春は彌生の    


      広島高等学校昭和十七年逍遥歌
        伴奏:TAKECHANバンド 



 1、春は彌生の花吹雪
   濡るゝ男の子に若き日の
   美しき詩や浮び来む
   長堤嫩草萌え出でて
   浅緑の道行く子等が
   口ずさむなる逍遥歌

 2、夢円なる瀬戸の海
   霞たゆたふ酷
   波打ち際に貝拾ふ
   鹿子絞りの乙女子が
   裳裾の濡るゝ浜辺より
   白き小舟に棹さしぬ

10、あゝ逍遥の三年かや
   君に詩情はゆたかなれ
   友よ若さの花瓣の
   散るを惜しみて抱へてよ
   その青春の花束に
   旅情の香り加へなむ