海に降る雪

 まだ幾分冷たさの残る空気に、沈丁花の香りが漂う、さわやかな朝であった。
 庭で弓の稽古をしていた景虎の耳に、若い男の声が聞こえてきた。
 「三郎兄、遠駆けに参りましょう。」
 景勝だ。景虎は微笑して汗をぬぐいながら、「馬の用意を。」と、馬廻り衆に告げた

   応対に出た華は、
「景勝殿、またですか?全くあなたときたら、母上にご挨拶もしないで、旦那さまと遠駆けばかり。たまには、屋敷でゆっくりなさいませ。」と、少々呆れ顔で出迎えた。
 景勝は、いかつい顔をほころばせ、
「姉上には、かないませぬなあ。そりゃあ口うるさい母上より、三郎兄と遊ぶ方が、楽しいに決まっているではありませんか。」
 と言い終らぬうちに、
「口うるそうて、悪うございました。」
 奥から母が出てきて、軽く睨んだ。

「い、いや、その…」景勝は、頭を掻いた。
「ほほほ、怒ってやしませんよ。」
 母は、おかしそうに笑って、
「華、景勝は景虎殿を、本当の兄のように思っているのです。戦のない時ぐらい、好きにさせてやりましょうよ。」と諭した。
 お供の樋口与六も、その通りだというように、優しく微笑んでいる。

 景勝は暇さえあればこの館に来て、時には夜通し酒を酌み交わし語り合う。
 その姿は微笑ましく、また羨ましくもあった。
 ―景勝は、私よりもずっと、景虎様の近くに居るのかもしれない。―
 楽しげに出かける彼らを見送って、華は小さく溜息をついた。

「御方様、お寂しゅうございますね。」
と、奥女中の妙が、いたずらっぽく声をかけた。
「お妙ったら、知りません。」
 口を尖らせて、ぷいっと横を向いた。
 頬の熱さを感じて、ますます赤くなってしまう。華は、手で頬を覆った。
「本当に、しっかり者の華も、景虎殿のこととなると別ですね。かわいらしいこと。」
「は、母上までそのような…」
 華は耳まで真っ赤になった。
 桜の花びらが舞う。
 初めて景虎に会った祝言の日のように。

 婚礼は、上杉謙信の養子となった景虎の、家臣への披露目を兼ねて、春日山城で行われた。
 同盟したとはいえ、つい最近まで敵であった北条氏康の実子である。
 値踏みするような、冷たい視線に晒されながら、彼は臆すことなく、毅然と座していた。
 凛とした表情、優美なしぐさ、なによりその揺るぎ無いまなざしは、
 縁組に批判的な者さえ思わず見とれてしまうほど美しかった。

 隣に座って、華は内心途方にくれた。
 元よりこの結婚に、夢など持ってはいなかった。
 お互いに家命に従っただけのこと。
 戦国の世に、華の意志などあるはずもない。

 だが、彼は自分とはあまりにも違う。
 この生まれながらの貴種のような人と、暮らしていけるのだろうか?
 華は、話す言葉すら思いつかずにいた。

 二人きりになると、尚更どうしていいかわからない。
 気まずい沈黙が流れ、困りきった華が顔をあげると、
 同じく困った顔の景虎と、一瞬目があった。
 先刻とは全く違った、とまどいと不安に揺れる瞳を隠すように、
 慌てて目をそらす景虎に、華は親しみを感じた。

 この人も不安を抱えながら我慢している。

 父を亡くし謙信の元に来てから、華は一度もわがままを言ったことがない。
 謙信は暖かく迎えてくれたが、華はどうしても、ここが自分の家だとは思えなかった。
 誰が何を言ったわけではない。ただ自分が、嫌われるのが怖かったのだ。
 寂しさも苦しさも、母にさえ言わず心の奥に沈めている内に、
 いつのまにか華は自分の感情を、自然に出せなくなっていた。

 この人も自分の気持ちを隠している。
 ふと、そんな気がした。
 もう一度、この人の瞳を見てみたい。
 あのとまどった表情を、私に向けて欲しい。

 「景虎さま」と小さく呼んでみた。
 彼が驚いたように顔を上げた。
 その瞳の奥に孤独を感じて、華は胸が震えた。

 この人は、私と同じ寂しさを知っている。
 この人と寂しさを分かち合いたい。
 その思いに突き動かされるように、いつしか華は、
 自分から手を伸ばして、彼を抱きしめていた。

 いつの頃からか、景虎は夜毎うなされるようになった。
 悪い夢でも見ているらしく、汗びっしょりになって苦しむ。
 やがて、夜になると華から視線をそらすようになった。
 どうしてなの?何が悪かったの?
 思い悩む日々が続いたが、そのうち華は懐妊し、体を気遣う彼に、
 取り越し苦労だったのかと思うようになっていた。

