵器システムなど


▼指向性エネルギー兵器(DEU)[Directed Energy Weapon]

高エネルギーのレーザー、粒子ビームやプラズマ・ビームなどによる破壊エネルギーを、光速あるいは光速に近い速度で精密に指向して目標を破壊する兵器の総称。アメリカでは現在、大型航空機にレーザー兵器を搭載して弾道ミサイルの迎撃や短距離ミサイルに対する防空兵器の研究が進められている。
また、レーザー、高出力電磁パルス及び音波などを利用した人員及び各種センサーの目つぶし・混乱など、無力化・戦力低下をねらった非殺傷兵器(→非致死性兵器)の開発については、非人道的兵器であるとしてその使用の是非が問われ、95年10月の通常兵器禁止条約の改正において、眼つぶしレーザーなどの使用禁止または制限が採択され、我が国も97年6月に同条約を批准している

▼非致死性(ノンリーサル)兵器[non-lethal weapon]

人間に致命的殺傷を与えずに敵の戦闘力を無力化する兵器の総称。アメリカ海兵隊は、装備化していると言われている。人に重傷を与えず、気絶させる粘着性泡・ゴム弾・てき弾、人を一時的に盲目にしたり光学機器を破壊するレーザー銃、吐き気や下痢を引き起こす強力な超低周波発生器、電子機器を破壊する電磁波パルス兵器、道路をべとつかせたり、滑りやすくする粘着・潤滑技術、作物や資源を食い尽くす生物学的薬剤などがある。

▼電子爆弾

強力な電磁波を放射してジェット戦闘機や原子力発電所のコンピュータなどを無力化しようとする兵器。ロシアが開発した。ブリーフケースに収納され、波長の短い高エネルギー電磁波を放出する型の物は到達範囲は十数メートルであり、車両搭載型の物では有効範囲が数百メートルの物も存在するといわれている。誰にも気づかれずに標的を破壊する静かな兵器である。テロリストの手に渡った場合大きな脅威となる。

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