産卵箱 トップへ
滝下農園には卵を買いに来るお客さんがいっぱいきます。手が空いているときは、農場を案内するのですが、一番感心されることが産卵箱です。皆さん卵を何処に産むか考えたこともないので、当たり前の話ですがそこいらへんにボロボロ産んでいるのだろうと思っているみたいです。
りんご箱で作った産卵箱に産むんですよ、と説明すると、さぞ訓練が大変なんでしょうね、ときかれます。




産卵はお産と同じで、産んだときに激しい痛みでしばらく身動きできません。産む時に外敵から身を守るために、安心して生めるところを探しているので、適当な場所にりんご箱を置いてあげると100パーセント中で産みます。
上の写真を見てください。産卵箱のなかに産んだ卵です。きれいな卵です。ちょっと汚れている所は、サンドペーパーで削ってあげます。
ところで、戦前、卵は輸出商品であったという話を聞いたことがあります、輸出に使われるのは、産みたての洗っていない卵です。洗うと表面の保護まくがはがされ、痛みやすいのです。クチクラ層といいます。現在スーパーなどでうられている卵は100パーセント洗われています。その分傷みが早くなります。
最近のテレビのコマーシャルなどでは何十万羽の鶏が完全に衛生的な施設で生産されているようなシーンを流していますが、いったいどうなんでしょう?実際見たことがないので、推測ですが、
身動きできずに金網に閉じ込められた鳥達は、金網の上で糞も卵も垂れ流しです。高たんぱくな餌のせいで、多分流れるような臭い糞です。その糞がついた卵は洗わずにはいられません。
卵が安全かどうか以前に、鶏の尊厳について考えておく必要があります。まるで機械の一部になってしまっています。鶏がもっている本能や恥じらい、生き物としての最低限のレベルも無視されています。
しかも産卵箱の中で産めば何の苦労もなくきれいな卵が手に入るのに、工場全体が殺菌された殺菌剤まみれの環境にのなかで洗われた卵しか手に入りません。
現在、ドイツやスイスなどヨーロッパでは鶏を放し飼いで飼うという流れになっていますが、実際法律でケージで飼うことが禁止されつつあります。ところが日本ではそのような動きが全くないばかりか、工場のような卵の生産が当たり前のように行われています。
農場見学の最後に、産卵箱の鶏が抱いている卵をとり、手渡すと、一様に暖かさに感激します。鶏の体温と愛情が皆さんの心を動かしているのだと思います。鶏も生き物です。鶏が幸せな気持ちで産んだ卵は必ず皆さんの気持ちを豊かにしてくれるものと信じています。
ストレスの塊の卵は栄養的に同じだと言われても納得できるものではありません。
是非お考え下さい。
