弁護士 武藤高晴 本文へジャンプ
業務指針


事件処理方針(総論)

 自由と正義…これは,日本弁護士連合会が発行している機関誌の名前です。そしてこの二つの言葉は,弁護士の永遠のテーマでもあると言えます。
 ところで,この「自由」と「正義」は両立するものでしょうか?
 それは,性善説や性悪説など人のとらえ方にもよるとは思いますが,私は,ある人の自由は,突き詰めれば,他の人の自由を束縛してしまうと思っております。そして,誰かが自由を謳歌する一方で,他の誰かが迷惑をするという状態は,不正義であると言えるでしょう。
 その意味では,自由と正義は両立しないと考えられます。

 では正義とは何でしょうか?
 この問いの答えは人の数だけあり,明確な答えなどはないと私自身は感じております。
 ただ,法を扱う弁護士としての正義とは,少なくとも法に反することではないのではないかとは思っております。
 つまり,法とは,少なくとも選挙によって選ばれた代表者によって制定されたものであり,国民の意見が一応集約されたものであります。もちろん,その代表者達が意見を最適な形で集約出来ているとは限りません。しかし,選挙以上に多くの国民に参加の機会が与えられている意見表明手段は,少なくとも今のところ見あたらないとは言えるはずですので,ここに人々の考え方の大勢らしきもの,つまり常識らしきものがある程度集められているとは言えると思います。
 よって,法に反しないことが,さしあたり人に迷惑をかけない最低限であるのではないかと考えるわけです。
 それは,自由が「法に反しない自由」「法に則った自由」である限り,正義は実現されるという事を意味します。

 自由と正義は,法によって共存が出来るのです。

 私が,弁護士として行ってゆきたいのはまさに,この自由と正義を共存させる作業…
 即ち,御依頼をいただいた方々の願いを法によって実現してゆくということです。
 ですから,法律上権利があっても,その方が適正な情報を与えられた上でなおその権利を行使したくないとすれば,無理に権利行使を煽ったりお勧めしたりはしません。
 また,法的に不可能な要求はもちろん,法の精神を歪めるような要求であれば,そのようなお仕事をお請けすることは致しません。

 法律相談による適正な情報提供と,依頼いただいた方の御意思と法律に則った事件処理…当たり前と言えば当たり前ですが,この当たり前を大切にして,様々な立場の皆様の願いと権利を実現していきたいと思います。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。


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