毎日が走馬燈でした

苛酷な体験は心の中に眠り続けています。スパイはトラウマ記憶を植え付けています。多くの心理攻撃はそれに絡んでいて、被害者に解離症状を起こすことを狙っています。解離をつくる苦痛はきわめてはげしく、いいあらわすことができません。そのような攻撃が日夜続いています。

 トラウマは、とても強く印象づけられている記憶なのですが、なにかの理由でそれを思い出すことを拒まれているものです。ときとして、苦痛や絶望、悲痛などに関わっています。例えば、それを思い出すことによって、生活に支障が出ると感じられるとき、それを思い出さないようにしようという力がトラウマをつくります。トラウマはひとつの衝撃的な体験によって起こることも、長期的な苦痛を伴う経験によって起こることもあります

 トラウマをもっている人はそれを気にしているように感じているのですが、実際には、そのことを思い出さなくなっています。軽い段階では、何かの出来事に関連して、トラウマへの連想や、類似した感覚を起こしています。より重い段階になると、トラウマは、意識の中にたえず介入していて、苦痛を忘れることができないように感じています。しかし本当は、そのことを思い出していないのです。

 あくまで記憶に関する現象で、それ自体が何の支障もなく、生活に組み込まれている場合もあります。その広い意味で考えれば、気づかずにそういった体験をしている人がほとんどかもしれません。何か特別な問題に関わっているときに、あえて、トラウマと呼んでいます。結局のところ、そう呼べばそうなるし、呼ばなければちがうのです。

記憶の中が本当の世界なのか

トラウマ的体験はおそらく毎日のように心の中に顔を出しています。しかし、それを見てみないふりをして、別な生活を続けようとしています。記憶が何かの邪魔になっているように感じて、ますます、その体験が遠ざかってしまいます。

 解離した体験は、いろいろなものと連合して、他の姿を装うことがあります。メロドラマで、よく、「わたしはAさんの代わりでも構わない」とBさんがいっているシーンがありますが、記憶の中で出番をなくしたAさんが、Bさんになって再登場しようとしているわけです。マンガのはだしのゲンでは、死んだはずの弟が、うりふたつの別人になって再現する場面があります。喪失した経験でも蘇ろうとする力は常に働いています。

 おそらくトラウマと呼ばれるものは、記憶の中で大きな割合を占めているので、それを消そうとしてはうまくゆきません。慢性的な障害へと向かってしまいます。ですから、どうやってそれをとりもどしてゆくか、再び組み込んでゆくかということになると思います。

 拒み続けているものをどうやって受け容れていくかということです。例えば、単純な頭痛であっても、痛みがなくなればそれでいいと思っているかぎり、決してよくなることはないという経験をわたしはしています。苦痛こそが望ましいことなんだと、考えを改めてゆかなくてはならないのです。外面的な出来事であっても、それらは、心の中の自分の要素があらわれたものなのです。

 結合と解離は好悪の感情で支配されている様子があります。遠ざけてしまったものを好きだと思うようにするといいんです。ただ、わたしの経験では、好き嫌いなくなんでもたべてえらいねなどと言われつづけたりして、そういった機構自体がうまくはたらかないように作られていました。Noと言えない自分をずっと歯がゆく思っていました。だから、そこをどうにかして、まず訓練してゆくといいと思います。あと、何でも好きになればいいのではなくて、加害者は加害者だと断ずることが、効果的なことが多くあります。自分の中で何が重要で、大きな場所を閉めているのかを、心のままに判断できるようになるとよいです。本人にしかわからないもので、心理攻撃によってその判断がうまくいっていないことがあります。おかれている状況よりも心の世界がなによりたいせつです。

 解離しているものは、苦痛の源のそのものではなく、それを妨げようとしている気持ちであることがあります。てきかくな要素がわかれば、苦痛はすぐにでも改善できます。心のペース配分が有効なときもあります。ときには早く考え、ときには超スローに行動するなど、変化を付け試してみてください。何か作業に取り組むよりも、心の中にモヤッと浮かんで作業を妨げようとしてくるものに価値を見つけてください。

☆ 特に思い出すべき要素
    加害者の言動、被害体験
    うえにともなっておきる恐怖、不安、感情、思考など
    さらに、上の要素にたいする予期、身構え、無視、否定などの心の作用
    かつての思考や行動の習慣、幼い頃の気持ち
    怒りや戦意、焦燥
    レッテルや屈辱
    落胆、絶望
    失われた夢、希望
    自殺念慮、その他回避しがちなもの

 スパイの介入は相当あるように感じられます。コントロールを受けた部分を思い浮かべてゆくと数十年間全部になってしまいそうです。大きな衝撃があったぶぶんからゆっくり考えてましょう。自分でも気づかない、意識の裏に入っているのがトラウマなので、たいへんかもしれません。ふだんみないこと、やらないこと、自分でおかしいと感じるようなことに触れ、少しでも天地をとりもどしてゆきましょう。

躁状態は回復に有効

抗うつ薬(プロザックが有名)は個人輸入でも買えるのでもっていると絶対に得だと思います。子どもの頃から薬が嫌いだったので、一時期しか服用しなかったのですが、効果に驚きました。うつだと分断の壁が高くなって、なかなか回復ができません。もし、躁的な状態を持続できれば、解離をかなり改善できると思います。過去に電磁波が原因かよくわからない発作が起き、躁になって入院し、なんだかひどい目にあったと感じていました。「自分がどこの星からきたのかわからない」など、変わったことを言ってしまったのですが、その前の頃に比べたら調子がよかったのは確かです。普段埋もれて出てこなくなってしまった部分が、渾然となってあらわれてきます。統率がなくて変だと感じてしまうかもしれませんが、その統率がおうおうにして障害になっています。毎日パーッとはじけちゃうような、計画があるといいですね。



 情動の働きを利用するやり方を書いたんですが、もっと確実にやろうとすれば、脳細胞一個の動きから、心理過程を考えていくようなアプローチが望ましいと考えています。脳の中は足し算と引き算でこと足りていて、「AとBはおなじ」、「CとDはちがう」といった要素に還元されていきます。最後まで、やり抜く意志があればきっと生存はあると思います。ロボコップのように戦う力は、だれにも秘められています。

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