キャシャーンを見た
キャシャーン、観てきました。
賛否両論あるようですが、良い作品でした。これほどつっこみの入れどころの多い映画も近年珍しいくらいつっこみどころ満載でしたが、まあそのことと作品に対する評価とは次元の違う問題でして。一個人として評価を下すとき大事なのは、いい思いをしたかどうかでしょう。で、今回はいい思いをした、すなわち面白かったんで、良かった点をいくつか。
まず、CGの使い方。吉田戦車も雑誌のコラムで言ってたけど、CGであることを隠そうとしないああいう使い方はかなり好感が持てます。端的に言って、映像的には宇多田ヒカルのプロモをブラッシュアップしたような映像でした。が、逆にあの映像で映画が作れているということが驚きでした。
写真のような油絵を描く人がいるけど、そんなら写真撮りゃいいじゃんと思うことがあります。油絵なら油絵らしく描け、ということです。CGの場合、本来「CGらしい」っていうのがないんで同列には語れないわけですが、今回キャシャーンでもってひとつの「CGらしい」描き方が映画でなされたんじゃないかと思ったわけです。CGって、映画の世界ではほとんどリアルな表現のためにしか使われてこなかったわけで、キャシャーンはそこに一石を投じる事に成功したんでは?と思います。
あと音。ものすごい効果音でした。必聴。
肝心の内容ですが、冒頭でも言ったように物語の設定とかはつっこみどころ満載です。しかしストーリー展開については過不足無くちょうど良い感じでまとまっていたし、メッセージも明確に伝わってきました。
ややオタク向けの感はあるけど、巷にでまわっているオタク向けの作品のように内容が破綻していたり、メッセージが意味不明だったりせず、非常に好感のもてる内容でした。
配役もピッタリだったし(特に宮迫は良かった。)、大満足で映画館を出ました。
ただ、好き嫌いは出ると思いますね。「タマネギ嫌いな人がタマネギのどんなとこが嫌いなのかは分かるけど、自分は気にならない。って言うかそこが好き」って感じです。予告編とかを見て気持ちがプラスの方向に動いたんならば、おそらく見て損はないでしょう。オススメです。
( 2004.05.04)