武藏野     


      浦和高等学校昭和十九年度寮歌  

        伴奏:TAKECHANバンド 

         

      武藏野の瑤沙ヶ丘に
             若き子の心ゆたけく
             友垣を結び來たりし
             先人の夢は遐けし
             ひたぶるに眞理(まこと)欣求()めつゝ
             六寮は生命に滿てり

    1、風薫る紫の丘
             (うるは)しく崇き香りに
             御駕(みくるま)はすみれつみ乗せ
             芳草(わかくさ)は光の中に
             守り()し故郷の丘
             さりがてに武藏男子は
             消えやらぬ淋しみ持ちて
             薄れゆく傳統(つたへ)悲しむ

    3、雙頬に忿怒(いかり)を見せて
             (おや)國の憂愁を見れば
             征きし友そヾろ偲ばれ
             はふり落つ涙頬傳ふ
             菊蔭に憩ふ男子よ
             現世(うつしよ)の濁りに染まず
             眉を上げ清き胸もて
             いや守れ神の御園を

         結

      武藏野の五月(さつき)の丘は
             葉櫻のさゆらぎもえて
             かなしくも躑躅花さき
             廻り來ぬ健兒(おのこ)の祭り
             集ひ來る心の友と
             高誦さむ記念祭歌(ことほぎ)

     *一高昭和12年「新墾の」の歌詞と似ているところがありますね。