50m走
阪神タイガースの赤星憲広と赤松真人は、2人とも50mを『5秒60』で走るそうだ。野球選手って足速いんだなー、っておい!日本記録上回っとるやんけ!

日本記録は、大阪ガスの朝原宣治が2002年2月にリービン国際室内陸上の60メートル走の途中計時で2度出した『5秒75』。ちなみに朝原は100m走日本歴代第2位(10秒02)の記録保持者。

そんな人より0.15秒も速いだと?。そんなことあるわけないだろ。

ありゃりゃ、よく調べたら50mの世界記録は『5秒57』だぞ。これまた100m走世界記録第2位(9秒79)のモーリス・グリーンの記録じゃないですか。

むーん、赤星・赤松両選手は室内陸上に出場すべきだな。

おかしいと思ってたんですよ。陸上競技未経験者で、「オレは高校生時代50m6秒20だった」とかいう人がいっぱいいるんですよ。しかも僕より10歳以上年上の人で、他の競技でかなりの所まで行ったわけでもない人なのに。たとえば高校野球のトップレベルの人達をキチンと計測すりゃ、数人は6秒前後の人はいるかもしれんけど、あんたらはちょっとねぇ。ハッキリ言ってムリよ。

たぶん、誰ひとり嘘は言ってないんでしょう。問題は計測方法です。素人がストップウォッチで測りゃ、そりゃかなり真実からはかけ離れますわな。仕方ないです。しかも体育の授業で測ったなんてことになると、フライングの許容範囲の問題もあるし、へたすりゃスタートの合図は「旗」ですぜ。まあ条件にもよるだろうけど、軽く0.5秒くらいは誤差が出てんじゃねえかな。

とにかくそういうことですから、50mの記録なんて足が速いことの保証になんてならないのです。陸上選手だって万全の計測条件で50mのタイムを計る機会なんて、ほとんどないのです。だってそんな競技無いし、普段の練習の計測だって素人(選手、マネージャー、コーチ)がやってるし。彼らだって、計測に関しては素人ですよ。ある程度は正確だろうけど。

『50m走6秒20』って人がいたら疑ってかかりましょう。サッカー、野球、バスケ、この辺りの競技の走り方ではまずムリ。ラグビーは速そうだな。その人がこれらの競技で高校の全国大会優勝チームに所属してたとか、そういうことなら「ひょっとしたらホントかもしれない」くらいの気持ちでいた方がいいな。特に、「オレの周りの奴はみんなそんくらいだぞ」とか「もっと速い奴もいた」なんて言ったらもうぜったい嘘。ストップウォッチ持ってたやつの親指の反射神経が鈍かっただけだから。

だまされんなよ。

(2005.07.24)