南アルプス 北岳(3193M)登山
2008年11月1日-2日




11月1日:広河原→二俣(右俣コース)→北岳肩の小屋

11月2日:北岳肩の小屋から北岳を往復、白根御池小屋ルート(草すべり)で広河原に下山

『気象人』の11月1日の天気図を参照する。 国土地理院の2万5千分の一地図を参照する。

北岳には過去4回くらい登ってますが、吊尾根ルートは未だトレースに成功してなくて、どうしても吊尾根からの北岳をトレースしてみたかった。31日にあるき沢橋から入る予定でした。30日の夜叉神峠からの北岳ライブ映像を見る限りでは26日の積雪はほとんど消えてました。肩の小屋にTELし雪の情報を聞いたところ、2800Mまで上がらないと雪がない(水を作る為、雪のあるところまで登らないとならない)とのこと。天気予報を見ると31日夜に寒冷前線が通過し、森林限界から上ではモーレツな風(とガス、雪)が予想され、テントを張るには危険と判断しました。そこで31日夜の新雪が期待できる1日に広河原からのルートに変更しました。ちなみに1日は東京で木枯らし1号が観測されたそうです。


*今から30年程前の5月、単独で深沢下降点から野呂川に降り、吊尾根を目指しましたが、橋が無く野呂川を渡れず吊尾根に行けませんでした。しょうがなく林道に登り返し、歩いて広河原に入り、草すべりの途中で力尽き、斜面の雪をならしツエルトビバーク。半シュラフがあったので寒くはなかったが、疲労のため何も食べずに棒のように眠り、翌日ガスと霰が降る中、北岳を往復しました。

五竜岳以来1ヶ月間、徹底的に脚を鍛えたおかげで五竜岳をはるかに超す登り降りでも膝ががくがくすることなく登山を終えられました。 次回、吊尾根を目指す時はさらに脚を鍛えれば、不安なくいけると確信する登山となりました。



11月1日
午前5時前に芦安に着く。気温8度、小雨がぱらつき路面が濡れていたので2400Mから上では雪と判断。実にラッキー。寒冷前線の通過(後の一時的な冬型)では北アルプスと違い南アルプスでは、ガスだけで積雪するほどの雪が降らない(特にこの時期の弱い冬型では)事があるので、芦安で雨が降っていたときはホンとうれしかった。小雨がぱらつく広河原を6時20分に出発。広河原でも風は強く、稜線ではモーレツな風が予想されたが、私が稜線に着く頃には風もガスも止むと判断し、うきうきしながら登る。1日の午後に肩の小屋の主人と話したら、31日の夜に吊尾根の森林限界にテントを張ってたら風と寒さでえらい目にあってただろうと言って、私が1日に広河原から登ってきたと言ったら、それが正解だと言って喜んでくれました。


1800Mを越すと霰がぱらぱらと降ってきたが、じきに止み鳳凰山頂部の雲が切れてくる。二俣(2200M)手前まで来ると登山道に2〜3センチ位新雪が積もっていた。雪の全く無いところもあったので、降雪は上からしんしんと降ったのではなく、北西の強い風とともに横なぐりに降ったと思われる。二俣の少し手前からの北岳バットレス。2800Mまでかかっていたガスもなくなり晴れてくる。



右俣コース2500M付近から見た、八本歯のコル。左の八本歯の頭の少し手前にテントを張る予定だった。



3000M主稜線からの北岳。風もだいぶ収まり(10M程度かな)、日差しがあるのでさほど寒くない。



上と同じ場所。主稜線の岩に張り付いた霧氷(えびの尻尾)。稜線では深夜から早朝にかけて相当荒れたのがわかる。ここから小屋までは10分弱。



登り初めから6時間40分で、肩の小屋に午後1時10分に着く。テント場はこの画像向かって左。景色を充分堪能したあと、小屋で昼寝をする。明日の好天が約束されていたので、無理をせず山頂のピストンは明日にすることにした。



肩の小屋のテント場。稜線より10Mほど下った東側にあるので、北〜西風は避けられるが、南〜東の強風が予想される時は注意が必要です。



1日の夕日。この小屋は夕日、日の出の時間帯を避けて食事時間を決めている。小屋の主人に聞いたら「一番いい時間だから」と言ってました。さすがだ!と思いました。もちろん天気の悪い日は定刻どうりの食事時間です。ちなみにここのスタッフ(4人くらいいたかな?)は親切で気配りもよく、実に気分良く泊まれました。ちなみに布団等の設備は北アルプスの小屋ほど良い物はではありませんが、客をもてなす心がそれら(設備等の物質)を十二分に補っています。






11月2日
日の出前15分前に小屋前で待機。気温マイナス5度。1日の朝はマイナス9度、暴風雪で小屋から一歩も出られなかったとのこと。寒気が東に抜けたとは言え風もそこそこあり寒い。多くの人が日の出を拝みに小屋から出てくる。


朝日を待つ富士。



なかなか太陽が顔をださない。雲を照らすオレンジ色の光彩を望遠で撮る。来てよかったと思う瞬間。



吊り尾根と富士。手前の雲で日の出時間を過ぎても一向に太陽が顔を出さない。結局日の出を見ずに朝食のため小屋に戻る。



6時50分、肩の小屋から山頂を目指す。7時30分山頂着。夕、朝食をしっかり摂り、小屋で充分休息を取ったおかげで、全く昨日の疲労感もなく3193Mの頂に立つ。小屋泊まりの方は昨日中に山頂を踏んだ人も多かったようで、山頂には数人しかいなかった。山頂から間ノ岳方面を撮る。



山頂からの下りで雷鳥を見る。場所は肩の小屋のすぐ手前。肩の小屋に戻り、小屋の主人と雷鳥の話をする。今は雷鳥の数が減り、小屋まわりで1つがいいる位で、白根三山で十数羽しかいないとのこと。確かに昔(30年くらい前)は良く雷鳥の鳴き声を聞いたり、見たりしたが今回は鳴き声はまったく聞かず、偶然に1羽を見ただけでした。小屋の主人によると私はかなりラッキーだったとのこと。しかしピンボケしてるよな、何枚か撮ったが全てピンボケ。



肩の小屋を8時40分に出発。途中で小屋の弁当(岩魚の甘露煮が入ってました)を食べたりして、2時間10分で白根御池小屋に着く。薄氷の張った池と吊尾根。



広河原のすぐ手前まで下る。そこから本日登った北岳を仰ぎ見る。懐かしいなこの景色。30年以上前、友人と二人でテントを担いで初めて北岳に登った時のシーンが鮮やかに蘇る。



広河原に13時に着く。芦安行きのバスは13時30分発なので、まだ紅葉の残っている広河原をバス停までのんびりと歩く。確か20年ほど前、紅葉を見に彼女と自家用車(当時は自家用車が広河原まで入れた)で広河原に来たのが最後だった。あの頃は若かった、スキーに没頭していた頃で、膝も悪くなかったし、体力もピークだった。来年は登るぞ吊尾根!!






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