 越後になごり雪が降った朝、道満丸が生まれた。
 初めてみる我が子。
 恐々触れた景虎の指を、道満丸がきゅっと握った。
 その感触をかみしめながら、
「元気な子だ。ほら、口元がそなたによく似ている」
 と、微笑んでじっと見つめている。
 その顔が、あまりに嬉しそうで、華は
「殿・・。」と言ったきり、涙があふれた。

「どうしたのだ、なぜ泣くんだ。」
 おろおろする景虎に、
「お方様は、嬉しくて泣いてらっしゃるんですよ。本当に、女心がちっともおわかりじゃないんですから」
 自分も目に涙を溜めて、奥女中のお妙が笑うと、周りの皆が一斉に笑い出した。
 静かに雪が降る中、そこには暖かい空気が満ちていた。


 翌年、氏康が亡くなり北条は同盟を絶った。
「俺は上杉景虎だ。越後に生きる。」
 景虎に迷いはなかった。
「三郎兄、これからもずっと、義父上と共に越後を守ってゆきましょうぞ」
 謙信と景勝の思いに、胸が熱くなった。
 それから景虎は、今までにもまして懸命に努力した。
 越後の事、周りの国々の情勢、その知識は景勝も舌を巻くほどになっていった。

 景勝も負けず嫌いの努力家で、その熱心さは家臣の誰もが認めていたが、景虎が同じくらい努力家だということを知る人は、少なかった。
 喜怒哀楽を表に出す景勝と違い、常に穏やかで、声を荒げて怒る事のない景虎は、彼をよく知らない人間には、頼りなく見えたかもしれない。
 しかし、本当の彼がどんなに熱く激しい人間か、謙信や景勝は知っていたのだ。

 景勝は、景虎を知れば知るほど、惹かれていった。
 その清冽な正義感に、高い理想に。
 実利的な景勝なら、はじめからできるわけないと諦めてしまう事を、諦めず実現しようとする景虎の姿が、まぶしく思えた。
 青臭いと切って捨てることは簡単だったが、この人なら、いつか本当に出来るかもしれない、と思わせる何かを、感じていたのである。

 相模からの荷物を燃やした夜、月明かりの庭で、景虎はひとり笛をかなでていた。
 眠りをさまたげない、澄んだ音色が、春日山に流れてゆく。
 名手と言われた兄、北条氏照直伝の笛の音は、限りなく美しく、華の胸に響いていた。

 どうか、この越後が、あの方のふるさとになれますように。
 あの方の想いが、伝わりますように。
 月に照らされた景虎の姿を遠くから見守りながら、華は心で祈っていた。

 
「御方様も、旦那様の前でもこのように、かわいらしくなされば御宜しいのに。殿方は甘えられると嬉しいらしいですよ。」
 遠駆けを見送った朝、お妙が言った。
「甘えるって、どうすれば良いのです?」
 思わず言葉が出ていた。
(あの方は、私が甘えたら喜ぶかしら)
 お妙は照れながらも、おねだりしたり、擦り寄ったり、色々して見せてくれたのだが、どれをとっても、華には真似できそうになかった。
 やはり私には、あの方に愛されるのは無理なのか。
 胸の奥に、深い痛みが突き刺さる。

 道満丸が生まれても、景虎は華を抱こうとしなかった。
 他の女を求めるわけではなく、華を大切に想ってくれていることは感じられた。
 以前景虎が夜毎うなされたことと、関係があるらしいことも。
 ならば、このままでいい。
 彼を苦しめることだけは、絶対にしたくなかった。

 なのに、その気持ちと裏腹に、どうしようもなく彼に焦がれる自分がいる。
 思い求める気持ちが耐えがたく押し寄せ、尽きることのない荒波に揺さぶられ翻弄される。
 あなたを恋している。
 抱いて欲しい。
 その言葉は、華の胸で何度も繰り返されるだけで、けっして声にはならなかった。

 
 景虎が越後に来て、数年の月日が流れた。
 越後の長い冬にもすっかり慣れたある日、景勝と海を見てきた景虎が、ふと言った。
 「あの荒々しい冬の海も、雪が降ると、静かになってゆくような気がするんだ。
まるで雪が、海を眠らせるような。」

 「そうかもしれませんね」と言いながら、
 華は、自分の思いと海を重ねていた。
 私の心を眠らせるのは、どんな雪なのだろうか。
 それとも、雪は自分で降らせるものなのだろうか。

 道満丸が、笑顔で走ってきた。
「父上、ご覧下さい。」
 見ると、紙一杯に字が書いてある。
「道満丸、上手になったな。」
 景虎はにっこり笑った。
 すると、横から覗きこんだ景勝が、
「ほお、これなら、きっとお父上より上手になれるぞ。」
 と言って、景虎の顔をちらっとみた。

