雲紫に     


      大阪高等学校寮歌

        伴奏:TAKECHANバンド

 雲紫に花紅く      春日煙る帝陵の
 丘の若草萠ゆる頃    自由の鐘の音はすみぬ

 弦月西に冴えかへり   人の世夢にふける時
 秋のあしたの傷心の   詩を吟ずるは誰れが子ぞ

 華城は空しく苔深み   雄図よ今はいづくぞや
 たヾ幻の栄え匂ひ    春夢儚く跡もなし

 東亜の地図は血に染みて 自由の光求めんに
 澱江河畔波荒く     図南の翼今成りぬ

 あはれ弱者となる勿れ  名もなき道を行く勿れ
 若き男の子の血は燃えて 思は聖く意気高し

 あした桜の紅の     それにも似たる頬の色
 輝く若さ見よやとて   若き命を誇らずや
 
 それ難波津の三星霜   春永劫の春ならず
 歎くをやめて我が友よ  只(うま)酒に我と泣け

 あゝ茅海の夕の浪    砕けて帰らぬ波のごと
 月の桂を折らんとて   人去り時はふり行かん

 熱涙我は血と泣きて   高き望にあくがれつ
 若き亜細亜の朝ぼらけ  (あした)の鐘をつかんかな