げに光陰は 　　　　

　　　　　　高知高等学校昭和十年記念祭歌　　

　　　　　　　　伴奏：TAKECHANバンド

　　１、げに光陰は夢に似て
　　　　春秋流れ十二年
　　　　雄津原頭に苔むすも
　　　　永久(とは)に變らぬ自治の燈(ひ)や

　　２、高なる血潮青春の
　　　　意氣と活路の凝(こ)る處
　　　　清くも例へん白玉の
　　　　此處南溟の一聖地

　　３、壯士易水(えきすい)の風と去り
　　　　人繚亂(れうらん)の夢に醉ふ
　　　　妖雲深く垂れこめば
　　　　悲歌の彼方(かなた)に流れ來る

　　４、あゝ驂鸞(さんらん)の夢深く
　　　　孤霞遙曳(こかえうえい)にとざされし
　　　　朝(あした)の静寂(しじま)ゆらぎては
　　　　此處人生の朝ぼらけ

　　５、迷へる民を救はんと
　　　　右手(めて)に降魔(かうま)の利劍もて
　　　　今、中原(ちゅうげん)に鹿を追ふ
　　　　健兒が理想いや高し

　　６、渾沌の世の唯中に
　　　　たぎる三年の感激を
　　　　清き桂に託しつゝ
　　　　記念の碑(しるし)建てんかな
　　　　記念の碑建てんかな