「私は書くのは苦手なんだ。」
 むくれる景虎がおかしくて、華が思わず笑うと、景勝も笑い出し、ついには景虎も笑い出した。
 目を丸くしている道満丸を華が優しく抱きしめると、道満丸は大事そうに紙を持ち、誇らしげに華を見上げた。
 この先に、信じられないような運命が待ちうけているとは、このとき誰も知らなかった。

 
 3月のある日、謙信公が突然倒れた。
 もしこのまま御亡くなりになったら…
 誰の胸にも不安が押し寄せた。
 「後を継ぐのは誰なのか」
 おおっぴらに言うものはなくても、胸に去来するものは同じである。

 景虎は、右往左往する家臣達に、
 「義父上は、必ず回復なされる。後継ぎのことなど、一切言ってはならぬ」
 と厳命した。その強い口調に、皆は黙った。
 確かに、存命している謙信公に対し、不謹慎な考えである。
 けれども、考えずにはいられないことであった。

「相変わらず、甘い事を言う。御亡くなりになってからでは、遅いではないか。」
「謙信公が亡き後、列強の支配を避けるには、やはり北条との繋がりが必要なのでは。」
「いや、越後は、越後者の手で守る。」
「短慮に走ってはならぬ。様子を見ねば」

 様々な思惑が乱れ飛ぶ中、景勝は己の生き方を決めようとしていた。

 景虎の心は、既に決まっていた。
「北の守護神となれ」
 謙信の言葉は、常に景虎の胸にあった。
 越後は、自分と景勝が守る。
 北条にも、武田にも、織田にも、どこにも侵略など許さない。
 景勝となら、きっとできる。いや、やらねばならぬ。
 謙信が病に臥せっている今、この越後を狙う国は、隙をねらって、いつ責めてくるかわからない。
 後継ぎ問題などで、右往左往している場合ではないのだ。

 そんな景虎の真意に、気付いている者が、果たして何人いただろう。
 殆どの者は、ただ景虎が、謙信の死を怖れているだけだと思い込んでいた。
 景勝には、景虎の心がわかっていた。
 だが、別の思いも、同時に生まれていたのである。

 謙信公の心を継ぐのは、三郎兄だ。
 三郎兄こそが、あの義の精神を継いでいるのだと、景勝はずっと思っていた。
 けれど、その心だけで、越後を守っていけるだろうか。
 景勝は揺れていた。
 この先もずっと、景虎と二人で越後を守ろうと、あの時誓った思いに嘘はなかった。
 それなのに自分は今、何をしようとしているのか。

 側に控えていた与六が、
「謙信公亡き後、越後を守るのは、あなた様しか無いと私は思っております。」
 と静かな決意を込めて言った。
 とたんに景勝は、恐ろしい形相で睨んだ。
「一国に、二人の国主は立てません。関東管領など、もはや単なる名目。どちらを後継にするかで、越後が二分するは必定。景虎殿は北条の御方です。越後がどこの支配も受けないことを内外に示すには、あなた様が後を継ぐのが一番です。」

 与六は少しも怯まず、景勝を見つめている。
 部屋には二人だけしかいない。景勝が本心を隠す必要はなかった。
「三郎兄は、もはや北条の人間ではない。越後を愛し、この地に骨を埋める覚悟でいるのだ。北条の支配など、させるはずがない。」
 景勝は、震える拳を握り締め、振り絞るように叫んだ。思いのほかの激しさに、自分でも驚いていた。
 あの強い光を放つ瞳で、越後への謙信への、熱い思いを語る景虎に、どれほど惹かれていたか。
 あんな人は、きっと他にいない。

「私もそう思います。」
 与六が言った。
 一瞬、自分の心の中を読まれたのかと思った景勝だったが、先の言葉に答えたのだと、すぐに悟った。
 与六は続けて、
「しかし、家臣の大半は、そうは思いますまい。他の国々も。実際のあの方が、どのような人であろうと、今は周囲がどう思うかが、肝心なのです。もっと後であれば、あの方が行動で示してゆけるでしょう。それまで謙信公のお命が持てば良いと、私も心から願っております。ですが、今であるなら、北条の血の影響は大きい。家臣の心をひとつにし、この先の災いを断つ為には、あの方がいては困るのです。」

「もうよい、もう何も言うな。」
 部屋から与六を追い出し、景勝はひとり、頭を抱えてうずくまった。
 実は与六と同じことを、景勝も考えていたのだった。
 自分達の思いとは別のところで、反乱や利権を狙う思惑は、常に蠢いている。
 今戦えば、誰がどのような思惑で動くかが、如実に判る。
 新しい越後に不要なものを、先に潰すことができるのだ。

