藻の香に染みし     


      富山高等学校大正十四年寮歌

        伴奏:TAKECHANバンド

 1、藻の香に染みし砂枕   北の浦邊の松みどり
   越路の秋の暮れ行けば  勇士の涙地に湧きぬ

 5、さはれ悲愁の風吹けば  髪は緑の若人が
   昨日(きのう)憧憬(あこがれ)投げ捨てて  今日は雄々しく主義に生く

 6、諸手(もろて)をのべて吟ずれば  神江河畔の高樓(たかどの)
   ただ感激と喜悦(よろこび)の    溢るる思ひ歌となる


   「そは今を去る50年の昔、思想の世界の空漠に、孤独な感想の寮生が、遊離の感情に耐えかねて、
   行くはいづれか右左。主義の光を身に浴びて、プロレタリヤの槌の音に、赤裸々無垢な現実の実行の
   世界を憧れて、その設計を計てぬ。
    されどあはれ、恋人と愛情は一つ道路二つ。恋愛と主義との板挟み、淋し性と恋故に、世の愉楽は失
   せ行きて、やがて消えゆく虹の橋。」 (「藻の香に染みし」前文より)

  第四高等學校大正四年寮歌「北の都」の「髪は緑の青年が・・」「自由の為に死するってふ 主義を愛して
  死するてふ」「その術なきを謎ならで 盃捨てゝ歎かんや」の歌詞が思い浮かぶ。大正ロマンの明るさが
  消えうせ、悲愁の曲となっています。

  *この曲は、もともとは四分の四拍子であったが、歌い継がれるうちに八分の六拍子の逍遥歌となった。
   四拍子の原譜をそのように改めたが、音楽ど素人のTAKECHANです。間違いがあるかも知れません。
   ご容赦下さい。