『朧月』

離れていても大丈夫。そう思っていた…

 
お前がどんなに頑張ってきたか、わかるから

そんなお前を、たまらなく好きだと思うから

 
なのに…
まさかこんな落とし穴にハマるなんて…

 

 

心より先に、体が悲鳴を上げている。
前は本当に大丈夫だったのに…

会う回数が増えるほどに、お前のいない夜が苦しくなる。

いつの間に、俺はこんなに弱くなっちまったんだ?

今までだって、ずっとひとりで眠ってきた。
なのに…

 

 
「くそぉ、直江のバカ野郎…」

ギュッと自分の体を抱いて、目を瞑った。

自分を変えてしまった男の顔が、瞼の裏に浮かんで消えなかった。

 

           4月15日

 

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