脳から見たマインドコントロール(作成中)

ニューロ・サイエンスは現代を生きる知恵

21世紀は脳の時代だと言われているとおり、どのような問題も脳の仕組みから解決していくのが現代の流儀だと思います。心の働きだけでなく、内臓の働きや老化などにも脳が関わっています。マインドコントロールが脳の特定の機能を破壊対象としていることがわかってきました。攻撃による作用を理解することは被害からの回復につながります。精神系の問題だけでなく、生体全体を脳の視点から考えることによって、病の克服は非常に簡単になるでしょう。また、社会全体を人間の脳との環境としてみたとき、将来的に何が必要なのかということがはっきりするはずです。現在困難と思われている社会的問題も、新しい見方ですべて解決することができます。人間が今までやってきたことはいったい何だったのか、省みる時代に私たちは足を踏み入れています。

マインドコントロールは脳が持っている仕組みを悪用して、機能を破壊する手段です。攻撃によって、繰り返すし起こされる損傷が何よりも危険です。攻撃によって精神の働きを悪化するだけでなく、脳器官を損傷する可能性さえもあります。人間機能の多くが脳幹付近に集まっています。内部への損傷の累積は、脳切除よりもたちが悪いと私は考えています。マインドコントロールによって起こる神経反応は意思によって止めることはできません。攻撃自体を物理的に遮断し続け、神経の働きを回復させることが何よりも重要です。

脳のレベル分け

神経行動学の本を参考にして次のように脳のレベルを分けてみます。
(参考、神経行動学J.P.エヴァー著、小原嘉明、山元大輔共訳、培風館、1982)

(1)中脳レベル
(2)視床下部レベル
(3)最高次レベル、大脳皮質辺縁系レベル

構造的には、脊髄から、中脳、視床下部、大脳皮質辺縁系へと神経がつながっています。視覚や刺激は、中脳に入り、視床、大脳辺縁系へと伝って認識されます。聴覚は延髄から入ります。中脳、視床下部の下位レベルで、すでに生理的反応や筋肉の動きを起こします。上位レベルは下位レベルの支配を受けています。マインドコントロールでは、中脳以下の最も低いレベルに影響づけることが重要になります。最大のダメージは視床下部と辺縁系にきます。下位からの押し上げに加え、マインドコントローラーが本能的機能を破壊するための攻撃を日々加えています。

★ポイント 継続的暴力により、脳機能の上位レベルから下位レベルへと影響を浸透させる。

例 コントロールを受けている人のストーカーへの反応についての模式図
                     言動攻撃が耳に届く
                           ↓
    生理的反応   ←  中脳レベルでの認識(鍵刺激)
       ↑                  ↓
    脅威の発生   ←       視床下部の判定   →  下垂体や海馬などの辺縁系の反応  →  恐怖などの感情の発生
                           ↓                     ↓↑
      行動      ←     大脳皮質レベルでの認識   ←   記憶とのマッチング   →    追憶体験(海馬ループ)
                           ↓            →
                   「ストーカーされている」と理解
★注意 : 現実には被害者攻撃の大半を自覚せずに受けており、大脳レベルで「被害だ」と認識しないことが普通です。

視床下部、自律神経への影響

暴行やストーカーなどの攻撃に直面したとき、私たちは脅威を感じます。それは脳にある視床下部という部分によって起こることが知られています。脅威にたいして視床下部は、ホルモンの放出、交感神経・副交感神経の作用、血圧変化の制御をします。繰り返しの攻撃は視床下部の働きをそこなわせます。脅威・切迫にたいして不十分であったり過剰な反応を起こして、状況への対処ができなくなります。視床下部はまた、生体を調節する自律神経の働きに大きく関わっていることが知られています。機能の低下は自律神経にも支障を起こして、肉体的な弱体化も起こします。マインドコントロール以外にも、いじめ、虐待などの被害によっても、自律神経失調症を起こす高い確率があります。この症状ははっきりとした診断方法がなく、自分でも気づかずに過ごしてしまうことが多いので注意が必要です。プレッシャーに弱くなったり、対人関係につまずくなどしやすくなって、より強いストレスに晒されてしまう危険があります。自律神経の働きを早めに改善できるとよいのですが、放置したまま苦労を重ねてうつ症状に陥ってしまうことが多いようです。より深刻な症状につながる可能性も高まります。寒さに弱い、だるい、血圧が上がる、たばこを多量に吸ってしまうなどの徴候は自律神経の問題に関係しています。

高速な神経プロセスによる意識破壊

 現在のマインドコントロール実験は、脳神経中枢に人工的な圧力をかけ、特殊な意識低下を作り出し、際限のない拷問を加えるものです。繰り返し脅威を与える攻撃によって、標的者に反応パターンを埋め込むことができます。ジャングルの森に住んでいた太古、私たちの祖先はライオンのような猛獣の脅威にさらされていました。猛獣の襲撃を切り抜けるためには、いちはやく逃げることが何よりも重要でした。そのため、動物本来の仕組みとして、脳には、敵を瞬時に知覚する能力がそなわっているのです。例えばライオンのたてがみのような、単純な表象によって、いちはやく認識します。そのプロセスは視床下部の働きにより交感神経の作用を伴い、逃亡行動などを起こさせます。一連の反応は意識・心の動きに比べて極めて速く、意思によって制御することができません。
 暴行により、繰り返し恐怖などを感じさせることによって、被害者には脅威にたいする反応パターンが作られてゆきます。被害体験の中から表象となる物ができあがって、特定のシグナルにたいして脅威を起こすようになります。心理過程を、高速な神経プロセスに従属して誘発させるようにすることが、マインドコントロールの第一段階です。

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