2007/12/20
カミキリムシのみつけかた

カミキリムシは種類によって生態がまったく違います。そこでどうやったらカミキリムシをみつけられるかをさくっとご紹介しましょう。




スイーピング採集法:昆虫網で、木の枝や花の下をゆすります。すると葉裏や花の中に隠れていたカミキリムシがネットに落下します。甲虫類の、振動により下方に落下する性質を利用した採集方法です。
この採集方法で得られる種類:ピドニア類、ゴマフカミキリ属、ヒゲナガコバネカミキリやメダカのような超小型のカミキリムシはスイーピングにより生息が確実に確認できます。
朴の木の高い葉上に静止するフチグロヤツボシカミキリなどは5メートル以上伸縮する釣竿に昆虫採集用の網を付け替えて採集します。木の下で、一枚一枚葉をながめますと、太陽の光に透けて虫のシルエットが浮かんでまいります。それを狙ってするすると竿をのばして葉にネットをかぶせて掬います。
ビーティング採集法:凧のような四角の布に対角線上に骨を組んだネットを木の枝や花の下、草の葉の下に添えて、上から棒で軽く叩いて、ネット上にカミキリムシを落下させて採集します。
カミキリムシの採集にはむしろ昆虫網以上にビーティング採集が有効とされます。
この採集方法を用いると、実に多種多様なカミキリムシを得ることができるからです。
栗の木の枝からはサビカミキリ、シナノクロフ、沢アジサイからはドウボソ、そして上翅が退化して飛翔能力がないコブヤハズカミキリは叩き網なしには容易に採集できません。
ルッキング採集法:文字通り虫がいないかな、会えないかな、思いながら目を皿のようにして葉上や花の上、伐採木などを眺めて見つける採集方法です。視力より集中力と会いたいという思いのたけが採集確率を挙げるようです。
この採集方法で得られるカミキリムシも多様です。水辺の葉上に涼をとっていたかのように静止していたハネビロハナカミキリもおりましたし午後の暑い時間にはトラカミキリ族が多数伐採木上に集まります。またルリボシカミキリも花上や伐採木上に現われます。
また「虫の眼」を鍛えることで飛翔するカミキリムシをも見分け、昆虫網で採集することも可能になります。
 
灯火採集法:昆虫採集する人の間では「ナイター」と呼ばれる採集方法で、夜間自販機や外灯などの明かりに集まるカミキリムシを待って採集する方法です。
白い大きな布を張って人工的に発電機で明かりを照らして集める方法もありますが、夏の夜夕涼みがてらに肩に網をショって家族や友人と外灯を回るほうが私はヘルシーで好きです。
この採集方法で得られるカミキリムシは主に夜間に活動する夜型のカミキリムシなので、日中見かけない種類に出会えるのもまた楽しみです。
ウスバカミキリ、クロカミキリ、ノコギリカミキリといった野趣あふれるかっこいいカミキリムシのほか、ヨコヤマヒゲナガカミキリのような美種にも運が良ければ出会えます。
 
探究心を友として:近年、インターネットの普及により、先輩カミキリ屋の方々に比べて平成のカミキリ屋は各種カミキリムシの産地情報の獲得も甚だ容易となりました。加えて車の足を駆使すれば簡単にミッションが完了してしまうことでしょう。
大人が、自己の所有欲を満たすための、趣味の昆虫採集として楽しむならそれもよろしいかと思います。
しかしながら、次世代の子どもたちにカミキリムシの魅力を伝え、昆虫採集の愉しみを正しく知ってもらおうとするならどうでしょう。
そもそも虫を探す、見つける喜びは、持てる忍耐力と研ぎ澄まされた精神力を鍛えてこそリアルに体感できるものです。
先日、長女と歩いていて、眼前を横切った甲虫がありました。出かける用事も忘れて、その個体の行方を追いかけ、荷物を投げ出し地面の草の葉を覗き込んだり木の幹を凝視したりする姿を通りがかりの人は何と思われたことでしょう。
捕まえたのは珍しいカミキリムシではありませんが、長女にとっての今年発採集個体、ヒメスギカミキリで、その場所では初めて確認しました。見れば確かにそこには杉の立ち枯れと、脱出口がありました。
日常生活のささいな自然との触れ合いの中親子で同じものを追いかけるとき世代の差を越えた心の交流が存在します。
その瞬間を切り取った記録ノートは、単なるカミキリムシの生態調査でも、採集の成果でもありません。
かけがえのない我が子の成長の証です。
 
 
 

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