2007/10/15
オオチャイロハナムグリの飼育

成虫♂の体からは不思議な甘い香りがします。なんともまったりとした風情の雅なハナムグリは準絶滅危機種に指定されています。本種が自然界では2年一化、大きな森の巨木の洞で繁殖するという生態から鑑みれば開発事業などで居住区域が狭められていけば棲みかとともに消えていくのは必定の理です。
 
大人が自己の利益や狭い主観にとらわれることなく柔軟に物事に取り組む労を惜しまなければ次世代に何を託すことがいま求められるべき指針か理解できるはずです。決定権のある人たちの選択次第で虫も人もともに静かに滅びゆく可能性もあるのだということその責任の重大さを重く受け止めて欲しいと思います。たとえば山や森は、柵がこいして一切の立ち入りを禁止したならかえってある種の淘汰を早めてしまいます。或いは木を伐採すれば、その木をホストとして繁殖していた昆虫は見られなくなるでしょう。正しく補助しない人の手は保護ではなく破壊行為です。
すべての命が繋がってひとつの輪を形成しているのです。
たかが虫けら一種が消えてなくなるだけのこと・・・ではない、ということを肝に銘じましょう。



分布は広範囲に渡ってはおりますが巨木の洞という環境下で繁殖するため近年個体数が減少傾向にあります。


画像のペアは、広島県の山中の木の洞から採集された卵から3月に羽化した成虫です。
以下に交尾行動について紹介します。

♀を誘う甘い香りを発する♂は、独特なポーズをとります。
ケースに満ちた甘い香りのラケトンという成分が♀を誘引する効果があると実証されているそうです。
前胸背板のくぼみの有無で♂♀を判別します。
画像は♂です。
 

香りに誘われて現れた♀の背後に回って交尾。

やがて♀はマットにもぐり産卵します。
実は飼育はとても容易です。
自然界では2年1化、二年かけて成虫に羽化します。が、飼育下では一年で成虫に羽化します。
 
 

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