妙義山
表妙義縦走   表妙義・星穴岳   表妙義・筆頭岩   裏妙義・木戸壁
 
表妙義縦走
妙義山というピークはなく、金洞山(1,094m)、白雲山(1,104m)、金鶏山(856m)からなっています。上毛三山(赤木山、榛名山)のひとつ、また、九州の耶馬渓、四国の寒霞渓と並んで日本三奇勝にも数えられています。
中之岳(金洞山)〜東岳(金洞山)〜相馬岳(白雲山)〜天狗岳(白雲山)への縦走は、険悪な岩場が連続します。危険なポイントの多くには、鎖やはしごがついていますがホールドや足場が悪いところが何メートルも続いたり、高度感がかなりあったりするため、長時間の緊張を強いられます。
装備を整えてロープによる確保をお勧めします。
 
■登山のタイプ
岩稜縦走
日帰り(前日泊)
■必要な技術・体力
ガレ場やナイフリッジなど気の抜けない個所が続きます。クライミングや岩稜のある登山などを行い、速やかに岩場の登下降ができるようにしましょう。また、行程が長いので最後まで慎重に行動できるように、コンスタントに登山をして体力を養って下さい。

・技術…岩稜帯を速やかに通過できる / 岩場での登下降に慣れている
・体力…一般登山道をエリアマップ記載のコースタイム内で歩ける /
     5kg
程度の装備で時間程度行動できる
■行程
中之岳神社登山口−金洞山−白雲山−妙義神社登山口
奇岩を眺めながら一般登山道を抜けると、早速10m程の鎖場。
登ったところが中之岳と星穴岳の分岐です。
金洞山最高峰の東岳山頂。
岩峰に登り一息つけば、浅間山、谷川岳、八ヶ岳、荒船山など
360度の大パノラマがご褒美のようです。
東岳から眺む。
三角形のピークが筆頭岩
さくらの里では八重桜が満開。(5月上旬)
東岳から目指す白雲山を眺む。
東岳を過ぎると難所のひとつである「鷹戻しの鎖場」です。
急勾配で滑りやすい岩にかかっている数連の鎖と、はしごを頼りに慎重に下りましょう。
バラ尾根から見た金洞山(写真左端のピーク)と、星穴岳のむすび穴(右)、射ぬき穴(左)。
樹林を抜けると白雲山の最高峰、相馬岳山頂です。
(金洞山と星穴岳を眺む)
相馬岳を過ぎ、「大のぞき」のピークから天狗岳を振り返ると、
100m以上の断崖絶壁、迫力の岩壁を見ることができます。
くたびれていても忘れずに振り返りましょう。
数箇所の鎖場を抜けて見晴台までいくと稜線は終わります。
樹林の中を下ると、最後の難所となる奥ノ院横の三連30mの鎖場です。
この鎖場を過ぎると一般登山道と合流し、妙義神社へと到ります。
お疲れさまでした!
 

2014年11月  2016年11月  2017年4月

星穴岳
表妙義の縦走路を離れ星穴岳山頂へ。その昔、麓の町から射った矢で開いたと伝えられる“穴”に降り立ちます。
星穴伝説
その昔、百合若大臣が今の横川から妙義山に向かって放った矢が、みごとに射抜いたという“射ぬき穴”。そのお供の男がお結びを力いっぱい投げつけて開いたという“むすび穴”。横川には百合若大臣の足跡と言われている石がある。星穴岳に強弓を射った折り、踏んでいた石が凹んだそうだ。また、妙義神社には鉄の弓と矢が奉納されている。
 右:むすび穴 左:射ぬき穴
 
■登山のタイプ
バリエーションルート

日帰り
■必要な技術・体力
・技術…技術…V級程度の岩登りができる/ 懸垂下降(空中懸垂あり)ができる
・体力… 5kg程度の装備で時間程度行動できる
■行程
中之岳神社登山口−星穴岳−中之岳神社登山口
中之岳神社から西岳を経て星穴岳コルへ。
岩場をトラバースしたり、降りたり登ったりを繰り返します。
星穴岳のコルより射ぬき穴へ降ります。
星穴岳のコルは幅50cmほど。その北側の斜面20m程を懸垂下降。

射ぬき穴は横2m×高さ3mくらいの大きさ。

射ぬき穴からむすび穴へ。
射ぬき穴の南側の垂壁を40m程懸垂下降します。
岩質が脆いので、先行者は落石に注意を。
むすび穴到着。
横10m×高さ10mくらいの大きさです。
穴から北側を覗くと表妙義の峰々が眺めます。


(←ちっちゃいけどココにいます)
沢づたいに下降。
なだらかな滝を懸垂下降します。
 
 

2010年11月  2011年11月  2014年11月  2016年11月
 

表妙義・筆頭岩
表妙義三山のひとつである金鶏山の稜線の北端の岩峰が筆頭岩です。樹林の中にそそり立つ姿からローソク岩とも呼ばれています。岩頭を頂点とする二等辺三角形の右側の稜線を4ピッチで繋ぎます。
半日ほどで終わるルートですが、両側が切れ落ちたナイフリッジの通過あり、簡単な岩登りあり、懸垂下降あり、眺望良しの楽しいルートです。

■登山のタイプ
マルチピッチクライミング

日帰り
■必要な技術・体力
高度なクライミング技術は要求されませんが、速やかに登下降できるように外岩のクライミングに慣れておきましょう。
・技術…5.7程度をトップロープで登れる / リードの確保ができる / 懸垂下降ができる
・体力一般登山道をエリアマップ記載のコースタイム内で歩ける /
     アタック装備で4時間程度行動できる
下部はブッシュ混じりの岩稜帯
50cm幅のナイフリッジ
肝を冷やしますところですが、ロープを繋いで慎重に。

岩が脆くてはがれやすい
つかむ前、乗る前は軽く叩いたりはがれないか確かめましょう。
垂壁越しに見る表妙義・白雲山

 
 
2016年11月  2018年4月
 

裏妙義・木戸壁
妙義山塊は岩が脆いため登攀の対象となる壁が少ない中、木戸壁は貴重なクライミングエリアです。近年、再整備されたルートを登ります。ボコボコした岩肌でスタンス・ホールドはみつけやすく、傾斜も緩いので登りやすいルートです。4〜5ピッチなので日帰りで無理なく登れます。終了後は懸垂で下降します。
■登山のタイプ
マルチピッチクライミング

日帰り
■必要な技術・体力
木戸前ルンゼ…ピッチ グレードU〜U+  
木戸壁右カンテルート…ピッチ グレードU〜W

・技術…5.9をトップロープで登れる / マルチピッチの経験がある/ 懸垂下降ができる
・体力一般登山道をエリアマップ記載のコースタイム内で歩ける / アタック装備で5時間程度行動できる
 
 

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