 だが、その為にどちらが犠牲になるのか
 三郎兄は、無欲で正義感に溢れた御方だ。
 わしと後継を争って戦うなど、決してなさるまい。
 だが、話し合いだけでは、家中をひとつにまとめることはかなわぬ。
 ならば自分がとるべき道は、他にないのか。
 本当に、戦うしか道はないのか。

 
「そなたは、なぜあの方を、北条の名でよぶのです?」
 姉に訊かれて、景勝は答えられなかった。
 景虎の名は、謙信のかつての名であった。
 長尾景虎。
 その名前は、景勝にとって、父を思い出させる、特別な響きを持っていた。

 妻の弟を裏切った父。そのとき、父はどんな思いでいたのだろう。
 謙信を尊敬している景勝だったが、失意のうちに亡くなった父を思うと、恨む気持ちがないとは言えない。
 景虎という名は、そんな複雑な思いを呼び起こすものだったのだ。
 だから呼べなかった。
 謙信は、景勝の思いを知っているようであった。

 わしは今、父と同じことをしようとしている。
 姉の夫、自分を信頼してくれている友を、裏切ろうとしている。
 正義感の強い彼は、裏切られる事は有っても、裏切ることは無いに違いない。
 裏切る側の心理など、わかるはずも無い。
 けれど、政治には、裏切ることも必要なのだ。

 本当は三郎兄を国主にして、自分は彼を支えて、そういうことを引き受けるつもりだった。
 なのに、どうしてこんなことになってしまうのか。

 越後のことが、よそ者になどわかるものか。
 冬の厳しさも春を待つ思いも、何もかも、越後に生きるものにしかわからぬ。
 他国に支配などさせるものか。
 その思いは、景勝にもある。
 だが、三郎兄は、越後に生きるものなのだ。
 血がどうであろうと、育ちがどうであろうと、彼は越後を守る人なのだ。

 なぜ、それが伝わらないのだ。
 なぜ、天は時間を与えてくれないのだ。
 どうにもならない。
 謙信の死と共に、戦いは始まる。
 景勝は、何度も何度も、畳に拳を打ちつけて泣いた。
 自分に有無を言わせず従わせる力があれば、戦わずにいられる。
 家中がひとつになっていれば、彼を殺さずに済むのに。

 涙も涸れ果てたころ、景勝は顔を上げて、
「与六、ここへ参れ」と、声をかけた。
 今は、景勝の思いを知るのは、与六だけであった。
 景虎と景勝、両者の思いを、ただひとり知る男。
 景勝は、彼に告げた。
「謙信公の死去と共に、景虎を討つ。」

 景虎よ、わしはあなたを裏切る。
 罪も、後始末も、全てわしがかぶる。
 友よ、わしを恨め。許しなど請わない。
 この先に、笑って過ごす日など、訪れない。
 わしは、鬼になる。
 全ては越後の為に。
 あなたとわしが願った、越後の平和の為に。

 そして、謙信は亡くなった。
 早すぎた死に、狂わされていく二人の運命は、もう誰にも止められなかった。

 景勝の行動は素早かった。
 いち早く春日山城を抑え、景虎の動きを封じていった。
 景虎の力を誰よりも理解しているが故に、なりふりかまわず、全力で戦ってきた。
 景虎は、追い詰められ、ついには御館を出るしかなかった。

「殿、私は御館に残ります。」
 華は、そう言って微笑んだ。
 本当は、ずっと一緒にいたかった。

 母が景勝の元に行く時、母は言った。
「景虎殿は、私やお前を盾にするような事は、なさらぬ御方。足手まといにならぬよう、私は景勝の元に参ります。」
 涙を流す母に、華は、
「私は、最後まであの方について行きます。こんな私でも、少しでもお役に立てるかもしれませんから。」
 と気丈に微笑んだ。
 信じた友に裏切られ、深く傷ついた景虎を、少しでも慰めたかった。
 なにより、離れて生きることなど、考えられなかったのだ。

 けれど今度こそ、足手まといになるのはわかっていた。
 雪の鮫が尾城について行くのは、とても無理だった。
 道満丸を失った時に、既に命は捨てていた。
 これが、今生の別れ。
 「御武運を」
 そう言って、微笑んだ華だったが、もう会えない、その思いに華は、ついに景虎の胸に飛び込んだ。

 押えていた思いが、関を切ったように溢れて、涙が止まらない。
 景虎は、強く抱きしめてくれた。
 髪に触れた息が、景虎のあたたかさを思い出させた。
 私はもうこのまま死ねる。
 この胸を、この腕を、しっかりと覚えたままで。

 今までずっと、言いたくても言えなかった胸の痛みが、溶けていく。
 華は最後まで、自分の想いを告げなかった。
「道満丸と共に、殿をお守りしています。」

 御館が燃え落ちる。
 穏やかな日々の記憶を、燃え盛る炎にして。
 やがて、雪が降り積もる。
 あの海に降る雪のように、全てを眠らせて。

 

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