Ladakh India(ラダック地方)  砂漠の雪山を歩く
2005/6/15〜7/15
ルンサル・カンリ(Lungser Kangri)
6,666m
6月15日から7月15日にかけてインドに登山に行ってきた。
インド北西部のラダック地方のルンサル・カンリ(Lungser Kangri 6,666m)という山で、ラダック東南部の最高峰である。

ラダックはインドでありながらチベット文化の色濃く残る土地。
気候もチベットのそれに似てめったに雨の降らない乾燥した大地である。
北はカラコルム山脈でパキスタンと接し、東はチベット、ウイグルと接する山岳地帯でもある。

ルンサル・カンリという山は、砂漠地帯の中で緩やかに高度を増し山頂付近に雪を戴いた、たおやかでゆったりとした山である。
1995年にはインド隊によって初登頂され、その後外国隊によっても登られている。
急峻な山ではなく、技術的にも難しくはないが、ひとたび天候が悪くなるとルートを見失う可能性がある。




インドの山奥へ
今回は僕とクライアントのKさん、現地人コック、キッチンヘルパー、リエゾン・オフィサー(連絡官。インド政府より派遣される)の計5名のこぢんまりとした登山隊であった。

6月20日、ラダックの中心都市・レー(3500m)を出発し山の麓のツォ・モリリ(モリリ湖4500m)まで車で移動する。

ここからは馬に荷を積み5600mのベースキャンプ(以下BC)まで徒歩でキャラバンである。

ツォ・モリリからBCまで歩いて2日の距離なのだが、まだ身体が高所に慣れてないのでBC入りには時間をかけた。

そして5日後の25日、5600mの台地上にBCを設営し登山活動を開始した




登山活動
BCからは上部キャンプをひとつ出して(C1、アタックキャンプ)、ここから頂上をアタックする予定である。

翌26日から偵察と荷上げをおこなう。

山の写真とおおまかな記録はあるのだが、正確な地図はなく登山ルートも自分達で決めなければならない。

安全かつ無駄のないルートを選ばなくちゃならないので難しい面もあるが、まあそこが面白いともいえる。

我々は荷上げを行い、6,000mにC1を設置し、ほぼ順応も進んだと思われた6月30日C1入りし、翌7月1日アタックをおこなうこととした。

それまでずーっと天候に恵まれており、そろそろ崩れそうな感じもしたので、早いうちにアタックをかけておいたほうがいいと思えたのだ。

1日。明るくなった5:20にテントを出発。幸い天気も良さそうだ。

6,000mを越えているといってもこの山は雪が少なく、ガラ場の登り下りを余儀なくされ、頂上稜線のコルに出るまでとにかく歩かされる。

コルから1ピッチ登った6300m付近からアイゼンを着け、ロープを結び合った。

稜線上はクレバスがあると聞いていたが、なるほど小さな亀裂がいくつか見られる。

緩急のある雪稜を登ること3時間、傾斜が落ち頂上の一角に出た。

標高は6,600mくらいだろうか?この先は所々雪が消え地面が露出している。強風で雪が飛ばされ付着しなかったのだろう。

平坦な雪面とガラ場をたどること1時間、他のどこよりも高い地点に至った。東ラダックの最高峰ルンサル・カンリ(6,666m)の山頂である。

11:40であった。

東側にはツォ・モリリのような美しい湖が、北には東カラコルムの山々が見渡せた。

山頂には小さなケルンが積んであったが、それは遥か長い旅路の折り返し点を示すマイルストーンのように思われた。

景色を堪能し写真撮影をした後、我々はゆっくりと山頂をあとにした。 (了)

ツォ・モリリ(モリリ湖4500m)

キャラバン風景

ベースキャンプ(5,600m)

頂上稜線を歩く

ルンサル・カンリ山頂
 
         
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